心理を深掘りして患者ニーズと本音を無料で集める方法と情報源

歯科医院を経営していく上で、
患者のニーズやウォンツを把握することは極めて重要です。

これは歯科医師で院長のあなたもよくご存じのことでしょう。
でも、実際にはどうでしょうか？

こんな疑問を抱えながら、
診療に当たっている先生は少なくありません。

私はたくさんの院長先生から相談を受けてきましたが、
患者心理の把握をしていない・出来ない・十分でないことが
そもそも問題を生んでいることがよくあります。

患者のニーズを知る一般的な方法としては、
来院時の問診や会話から抽出したり、
アンケートを実施したりする方法がよく知られています。

確かにこの方法は手軽で、ほとんど費用もかかりません。
ただし、大きな弱点があります。
十分な量のデータを集めるまでに時間がかかる点です。

1日の患者数が少なかったり、そもそも診療内容や診療体制によって
1日の診療患者数を多く出来な買ったりしている歯科医院では、
統計的に意味のあるデータ量を集めるのに数カ月を要することも。

さぁ、ここからが今回の話の本題です。
あなたは、患者の本音を素早く深く知る方法をご存知でしょうか？

実は、あなたが普段何気なく使っているオンラインサービスの中に、
貴重な情報源が眠っているのです。
今日はその意外な情報収集法をご紹介します。

レビューから患者心理を深掘りする

では、具体的にどうやって患者のニーズを探るのか？
その秘訣は、Amazonや楽天などのレビュー欄にあります。

例えば、歯周病の患者心理を知りたいとします。
まず、一般向けに書かれた歯周病の書籍を探します。
Amazonで「歯周病 セルフケア」などと検索すれば、
すぐに複数のヒット結果が表示されるでしょう。

そこで重要なのは、書籍の内容ではなく、
その本を読んだ人たちのレビューなのです。

歯科医学のスペシャリストであるあなたは
一般向けの歯科の書籍など目をくれもしないと思います。
しかし、実はそのレビュー欄こそ、有用な情報の宝庫なのです。

歯周病に悩む患者がどんな思いで本を手に取り、
どんな情報に価値を感じ、何に失望したのか…
すべてが生々しい言葉で書かれています。

1冊の本に対して、通常5〜10件ほどはレビューがあります。
これをそのまま全部コピーして、WordやGoogle Docsなどの
ドキュメント書類に貼り付けていきます。

売れている本5〜10冊分のレビューを集めれば、
あっという間に50〜100人分の「生の声」が手に入ります。

これはおおよそ10ページ程度の分量になりますが、この情報量は
多くの歯科医院で3ヶ月程度の期間が必要なアンケートを取るのと
同等、あるいはそれ以上のボリュームです。

特にコメント欄では読者本音が語られることが多く、
「歯医者では言いにくかったけど…」みたいな感じで始まる文章には、
診療に活かせるヒントが隠されていることが少なくありません。

予防に関心のある患者、すでに症状が進行している患者、
痛みに不安を抱える患者など、様々なタイプの声を
効率的に集められるのが、この方法の大きな強みです。

この方法でさらに効果を高めるポイントは…

この記事の公開は2025年10月31日まで