安定した売上は気持ちも安定させる

歯科医院の売上を高位安定させる7つのポイント(上)

Last Updated on 2020.6.28 by 近 義武

特別困ってはいないが、経営が安定しない…
だからつい「今月はどうだろう?」と考えて不安がぬぐいきれない…
あなたの歯科医院は大丈夫ですか?

 

いつもながら思うことですが、
私の書く文章を読んでいるドクターは本当に勉強熱心な方が多いです。
セミナーを開催した時などに実際にお話しするとそれがひしひしと伝わってきます。

 

そんな勉強熱心な先生に、よく質問されることがあります。

「月の収益の差が大きいのだが、安定させる方法はないか?」
「結局、自費の成約次第だから気が休まらないのだが…」

 

こんなふうに、「いかにコンスタントに売上を立てたらよいか」には
皆さん苦心しているようです。

 

こんにちは、株式会社120パーセント代表、
集患、自費率向上、予防歯科の確立をブランディングで実現する、
ブランド歯科医院構築・経営コンサルタント、
歯科医師の 近  義武 です。

 

実際のところ、「どうすれば売上が安定するのか?」を
このままの形で考え続ける限り、何をすればいいのか見当もつけにくいはずです。

歯科医院の売り上げを分解する

 

ではどうするのか?答えはシンプルです。
売上を分解して考えましょう。
売上は

『患者数 x 来院1回あたりの平均単価 x 来院頻度』

と表すことができます。

 

売上を増やすには、「患者数」「平均単価」「来院頻度」を
それぞれ増やしていく施策を行うことになります。

 

患者数を増やすなら、

・新患を増やす
・中断や流出を減らす
・復活、再初診の患者を増やす

 
 
 平均単価を上げるなら

・自費診療への転換率の向上
・自費診療の値上げ
・最初から自費治療希望患者を増やす
・自費メニューの拡充
・ケアグッズ等の販売強化

 

来院頻度を上げるなら

・来院回数を増やす
・来院間隔を短くする
・構造的な継続来院の仕組みを設置

 

などなど、一例ではありますが、
このような施策を行うことで売上は増えていきます。

歯科医院の売り上げを「別の尺度」で分解する

 

別の角度で売り上げを眺めてみましょう。
そして、歯科医院の売上のほとんどは

「保険診療報酬」「自費診療報酬」「商品売上」

のいずれかからもたらされます。

 

そして、それぞれの売上に対して前述の

『売上=患者数 x 平均単価 x 来院頻度』

が成り立つわけです。

 

ですから、一つ一つの細かい項目に対して、必要によっては
PDCAサイクルを回して改善を重ねていくことが売上UPにつながります。

 

PDCAサイクル

生産技術における品質管理などの継続的改善手法。
Plan→ Do→ Check→ Actの 4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する。
(Wikipediaより抜粋)

 

さらにそれぞれの項目は互いに補完しあうことになります。
たくさんの項目で有効な手を打っておくほど
1つの要因に全体が影響されることが少なくなり、結果的に売上を安定させてくれます。

 

ここのところを腹落ちできれば、売上の向上も、その安定化の方法も、
新患獲得や自費率向上だけではないとわかるはずです。
ただ、全部の項目(上記以外にもあります)を同時に改善するのは無理な話です。

 

ここでは、『売上を安定化する』をメインに改善を進めるとして
その場合に重点的かつ優先的に取り組みたい項目、知っておきたい心得を話していきます。

 

「改善を片端から行っていけば、ある時点で売上は安定するのはわかっているが、
素早く効率的に先生の歯科医院の売上を安定させるにはどうするか?」

 

ぶっちゃけて言うなら、このためのコツや秘訣があるということです。
では早速、そのポイントを7つ、紹介していきましょう。

歯科医院の売上を安定させる7つのポイント①
〜患者数は既存患者でコントロールする〜

 

売上を高位安定化させる…
そのためには患者数を増やすことを避けて通るわけにはいきません。
患者数を増やすには、導入部分でも触れたように

・新患を増やす
・中断や流出を減らす
・復活、再初診の患者を増やす

これら全てに対して改善していくことが必要です。

 

ここで先生にお聞きしますが、先生の歯科医院で取り組んでいる施策が
「新患を増やす」ことに偏っていませんか?
あるいは、集患=新患獲得だと思っていませんか?

 

例えば、新規患者獲得のコストは
しばらく来院していない患者を再度通院させるコストの5〜10倍と言われています。
さらに、新患獲得のための施策には、即効性があるものが非常に少なくなっています。

 

それと比較して「中断や流出を減らす」施策や「復活、再初診の患者を増やす」施策には
それなりの即効性が見込めます。

 

成果が出るまでに、お金も時間もかかることを最優先で行い続けるのは
歯科医院経営上、褒められたことではありません。

 

この考え方をベースとして経営戦略を組み立ててみると、

新規患者は自然な来院に任せて、流出を減らし、再初診を増やす施策だけを行う

という経営モデルが考えられます。

 

既存患者のみでうまく回していく…
コストも低く、即効性もある…
「かかりつけ医」の有意性も使える…
紹介や口コミも期待できそう…

みたいなことが思い浮かびますが、このモデルは破綻することがほぼ確実です。

 

死亡・転居・健康上の理由・経済的理由などによって、
既存患者の流出を完全には防ぐことができないからです。
既存患者はいずれ枯渇していきます。

 

紹介・口コミに期待したいところですが
紹介・口コミを行ってくれているのはごく少数の限られた患者だけです。
(チェックしてみると驚きます)

 

紹介・口コミの立役者的な患者が流出した時点で紹介患者が激減してしまいます。
この状況は安定ではなく依存です。

 

このような依存を避ける意味でも『患者数は既存患者でコントロールする』
同時に『新規患者は集め続ける』
このような2重構造が売上安定のためには必要になります。

歯科医院の売上を安定させる7つのポイント②
〜患者は大量に集めて大量に切る〜

 

私はイヤだなと感じたり、波長が合わないなと思った患者とは
できればお付き合いも診療もしたくないというのが本音です。
しかし、一方で、患者数を増やさないと歯科医院の売上は安定してくれません。

 

売上高を最優先するなら、イヤな患者も断らずに診療をする決心をする…

切羽詰まっているならそうすべきだと思います。

 

しかし、「売上を安定させる」という観点からすると
あなたと相性に良い患者を増やしておく方が有利なことはなんとなくわかりますよね。
それを実現する考え方が『新患は大量に集めて大量に切る』ということになります。

 

ちょっとニュアンスが違いますが、「大量採用、大量解雇」 みたいなものです。
これなら相性の良くない患者を切っても新規患者を増やすことが可能です。

 

相性による精神的な気苦労の減少もそうですが、
この考え方を採用することで得られるメリットは意外なほどたくさんあります。

1、「トラブルメーカー」を未然に排除できる

疑わしきも切ってしまえばより高確率で排除が可能です。

 

2、あなたとあなたの歯科医院のステイタス・信頼が増す

あなたを蔑ろにする…、わずかなことで騒ぎ立てる…こんな患者は切ることになります。
残った患者はあなたに信頼を寄せやすい方ばかりです。

 

3、患者管理が楽になる

トラブルになりそうな患者は未然に切りますから、比較的素直でイイ人が残っています。

 

4、リコールやメインテナンスを受けてくれやすい

患者はあなたの話を前向きに捉えてくれます。
内容を理解した上で、リコールやメインテナンスに応じてくれる患者の割合が増えます。

 

5、自費率がアップする

信頼を得ると当然そうなります。

 

いかがでしょう。それ程悪い話ではないと思うのですが…?
こればかりはあなたの「好み」「性格」「方針」などに依ります。

 

別の喧嘩腰になって患者を追い返すということではなく、
「主訴以外の治療のススメを最低限にする」というようなことで
緩やかに放流してしまう…、囲い込みの対象にしない…
というようなわずかなコントロールです。

 

それでも気持ちとしては「患者を切る」です。
その決心をあなたは受け入れられますか?

 

もちろん決心するからには「患者を大量に集める」ために
人1倍、その実現に奮闘することになります。

 

ちなみに、施策がうまく機能すると
スタッフの不満が減り、自らの成長も期待できます。
予約通りに来て計画通りの診療を受け、指示を守って結果が良い患者が増えます。

 

集中できる職場環境が整い、スタッフの努力が患者の感謝となって現れてきます。
結果、スタッフの業務に対する満足度が上がります。
そしてそれを励みに、自ら成長をしていく…という流れです。

 

あなたも患者もスタッフも満足度が上がる…
わるくない方法だと考えていますが、判断はお任せします。

 

次回は『患者来院1回あたりの平均単価』を
上げていく施策について話そうと思います。

考えてみましょう

さて、それでは恒例のシンキングタイムです。

 

「利益・収益」を増やそうとするなら、売上の高位安定は最重要ですが、
次に重要となるのは支出・経費削減ということになります。

 

ただし、支出の全てを圧縮すればイイというものではありません。
支出には税金を減らす「節税効果」の一面があるからです。

 

さらにもう1つのある理由のために、
支出の圧縮も一部では慎重に行う必要があります。

そのもう1つの理由とはどんなことでしょう?

 

 

せっかくここまで読んだあなたなら
ぜひとも、考えてみてください!
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(ここは考える時間です)
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それでは答えです。

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