近 義武の歯科医院経営大学

「忙しくて課題がここまでしか進められませんでした…」

私は院長先生からコンサルを依頼されると、
多くの場合、セッションの最後にクライアントの先生と相談して
次回のセッションまでに行う課題と中間締切日を決めます。

とは言え、いくら素晴らしいノウハウをお伝えしても、
課題をこなしてもらえなくては成果に結びつきません。

コンサルティングのために用意した時間もその準備も勿体ないので
同様の課題不履行が度重なるようなら、
コンサル契約を解除するようにしています。

そんな課題不履行の際によく聞かされる言い訳が、冒頭の
『忙しかったから」と言うものになります。

今回はこの”歯科医院経営者の忙しさ”のついて
深掘りしてみましょう。

実際に院長先生の仕事は増加した

我々歯科医師の本分は「歯科診療」です。
ですから風潮としても「技術の習得が最優先」なところがあります。

乱暴な言い方をすれば『飯の種』な訳ですし
このこと自体を否定するものではありません。

ただし、現在の歯科医院の院長であるなら、
「関心ごとは治療一辺倒」というわけにはいきません。

30~40年前までは、歯科医院の院長先生の関心ごとは、
”歯科診療一辺倒で何の問題もありませんでした。

歯科医院を開設してしまえば、院長先生が
”関心ごとは治療一辺倒”でも歯科医院経営は
おおむね成り立っていたからです。

宣伝などしなくても十分な数の患者が毎日来院し
その患者の懐具合にも十分な余裕があって
自由診療も難なく成約していました。

日本政府の財政においても、毎年の税収が右肩上がりでしたから
保険点数の改正ごとに「新しい治療」が保険適応となり
将来の不安を感じる要素もほとんどなかったからです。

そんな状況であれば、経営などに目を向けることなく
ただひたすら診療の技術を磨くことが正義だったはずです。
経営に関心を向ける＝守銭奴、みたいな認識だったのでしょう。

現在の歯科医院の経営環境からはとても考えにくいことですが、
たった30年ほど前はこれが歯科界の常識だったのです。

残念ながら『歯科医師の天国』はもはや雲散霧消しました。
我々は以前とは別の「新しい常識」の中で歯科医院経営を
していかねばならないのです。

「新しい常識」とはすなわち…

この記事の公開は2025年6月30日まで