売上と来院頻度

歯科医院の売上を高位安定させる7つのポイント(下)

Last Updated on 2020.6.30 by 近 義武

あまり知られていませんが、
患者がたくさん来ていても売上の変動が大きくて
気が休まらない歯科医院経営をしている院長がおいでになります。

 

こんにちは、株式会社120パーセント代表、
集患、自費率向上、予防歯科の確立をブランディングで実現する、
ブランド歯科医院構築・経営コンサルタント、
歯科医師の 近  義武 です。

 

「歯科医院経営における売上の安定」をテーマに話をしています。
実際にどうするか、というとまずは売上を分解して考えねばなりません。
売上は

『患者数 x 来院1回あたりの平均単価 x 来院頻度』

と表すことができます。

 

売上を増やすには、「患者数」「平均単価」「来院頻度」を
それぞれ増やしていく施策を行うことになります。

 

これまでに、「患者数」、「患者来院1回あたりの平均単価」を
増やす施策について説明をしてきました。

 

今回は、同じく「売上」の成り立ちの中の『来院頻度』について話していきましょう。

歯科医院の売上を高位安定させる7つのポイント⑤
〜来院頻度はLTVと合わせて大きくする〜

 

この来院頻度、実はあまり着目されていません。
売上を表す式を「歯科医院における売上方程式」と呼びます。

売上方程式
『売上=患者数 x 患者来院1回あたりの平均単価 x 来院頻度』

これが現在の「歯科医院における売上方程式」ですが、以前は

『売上=患者数 x 患者来院1回あたりの平均単価』

とされていたくらいです。

 

開業しさえすれば患者がいくらでも来院した時代はこの認識で正しかったわけですが、
現在の歯科医院経営はそうはいきません。
それゆえ方程式も変化を余儀なくされたのです。

 

「来院頻度」は1人の患者がどれだけの回数、来院するかを示す数値です。
期間の設定によって大きく変化するのが特徴です。

 

例えば、矯正治療の患者なら、期間を『1ヶ月』にすれば
来院頻度は「1回」となるケースがほとんどになるでしょう。
期間を『1初診』とするなら来院頻度は「40回」以上でも不思議ではありません。

 

患者によって、治療の種類によって来院頻度はまちまちとなります。
ただ、あなたの歯科医院全体として考えるなら
『1人平均の来院頻度』が大きいほど売上が増えることは自明です。

 

歯科医院経営において、この『1人平均の来院頻度』が十分大きくて
かつその振れ幅(ボラティリティ)が小さいほど売上は安定することになります。

 

ボラティリティー(Volatility)

ボラティリティとは、広義では、数値やデータのばらつき具合、変動の度合いを指す言葉です。
「ボラティリティーが大きい」という場合は、その数値の変動が大きいことを意味し、
「ボラティリティーが小さい」という場合は、その数値の変動が小さいことを意味します。
同じ「平均6」でも「10と2」より「5と7」の方がボラティリティーが小さく
安定しているとみなします。

 

歯科診療において「来院頻度」を増やそうとすると2つの方向性があることがわかります。
組み合わせて活用すると良いでしょう

1、来院間隔を短くする

アポイントを機械的に週1にしていないでしょうか。
診療内容によってはもっと短い間隔でも来院させて治療が可能です。

 

加えて以下のようなメリットがあります。

・治療の終結までの期間短縮
・アポイントが埋まる
・患者との親密度が増す(特に初診直後)
・スタッフを遊ばせずに済む
・アクシデントが起こりにくい

ただし、患者のスケジュールとの兼ね合い、来院そのものの肉体的・精神的負担、
治療費支払いの経済的余裕などを、それまでに得たの情報や信頼関係から推察して
アポイントを組まなくてはならないため、予約担当のスタッフには
それなりの負荷がかかりますし、采配能力が求められます。

2、来院回数そのものを増やす

来院間隔を短くしても「疾病の治療」に関しては来院回数はほとんど変わりません。
そして、通常の治療を引き伸ばせと言う積もりもありません。

 

治療以外のメインテナンスや予防を行うことで
来院回数そのものを増やしましょうということです。

 

「来院1回あたりの平均単価」は「治療」の際よりも小さくなりますが
来院が定期的かつ長期に渡れば売上への寄与は大きくなります。

LTV(ライフタイムバリュー)

LTV(ライフタイムバリュー)という考え方があります。

LTV(Life Time Value)

日本語では「顧客生涯価値」と訳されます。
患者が生涯を通じて歯科医院にもたらす利益のことを指します。
一般的には歯科医院の診療やサービスに対する愛着(顧客ロイヤリティ)が高いほど
LTVが高まりやすくなります。

LTVはその患者が他の歯科医院に転院してしまうなどして、
先生の歯科医院に来なくなってしまうまでに歯科医院にもたらす金額総額のことです。
これは「患者1人の総売上」と考えてもらって良いものです。
そしてその期間の設定は「その患者1人の生涯全ての期間」となります。

 

つまりLTVは、1人の患者が初診として来院したなら、
その患者が生涯(死亡するまでに)あなたの歯科医院に
いくらの売上をもたらすかを表す数値と言えます。

 

ここでも売上方程式、『売上=患者数 x 平均単価 x 来院頻度』は成り立ちます。
ですから、歯科医院における1人の患者のLTVは以下のようになります。

『LTV(生涯売上)=1 x 平均単価 x 来院頻度』

 

LTVが把握できていれば、新患獲得のための費用の目安もわかります。
LTVが大きければ、広告宣伝費を大きくしても十分な利益の確保が期待できます。

 

LTVは来院頻度に比例します。
また、平均単価はゼロやマイナスにはなりません。

 

ですから来院頻度を大きくすればするほど
LTVは基本的には大きくなり続けるのです。

歯科医院の売上を高位安定させる7つのポイント⑥
〜『定期通院の継続率を上げる』〜

 

患者に定期的な通院を続けてもらうには
何らかの「お得」「メリット」「いいこと」などを
患者に感じてもらい、それを提供する必要があります。

 

患者に義務感だけ通院させることは、短期的にはまだしも
長期的に継続して通院させることは相当難しいと言えます。
そこで、「お得」「メリット」などを提供することになるわけです。

 

その提供する「お得」「メリット」については3系統に分類されます。
単独でも、組み合わせても結構です。
「継続率を上げる」意識を持って活用してください。

 

1、歯科治療領域系

いわゆる予防歯科、メインテナンスを行います。
定期的かつ継続的な通院を実現する王道です。
保険適用のSPTでも自費のシステムでも提供しやすいもので構いません。

 

ただし、1点注意があります。
ほとんどの歯科医院で継続率が上がらないのは、
「来院間隔が長すぎる」ことに起因しています。

 

そもそも「予防」は商品として売れにくいものです。
現在の患者が自覚していない問題や悩みの発生を
未然に防ぐためのものですから、今は困っていないのです。

 

もちろん本当に大切なのは「予防」なのですが、患者がそれを理解し、
なおかつ金銭を負担してまで「現世利益的ではない」フワッとしたもののタメに
定期的な通院を継続させるのはなかなか大変なことなのです。

 

「来院間隔が長すぎる」その間に何も問題を自覚しなければ
『もっと間隔を開けても大丈夫だろう』『通院をやめてしまってもいいのでは?』
と感じても仕方のないのです。

 

通院間隔を短くすることで、予防処置はもちろんですが、
さらなる教育の機会を得られることが大きいのです。

 

また、期間が短ければ『習慣化』する可能性が上がります。
習慣になってしまえば、特に意味など考えなくなり来院に疑問を感じません。
これ以外のことに関してはシステムやルール通りで問題ないでしょう。

2、境界領域系

審美、美容、コンプレックス解消などの意味合いが強い、
治療と言えるかどうか微妙なものを含んだものになります。

 

ホワイトニングやPMTC(審美)、口臭(コンプレックス)、
ヒアルロン酸注入(美容)などが主なものとなります。

 

これらには基本的にはリピート性があります。
ほとんどが自費のメニューということになるでしょう。
今後も新しい何かが開発される可能性は高いと言えます。

 

こちらも予防歯科ほどではないにせよ大きな悩みや問題の解決を目的に
継続的に通院する類のものではありません。
ただし、気になる方にとってはとことん気になるものでもあります。

 

単発のものではなく、継続的に行うものだという患者教育が重要です。
予防やメインテナンスを軸に、こちらを組み入れていくのが一般的です。

3、物品販売

継続性のある商品を用意して、その使用を促し、
商品購入を目的とした来院を患者にしてもらいます。

 

望ましい商品としては

・オリジナル、もしくはそれに近い商品
・消耗品・消費商材
・治療を補完する商品
・あなたの診療方針と合致する商品
・使い慣れるとやめにくい商品

 

これらのうちで、よりたくさんの項目を満たす商品が
継続性を上げてくれる商品となります。

 

例えば、ホワイトニング効果をより高める歯磨剤や
歯周病関連菌の抑制作用が強い含嗽剤などは
当てはまりやすい商材と言えます。

歯科医院の売上を高位安定させる7つのポイント⑦
〜患者の家族や友人への伝播・拡大〜

 

このポイントは「来院頻度」にばかり影響を及ぼすものではありません。
これまで話してきた「患者数」や「平均単価」にも好影響が期待できます。

 

定期的な通院が定着してきた患者に対して
「家族や友人に話したくなるネタやきっかけ」を
機会を見つけて渡すようにします。

 

物品なら、その患者が購入している商品のサンプル、
もしくは1〜数回分をプレゼントします。
同時に語りたくなるようなウンチクも教えてあげられるとベターです。

 

患者自身が、自分が継続使用していることを周囲に話すことで
患者自身を心理的に強化することになります。

 

他者に話してしまった以上、簡単に中断すると自己矛盾を抱えますし、
購入・通院に積極的になることで自己肯定感が生まれます。

 

歯科治療領域系や境界領域系で通院しているなら
成果を客観的に判断できる資料やビフォーアフターの分析結果などを
わかりやすい解説とともに渡すのも効果的です。
お試しの権利なども有効ですが、家族や友達に確実に渡る工夫が必要になります。

 

ついでに言うと、これによって家族や友達があなたの患者になってくれたり、
商品の購入点数が増えたりも起こり得ます。
家族分の消耗商品を購入してくれれば平均単価が上がることになります。
セット販売や複数個販売の割引などを用意すると、
こういったことへの呼び水にもなりますよ。

考えてみましょう

さて、それでは恒例のシンキングタイムです。

 

物品販売において
歯科医院独自の完全オリジナルの商品を用意できる方はごく少数で、
大部分の方はメーカーから商品の供給を受けると思われます。

 

大手メーカーの有名商品は、
患者からすればドラッグストアにて低価格にて入手可能です。
必然的に少数生産の商品や医院向け商品が「継続商品」の候補になります。

 

このような商品でも、あることを施すと
オリジナル商品にかなり近づけることができます。

 

さて、そのあることとはどんなことでしょう?

 

 

せっかくここまで読んだあなたなら
ぜひとも、考えてみてください!
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(ここは考える時間です)
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それでは答えです。

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