近 義武の歯科医院経営大学

こんにちは、株式会社１２０パーセント代表、
ニッチな自由診療でも「先生のその治療が受けたい！」患者が集まる歯科医院構築、
クリニックの経営アドバイザーで歯科医師の 近　　義武 です。

世の中には「プロ仕様」「業務用」「専門家向け」といった言葉があふれています。
これらの言葉を目にすると、多くの人は「高品質」「信頼できる」「実用的」といったイメージを抱きます。
たとえば、「業務用スーパー」と聞けば、大容量で安価な商品を取り扱っていると想像するでしょうし、
「プロ仕様の店」と言われると、一般向けよりも品質が確かなものが揃っていると考えがちです。

では、「プロフェッショナル」とは、一体何を意味するのでしょうか？
単にその仕事に従事していることがプロであるというならば、
歯科医院のスタッフもすべてプロと言えるかもしれません。

しかし、真に「プロ」と呼ばれる人たちは、
単に仕事をこなすだけではなく、それ以上の価値を提供できる存在です。

ある交渉のエキスパートは、プロフェッショナルについてこう語りました。
「プロはその場限りの仕事はしない。
そこにいない人まで配慮の対象にして仕事をしてこそプロだ」

この言葉には、非常に奥深い意味が込められています。
歯科医院の経営においても、この考え方は重要です。
単に患者の希望に応じた治療を提供するだけではなく、
その患者の家族や知人、未来の健康まで見据えた提案ができてこそ、
真のプロフェッショナルと言えるのではないでしょうか。

また、プロである以上、
”患者が期待するレベルのサービスを提供するのは当たり前”です。

そこにプラスαを加え、期待を超える仕事をしてこそ、
本物のプロとして評価されます。

たとえば、治療の技術が高いことは当然ですが、それだけでなく
「患者が次回のメンテナンスを前向きに受けたくなるような説明ができるか」
「治療後の生活習慣までアドバイスできるか」など、
提供できる価値の幅は広いはずです。

このように、「プロ」としての在り方を見つめ直すことは、
歯科医院経営の大きなヒントになります。

では、このプロフェッショナルの概念を
スタッフ教育にどう活かすべきなのか？ 
少し考えてみましょう。

歯科医院のスタッフは”本当のプロ”になれるのか？

歯科医院を経営する院長先生の多くは、
「スタッフを育てること」に頭を悩ませています。

「しっかり教育すれば、いずれプロ意識を持った優秀なスタッフになるはず」と
一生懸命指導するものの、現実はなかなか思うように行きません。
なぜうまくいかないのでしょうか？

それは、ほとんどのスタッフは、そもそも
「プロのレベル」にまで成長しない・できないからです。

もちろん、業務に慣れ、一定のスキルは身につけるでしょう。
しかし、患者の期待を超えるサービスを提供し、
あなたの歯科医院の成長に貢献するスタッフへと育つのは、ごくわずかです。
これは、歯科業界に限らず、どの業界でも同じことが言えます。

「育てればプロになる」は幻想？

多くの院長は、
”育てれば、いずれプロフェッショナルなスタッフになるはず”
と考えています。

しかし、実際には「育たないし、見届ける以前に辞めてしまう」
ケースが圧倒的に多いのです。

例えば、せっかく時間をかけて技術を教え込んでも、
すぐに退職してしまえば、その教育に掛けた時間も費用も
歯科医院にとっては「無駄な投資」になってしまいます。

さらに、人材が定着しないことによる業務の混乱、
スタッフ間のモチベーション低下、院長の精神的負担の増大なども起こります。

このような状況を過不足なく認識した上で、
「スタッフの教育」に対する考え方を変えることが、
スタッフ管理の鍵となります。

では、どのような教育方針をとるべきなのか？

答えは、「全員をプロに育てようとしない」ことです。

スタッフ全員に高いプロ意識を求めるのではなく、
「最低限の業務を確実にこなせる仕組み」を作ることが重要になるのです。

プロを育てようと奮闘するよりも…

「スタッフが育たない」「せっかく育ってもすぐ辞める」
これは多くの歯科医院が直面している悩みの1つです。
では、どうすればよいのか？ 答えは単純です。

この記事の公開は2025年7月31日まで