高収益な歯科経営をしたい

治療法のアピールは逆効果?4軸ビジネスモデルの設計手順

”あなたの歯科医院”を「一言」でいうなら?

先生、少し想像してみてください。初対面の方に
「どんな歯科医院をされているんですか?」
と聞かれた場面を。

 

あなたは何と答えますか?
「保険診療の一般歯科から様々な自由診療まで幅広くやっています」

 

もし、こんな答えが口をついて出るようなら、
あなたは少し立ち止まってみる価値があります。

 

なぜなら、そんな答えは
全国どこの歯科医院でも通用する説明だからです。

 

つまり、あなたの歯科医院ならではの輪郭が、
外からは見えていないということ!

 

実は、患者獲得が思うようにいかない歯科医院、
自由診療の成約に苦戦する歯科医院に共通するのは、
「誰に/何を/どう渡して/利益化するか」
が、院長自身の中で言語化されていないことです。

 

技術力の問題ではありません。設計の問題です。

 

私はこれまで200を超える歯科医院の経営改善に関わりました。
すぐに経営が伸びる歯科医院は例外なく、
この「設計図」を持っていました。

 

私が関わり始めた時点で持っていなかったなら
ほぼ全ての方に、まずその設計図を描き切って貰いました。
設計図がなくては、経営改善の真髄部分は組み立てられないからです。

 

今日は、その設計図の描き方をお伝えしていきます。

なぜか自由診療が伸びない…

毎日、どの患者にも丁寧に診療し、
休日は臨床系のセミナーに参加して技術を磨く…

 

治療可能な症例の範囲も広く、
近隣の歯科医師には決して負けてはいない…
自らの歯科診療には確かな自信と誇りも持っている…

 

それなのに、なぜか自由診療は全体の1〜2割程度…
成約に向けて丁寧に説明してもすんなりとはいかず、
開業資金の返済や日々の生活費に追われて、
将来に向けた資産形成は滞っている…

 

その上、スタッフはなかなか定着せず、
採用と教育に疲れながら、患者の都合に振り回される…

 

いつも優良な新患の来院を心待ちにするだけの毎日は、
先生が思い描いていた理想の姿ではないはずです。

 

私自身もかつては自身のクリニックを開業し、
深刻な経営難に直面して苦しんだ経験があります。

 

どうすれば自分の提供する医療の価値が伝わるのか、
暗闇の中でもがいていた時期がありました。

 

だからこそ、真面目で技術のある歯科医師ほど
経営で苦しむ現状を、私は痛いほど理解しています。

 

多くの先生がぶつかるこの見えない壁の正体は、
決して治療技術の不足などではありません。

 

先生の提供する素晴らしい歯科医療が、
「誰のための、どんな価値を持つものか」について
”経営的に言語化されていない”ことにあるのです。

 

疾患の診断は得意でも、経営の診断となると、
途端に迷子になってしまう先生が
残念ながら非常に多いのが現実なのです。

歯科医院4軸ビジネスモデル

「誰に/何を/どう渡して/利益化するか」
この設計図が、全てと言っても過言ではありません。

 

全ての経営施策は設計図を基礎・土台として組み上げるものです。
院長自身の中で言語化されていないなど論外です。

 

建築の土台と全く同じです。
広くて趣のある平屋の日本家屋と、
眺望の良いタワマンを建てるのとでは
土台が根本から異なるのは至極当然のことです。

 

先生の診療スタイルや経営ポリシーによって
「4軸ビジネスモデル」も異なるのです。

 

ただし、”設計図の描き方”については
どんな院長先生でも再現性が高く実践できて、
思い込みや因習から解放され、価値観が切り替わる…
そんな”歯科経営に特化した描き方”があります。

 

今回は、そんな
「歯科医院4軸ビジネスモデル」の本質と
その描き方について解説します。

経営の羅針盤「4軸ビジネスモデル」とは

設計図と言っても、難しい話ではありません。
4つの軸で、あなたの歯科医院を定義するだけです。

 

その4つとは、以下の通りです。

  • WHO(誰の・どんな困りごとか)= 対象患者
  • WHAT(何を提供するのか)= 提供価値
  • HOW(どのように渡すのか)= 提供手段・差別化
  • WHY(なぜ利益化できるのか)= 収益モデル

 

この4軸は、もともと新規事業を立ち上げる際の
設計フレームとして使われてきたものです。

 

しかし本当の威力を発揮するのは、
すでに動いている既存のビジネスの
「経営診断」に使ったとき
だと私は考えています。

 

歯科医院経営にもビジネスの側面がある以上、
その”経営の現状”を分析する際にも非常に有効です。

 

1つ目の軸:WHO(誰の悩みか)― 対象患者の解像度を上げる

最初の軸は、
「患者は誰で、どんな困りごとに応える歯科医院なのか」です。
ここで多くの院長先生がつまずきます。

 

「地域の患者さんすべて」
「歯で困っている方・心配のある方全員」
「口のトラブルを抱えているなら誰でも」

 

このように答えたり、定義してしまったりすると、
”WHOの軸”が定まっていないのと同じ状態です。

 

なぜなら、「誰でも歓迎」は、
誰の心にも刺さらない
からです。
解像度を上げるには、こう自問してみてください。

 

・その患者は何歳くらいで、どんな生活を送っているか?
・どんな具体的な困りごとを抱えているか?
(「歯が悪い」ではなく、そこの起因した生活の不便まで)
その困りごとで、患者本人は何を諦めているか

 

ここまで具体化すると、伝えるメッセージも、
待合室の設え(しつらえ)も、スタッフの対応も、
自ずと変わってきます。

 

WHOの軸の解像度の高さは、そのまま
選ばれる理由の鮮明さに直結するのです。

 

2つ目の軸:WHAT(何を提供するか)― 患者が本当に得たい価値

2つ目の軸は、
「あなたの歯科医院は、患者にどんな価値を提供しているのか」です。
「治療」と答えたくなりますが、それは半分正解で、半分不正解です。

 

患者が本当にお金を払っているのは、
治療そのものではなく、治療の先にある変化だからです。

 

たとえば、噛めるようになることの先には
「家族との食卓の楽しさや一家団欒」があります。

 

見た目が整うことの先には
「人前で口を隠さずに笑える自信」があります。

 

ここで自問してみてください。

 

・あなたの診療は、患者の生活のどんな場面を変えるのか?
その変化を、患者はどんな言葉で家族に語るだろうか?
・その変化で、患者はどんな気分を味わうのか?

 

提供価値を「機能」で語る歯科医院は競合と並び、
「感情」で語れる歯科医院は選ばれます。

 

自由診療の成約率が伸びない場合、
多くはこのWHATの言語化が不足しているのです。

 

3つ目の軸:HOW(どうやって渡すか)― 差別化の源泉

3つ目の軸は、
「その価値を、どのような手段で渡し、提供し、差別化をするのか」です。
ここで多くの院長先生が誤解しています。

 

HOWとは、診療技術や設備、治療メニューだけを指すのではありません。
予約の取り方、カウンセリングの進め方、
スタッフの声かけ、院内の空気感、SNSでの発信…

 

患者がまだ来院していない段階から、HPやチラシの文言、
治療前、治療中、治療後のフォローに至るまで、
あなたの歯科医院から患者に届くすべてがHOWの構成要素です。

 

実際、単独の技術で差別化するのは年々難しくなっています。
なぜなら、優れた術式や機材は、いずれ他院も導入するからです。

 

しかし、HOWを掛け合わせた組み合わせは、簡単には真似されません。
先生の歯科医院ならではの「価値の渡し方の総体」こそが、
本当の差別化になるのです。

 

4つ目の軸:WHY(なぜ利益化できるのか)― 収益の必然性

最後の軸は、「なぜ、その仕組みであなたの歯科医院は儲かるのか」です。
少し生々しい問いですが、目を逸らしてはいけません。

ここで重要なのは、WHYは単独では成立しないということです。
WHOが明確で、WHATが響き、HOWで独自性が出ているからこそ、
収益は必然として生まれる!

 

この順番が絶対です。
逆に言えば、「なぜ利益が生まれるのか」を院長自身の言葉で
説明できないような診療メニューは、遅かれ早かれ立ち行かなくなります。

 

選ばれ続ける理由、値付けの根拠、他院に流れない仕組み…
これらが噛み合って、初めて
患者数・患者(診療)単価・来院頻度の3つが
院長の望む結果に向けて健全に伸びていくのです。

 

収益は目的ではなく、あくまでも4軸が整った結果です。
これは決して歯科医業の倫理観を貶めるものではありません。
この4軸が揃って初めて、ビジネスモデルとして成立するのです。

多くの歯科医院が陥る罠

では、先生の歯科医院のホームページや
患者への説明を少し思い返してみてください。

 

「最新の設備を導入したインプラント治療」や
「痛みを抑えた削らない虫歯治療」などと、
アピールばかりになっていませんか?

 

実は、これらは
すべて「HOW(価値提供の手段)」
でしかありません。

 

多くの歯科医院が、このHOWの軸ばかりを磨き上げ、
治療法や設備の優位性だけで勝負しようとしています。

 

しかし、患者の立場から考えてみてください。
近隣のどの歯科医院も同じような手段をアピールしていれば、
専門家ではない患者には違いなど分かりません

 

HOWの軸には本来、差別化の要素が含まれています。
技術での差別化が難しいのは前述の通りです。
患者に分からないなら差別化されていないに等しいのです。

 

結果として何が起こるかお分かりですよね。
「どこに行っても同じなら、近くて安いところでいい」と、
価格競争や立地だけの勝負に巻き込まれてしまうのです。

 

これが、技術に自信があるのに自由診療が成約しない、
一番の根本的な原因なのです。

 

ここで重要なのは、HOW(価値提供の手段)の前提となる、
WHO(誰の)とWHAT(どんな価値)を明確にすることです。

 

ここが言語化されていない限り、
どんなに高度な治療技術も患者の心には届きません。

 

歯科医院の経営をドミノ倒しに例えるなら、
WHOとWHATの明確化こそが、最初の1枚目なのです。

「4軸モデル」を活用した経営再構築

では、具体的な事例を使って考えてみましょう。
たとえば、先生がインプラント治療を経営の柱に据え、
それを強みとした歯科医院を構築したいとします。

 

ここで、先ほどから話している
「4軸ビジネスモデル」に順番に当てはめていきます。

 

まず、インプラント治療そのものは「HOW」の軸です。
しかし、先ほどもお伝えしたように、
ただ「安全なインプラントができます」というだけでは、
競合する他院との差別化はまったくできていません。

 

そこで、価値提供の手段であるHOWに
先生ならではの独自性を加えましょう。
ここは十分に時間をかけて熟考して良いポイントです。

 

一例としてここでは、
単に「何でも噛めるようになる」という咀嚼機能の回復に加えて、
「飲込みがスムーズになる」という嚥下機能も考慮した治療設計と、
その確実な実現を追加で盛り込むことにしてみましょう。

 

研修会などで日頃から研鑽を積む先生なら、
なんらかのストロングポイントがあるはずです。

 

言い方を変えるなら、
特徴的で他の歯科医院ではすぐには模倣できないような
”何か”が全くないなら、例としてあげたインプラント治療は
そもそも経営の柱に据えるべき科目ではないということです。

 

強みがない=差別化できないわけですから、
別科目や別の切り口を考えた方が建設的でしょう。

 

ただ、どうしてもこだわりがあって、そんな治療でも
経営の柱に据えたいと言う先生には、
打つ手があるにはあります。

 

ただし、相当厳しい茨の道で、
費用も時間も必要となり、博打的な要素も加わりますので
(おすすめは全くしませんが)ご相談ください。

 

話を戻します。
院長先生独自の、差別化可能なHOWが具体化すると、
次は「WHO」の軸が決まってきます。

 

ここで「食事に困っている人全般」をターゲットにしては、
対象患者の絞り込みが甘く、結局誰の心にも響きません。

 

「食事に時間がかかってしまい、家族に申し訳ないと感じる人」
「食べられる食材が限定的で、毎日の食事が苦痛な人」

 

などのように、患者の具体的な困りごとに
焦点を定めるのです。
患者の気持ちを想像して、言語化してみましょう。
既存の患者にインタビューしてみるのもアリです。

 

そして、最も重要になるのが「WHAT」の軸です。
先生が提供する歯科医療の”本当の価値”は何でしょうか。

 

患者はお金を払って
「チタン製の人工歯根」が欲しいのではありません。

 

「家族や友人と同じものを食べ、
食事の楽しさを心から実感できる」
という、
患者の人生にもたらす変化と感情的価値を欲しているのです。

 

最後に「WHY」の軸、つまり収益モデルについて考えます。
「インプラント治療によって、咀嚼だけでなく嚥下機能も回復する」
という切り口は、咀嚼と同時に嚥下にも悩みを抱える患者にとって
「私の悩みが解消した未来」の提示は新鮮に映るはずです。

 

尚且つ、先生がこれまで培ってきた技術や、
嚥下に関する豊富な知識には、近隣他院にはない
一日の長がありそうだと確信が持てたなら…

 

その価値が、対象となる患者にきちんと伝わるからこそ、
価格競争に巻き込まれることなく、
正当な評価としての利益が期待できるのです。

 

いかがでしょうか。
単に「インプラントという治療法を売る」という発想から、
「患者の人生を豊かにする価値を提供する」という
経営者としての観点の転換、価値観の切替が起きたはずです。

 

このようにして、先生の持つ確かな技術をベースに、
強いビジネスモデルとして整えることが可能なのです。

 

※成果は実行状況や環境により異なります。
また、医療広告ガイドライン遵守を前提とします。

あなたの歯科医院の「4軸モデル」は?

ここまで、歯科医院経営における
「4軸ビジネスモデル」についてお伝えしてきました。

 

どんなに素晴らしい治療技術を持っていても、
HOW(手段)ばかりをアピールしていては、
決して患者から選ばれることはありません。

 

患者が本当に求めているWHAT(提供価値)と、
その価値を届けるべきWHO(対象患者)、
そして先生の技術に見合った利益を生み出すWHY(収益モデル)。

 

これらが繋がって初めて、ブレない経営の軸が完成し、
持続可能な成長への最短コースが開かれるのです。

 

では、最後にもう一度お聞きします。
先生の歯科医院の4つの軸はどうなっていますか?

 

経営改善への第一歩は、現状を正しく認識することです。
まずは今日から実践できる小さな一歩として、
次のことを試してみてください。

 

現在通ってくれている患者の中で、
「こういう人にこそもっと来てほしい」と思う方を
一人だけ思い浮かべてみてください。

 

そして、その方が来院前に抱えていた「具体的な困りごと」と、
治療を通じて得られた「感情の変化や喜び」を
紙に書き出してみましょう。

 

それが、先生の歯科医院のWHOとWHATを見つける
最初のきっかけになります。
先生のその一歩が、医院の未来を大きく変えるはずです。

 


 

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歯科医師
歯科医院の集患・経営、
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株式会社120パーセント
代表取締役  近  義武

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