良質な患者を集めたい

「なんでも相談して」が新患を遠ざける?

「なんでも相談してください」が新患を遠ざける理由

 

先日、聞いた話です。
知人が長年愛用していた腕時計の修理で悩んでいたそうです。

 

彼の住まいの近所には
「どんな時計でも直します」という看板の店があります。

 

しかし彼は、電車で片道1時間もかけて、
「アンティーク時計の修理専門店」へ向かったのです。

 

彼にとってその時計は、祖父から譲り受けた大切な形見でした。
だからこそ、「なんでも直す」便利さよりも、
「この時計の価値を分かってくれる専門性」を求めたのです。

 

実はこの心理、歯科医院を探す患者も全く同じなのです。

 

改めまして、歯科医院経営コンサルタントの近義武です。
私は自身のクリニックでの経営難を乗り越え、
これまで200以上の歯科医院のコンサルティングを行い、
継続的な増収増益をサポートしてきました。

 

私の経験上、技術に自信があり、
勉強熱心な真面目な院長先生ほど、
ある「罠」に陥りやすい傾向があります。

 

それは、「ウチはどんな治療でも高いレベルで提供できます」
「なんでも相談してください!」と、
見込み患者に向けてアピールしてしまうことです。

 

週末ごとに臨床系のセミナーや研修会に参加し、
技術を磨き続けてきた先生にとって、
「できる処置を全て並べてアピールする」のは
ごく自然な発想かもしれません。

 

「幅広く対応できることを知ってもらえれば、
ほぼ全ての見込み患者に強くアピールできるはずだ」
と考えてはいないでしょうか。

 

しかし、先生のことや歯科医院の存在を全く知らない
「見込み患者」の視点は、少し違います。

 

彼らが求めているのは、「なんでもできる歯科医院」ではなく、
「自分の切実な悩みを確実に解決してくれる歯科医院」なのです。

 

新患に全く来てもらえなくては、
歯科医院の経営はいずれ破綻してしまいます。

 

だからこそ、「見込み患者が何を求めているのか」を知ることが、
経営改善に向けた「最初の1歩」となるのです。

選ばれるための「差別化」の真実

「なんでもできる」は「選ぶ理由がない」と同義

先生は、ご自身の歯科医院のホームページやチラシに、
カリエス治療、歯周病、小児歯科、インプラント、審美歯科など、
対応できる診療科目をすべて羅列していませんか?

 

高い技術を持つ先生なら、事実としてすべて対応可能でしょう。
しかし、見込み患者の目にはどう映るでしょうか。

 

結論から言えば、すべてを羅列することは
「差別化できていない」状態を作り出します。

 

患者は、「歯が痛い」「見栄えを良くしたい」など、
明確で個人的な悩みを持って歯科医院を探しています。

 

そこに「なんでもできます」というメッセージを見ても、
「私の悩みを特別に深く理解してくれる場所だ」
とは感じてくれません。

 

むしろ、特徴がないことで、
「選ぶ理由がない歯科医院」になってしまうのです。

 

さらに厳しい見方をすれば、情報があふれる現代では、
特徴がないことは「アピールできる強みがないのだ」と
ネガティブに解釈されてしまう危険性すらあります。

 

先生の持つ素晴らしい技術や知識が、
伝え方を間違えるだけで埋もれてしまう…
これは、歯科医院経営において大きな損失ではないでしょうか。

 

患者が求めているのは「平均点」ではない

多くの真面目な院長先生は、
「すべての診療科目で平均点以上を取らなければ」と
無意識に考えてしまいがちです。

 

近隣の歯科医師には負けない技術があるからこそ、
「あれもできる、これもできる」と
総合力の高さを伝えようとします。

 

しかし、見込み患者の評価基準は異なります。

 

患者にとって、自分が悩んでいない分野の技術が
どれほど高くても、実はあまり関係がありません。

 

患者が求めているのは、
総合的な「平均点の高さ」ではないのです。

 

それよりも、自分が求めている特定の領域において、
突出した強みや解決策を持っているかどうか。
見込み患者は、その1点に強烈に惹かれます。

 

たとえ他の分野の対応を強調しなかったとしても、
患者が求めることにおいて傑出している方が、
結果として歯科医院への評価は圧倒的に高くなるのです。

 

「お求めの解決策は、私の歯科医院にあります」
このメッセージを明確に打ち出すことができれば、
自由診療の成約に苦戦している現状も打開できます。

 

「なんでもできる」という万能感を手放し、
「誰の、どんな悩みを解決するのか」を絞り込む。
これが、新患の来院を高確率で実現する重要なスイッチなのです。

「真のニーズ」を探り当てる最短ルート

答えは「目の前の患者」が持っている

では、見込み患者が「何を求めているのか」を
具体的にどうやって知ればよいのでしょうか。

 

高い費用を払って外部の市場調査を行う必要はありません。
その答えを知る方法は一つ。
現在あなたの歯科医院に通う患者に直接聞くことです。

 

彼らも最初は、あなたの歯科医院を知らない
ただの「見込み患者」でした。

 

その彼らが、数ある選択肢の中からあなたの歯科医院を選び、
実際に足を運んでくれたのです。

 

だからこそ、先生がすべきことはシンプルです。
目の前の患者に、こう聞いてみてください。

 

「なぜ、ウチの歯科医院を選んだのですか?」
「来院しようと思った決め手は何だったのですか?」

 

この質問への答えこそが、
先生の歯科医院が持つ「本当の強み」であり、
見込み患者の心に刺さるアピールポイントの原石なのです。

 

日々の診療に追われ、スタッフの急な欠勤などで
余裕がない状況かもしれません。

 

しかし、診療の合間やちょっとした会話の中で
この質問を投げかけることは、
今日からすぐに実践できます。

 

患者の言葉の裏にある「本音」を見抜く

ただ、実際に患者に聞く際、
絶対に注意しなければならない点があります。

 

それは、意図的であるかどうかに関わらず、
「この時の答えが本心ではない可能性がある」
ということです。

 

治療をしてくれる先生を目の前にすると、
患者は少なからず気を遣います。

 

「先生が喜びそうな立派な理由」を
無意識に探して答えてしまう可能性は十分にあるのです。

 

また、来院の理由が複数あったとしても、
本当に「一番の理由」を答えているとは限りません。

 

だからこそ、数人の意見を聞いただけで
「これがウチの強みだ」と思い込んではいけないのです。

 

どんな答えでも構わないので、
とにかく大量に答えを集めることが重要です。

 

数十、数百と答えを集め続けることで、
個人の気遣いや偏りが薄れ、
全体の「傾向」が見えてきます。

 

その傾向こそが、
見込み患者が求めている「真のニーズ」です。

 

傾向を掴んだら、それをホームページやチラシなどの
広告宣伝、情報発信にすぐに反映させます。

※医療広告ガイドラインを遵守した表現であることが前提です。

 

そして、その後の新患の反応を見ながら、
さらに確度の高いアピールポイントを探り出していく。

 

一見すると地道な作業に思えるかもしれません。
しかし、これこそが新患を確実に呼び込むための、
再現性の高い手法なのです。

「選ばれる歯科医院」への第一歩

「なんでも相談してください」というアピールは、
技術に自信があるからこその罠であり、結果的に
「選ぶ理由がない」と見込み患者を遠ざけてしまいます。

 

新患の来院を高確率で実現するためには、
ご自身の歯科医院が持つ「突出した強み」を明確にし、
見込み患者の切実な悩みに直接訴えかけることが不可欠です。

 

そして、その強みを教えてくれるのは、
今、目の前にいる患者に他なりません。

 

まずは明日、来院される患者の一人に、
「なぜ、ウチの歯科医院を選んでくれたのですか?」と、
笑顔で問いかけてみましょう。

 

その小さな行動の積み重ねが、自由診療の成約率を高め、
ひいては資金的な余裕を生み出すドミノ倒しの1枚目となります。

 

持続可能な成長に向けて、今日から実践していきましょう。
(※施策の成果は、実行状況や医院の環境により異なります)

 


 

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歯科医師
歯科医院の集患・経営、
ブランド構築コンサルタント

株式会社120パーセント
代表取締役  近  義武

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