近 義武の歯科医院経営大学

我々歯科医師は臨床経験がどんなに長くても、
個々の患者に対する診療方針や治療法の選択に迷うことはあります。

経営においても、迷うことはむしろ当たり前です。
歯科医学のことと違って、学校や勤務先からは、わずかしか学べないからです。

特に”市況や、歯科医院経営的な時流や趨勢”については、
治療方法はもちろんのこと、その集患方法も、
院内で活用するシステムも、スタッフ管理の方法も含めて、
歯科医院に関するあらゆることで
”乗るか？乗らないか？”を迷うことになります。

最終的には院長であるあなたが全責任を持って決断する訳ですが、
今回はその一助となるような話になります。

後から分かる”一時の流行”

どんな”流行”でも言えることですが、流行はその息の長さによって

『時代の趨勢的（３年以上）な流行』
『中規模（１〜３年ほど）の流行』
『一時的（１年未満）な流行』

と、だいたい３つに分類することができます。
当然その対処も異なります。

歯科医院での実例で言うと、

趨勢的：インプラント・マウスピース矯正・IT集患
中規模：ヒアルロン酸注入
一時的：付け八重歯

『付け八重歯』は2011〜2012年頃に都市部を中心に
流行してマスコミ等にも取り上げられましたが、
１年持たず早々に廃れてしまい、知らない方も多いはずです。

こんな感じではありますが、注意すべきなのは、
これらの分類は流行が収束してから分かるということです。

ある治療法が良いらしいと肌で感じたとして
趨勢的に長く続くなら、すぐにでも参入するのが正解ですし、
短期間で収束するなら放置が正解になります。
しかし、その判断は直感に従うしかないのが厳しい。

特に判断ミスのダメージが大きいのが、これだ！と思って
『流行』に乗っかって…

この記事の公開は2025年4月30日まで