万人受けを目指すほど、選ばれなくなる
あなたの周辺の飲食店で、
和食も、洋食も、中華も出す…
昼呑みでも、ディナーでも、誰でも歓迎…
そんなお店はありませんか?
一見すると、サービス精神旺盛で親切ですよね。
でも、なぜか入ろうという気にならない…
「他の店にして良いのでは?」
「どの料理もパッとしていなさそう…」
そんな感覚が生まれてしまうのです。
この事象、先生の歯科医院でも、
同じ罠に入っていませんか?
「幅広く診ますと伝えた方が安心だろう」
「ワンストップの治療は魅力的だろう」
その結果、ホームページも、院内掲示も、
言葉が丸くなっていくのです。
するとあなたの歯科医院は、患者からは、
「違いが分からない歯科医院」に見えてしまうのです。
ここで重要なのは、そもそも、
すべての人にとってうれしい、そして万人が
ありがたがるような歯科医院は存在しないという事実です。
万人受けを目指せば、結局
何の特色も、尖ったところも残りません。
そして、いくらでも代替できそうに見えてくる…
だから、
自由診療の成約率が上がらない…
メンテナンスや予防歯科に通う患者が頭打ち…
歯科医院経営は、
「良い治療をしているかどうか」だけで決まりません。
患者が選ぶのは、
“自分に合う歯科医院かどうか”です。
この「合う」を作るのに、
マーケティング上、非常に効果があるのが、
短所を長所に変える視点の切替です。
今日は先生に、「短所を消す」のではなく、
短所を旗にして患者をファンにする方法を整理します。
新規患者が増えない理由
短所は隠すほど”比較”にさらされる
患者は、先生が思う以上に、
「比較」を前提に歯科医院を選んでいます。
検索して、地図を見て、口コミを少し読んで、
ホームページを流し読みして…
この数分で通院する候補の医院を絞ります。
この時点で患者が見ているのは、
治療の良し悪しではありません。
「自分の不安が減るか、どうか」です。
ところが多くの歯科医院は、
患者の不安を減らそうとして、言葉を無難にします。
「痛みに配慮します」
「丁寧に説明し、優しく接します」
「子供からお年寄りまで幅広く対応します」
もちろん大事です。でも、それは
どこの歯科医院でも書いている事柄です。
すると患者の頭の中では、
いくつかの歯科医院が横一列に並びます。
横一列になると何が起きるか?
答えは”利便性が選択理由になる”です。
すなわち、“近い”、“安い”、“予約が取れる”で
来院を決める患者の比率が大きくなるのです。
先生の歯科医院が、保険診療中心に1日20名ほど、
自由診療は1割程度だとしましょう。
この状態で、新患候補が
「横一列の比較」で通院先を決めるなら、
勝ち筋が薄くなるのは当然です。
さらに厄介なのが、短所を隠すほど、
来てほしくない患者まで呼び込むことです。
たとえば
・約束の時間を軽く扱う
・医院の方針より自分の都合を優先したい
こういう患者が混ざると、スタッフは疲弊します。
院長は診療に集中できなくなります。
そして院内の空気が荒れます。
結果として、良い患者まで離れることになります。
つまり、問題の原因は、
「先生の治療が弱い」からではないのです。
選ばれるべき理由が、患者に伝わっていないからです。
もっと言えば、
「誰に合う歯科医院なのか」が曖昧なのです。
ここのピントが甘いままで広告だけ増やしても、
ホームページを綺麗にしても、
同じループの繰り返しになります。
短所を長所に変える“視点の切替”
短所=欠陥ではない
「短所を長所に変える」と言うと、
言葉遊びに聞こえるかもしれません。
しかし歯科医院経営では、これはかなり実務的な話です。
短所とは、欠陥ではありません。
“誰に合わないか”を示すサインです。
たとえば先生の歯科医院に、
「ゆっくり話して納得してから進めたい」
という方針があるとします。
この場合、せっかちな患者には短所に見えるはず。
しかし、説明を大切にする患者にはこれは長所です。
つまり、短所を消すのではなく、
対象患者を絞るために“表に出す”のです。
視点を変えても短所を短所としてしか見ない患者は、
むしろ先生の歯科医院にはそぐわない。
ここを割り切れないと、
いつまでも「誰にでも合わせる医院」になります。
割り切るとは、冷たくすることではありません。
最初からミスマッチを減らし、
患者にもスタッフにも不幸を作らない態度です。
この姿勢の歯科医院ほど、絶大なファンが増えます。
なぜなら、患者は
「自分の価値観を分かってくれる場所」に
強く惹かれるからです。
歯科医院での実装手順
①言語化
②見せ方
③導線
④現場運用
実装のポイントは、
かっこいい言葉より、現場で再現できる言葉です。
おすすめは4ステップ。
どれか1つでも欠けると、効果が落ちます。
① 言語化:短所を“方針”に言い換える
短所を隠すのではなく、医院の方針として言語化します。
「何を大切にして、何を優先しないか」を3つ決めてください。
・時間を守る患者を大切にする
・説明に時間を使う(急かされる診療はしない)
・長期で口腔内を良くしたい人を優先する
② 見せ方:冒頭で“合う・合わない”を示す
患者は長文を読みません。最初の数行で判断します。
冒頭に「当院が大切にしていること」を置き、
ミスマッチを減らします。
③ 導線:自由診療は“型”で成約
自由診療が決まらない原因は、
説明不足より導線不足である場合がほとんどです。
【質問】【時間宣言】【提案の絞り込み】の
3点セットで型を作りましょう。
・カウンセリング時間を先に宣言する
・提案は1つに絞り、比較対象を作りすぎない
④ 現場運用:スタッフが同じ言葉で
朝礼1分で、想定患者像(3行)と
相談の流れ(誰が何を言うか)を共有してください。
価値観が一貫すると、患者は安心し、スタッフは迷いません。
結果として、ファンが増えます。
※広告・Web表現は医療広告ガイドライン等の遵守が前提です。
合わない患者を減らす
万人に好かれる歯科医院は存在しません。
だからといって「嫌われないように丸くする」ほど、
患者からは違いが見えなくなります。
短所を消すのではなく、
短所を“方針”として言語化してください。
視点を変えても短所を短所としてしか見ない患者は、
先生の歯科医院にはそぐわないのだと割り切ります。
この割り切りが、絶大なファンを作ります。
今日やることは1つです。
「当院が大切にしていること」を3行で書く。
そして余裕があるなら、それらを
情報発信の媒体のトップに配置する。
これができれば、新規は“数”より“質”が変わります。
自由診療の成約率とスタッフ定着が、同時に動き始めるのです。









