良質な患者を集めたい

歯科医院経営を安定させる”患者が来院を継続する”仕組みづくり

戦略なき歯科医院経営が招く患者流出

先日、5〜6年前に閉院し、院長が変わって再スタートした歯科医院が
再度、名称が変わっていたのをたまたま見知りました。

 

今回の名称変更がどんな経緯だったのか、詳細は分かりませんが、
元々の歯科医院が開業した頃のことは耳にしたことがあります。

 

相談を受けたある院長先生の、最も近隣に新規開業した
競合歯科医院だったので、その評判などを
相談者の院長先生から聞かされていたからです。

 

なんでも、『最新設備を導入して地域でも話題』
になっているのだということでした。

 

しかしその医院は開業後、わずか5年で経営難に陥ったそうです。
院長は技術力に自信があり、
「良い治療をして患者を集める」と発言していたとも聞きました。

 

しかし現実は厳しく、
理想だけでは歯科医院経営は成り立たなかったのです。

 

さて、あなたは今日、何人の患者を診療されましたか?
そして、その中に初診の患者は何人いましたか?

 

歯科医院経営の根本は、
”入ってくる患者数を増やし、出ていく患者数を減らすこと”です。
この単純な原則を無視した医院に未来はありません。

 

多くの院長先生は「新患獲得」に心血を注ぎますが、
既存患者の「流出防止」はどうでしょうか?

 

カリエス治療や補綴治療が完了した患者の
多くが姿を消してしまう状況は、まるで
穴の開いたバケツに水を注ぎ続けるようなもの。

 

いくら新患を集めても、
集めたそばから流出していては安定した経営は望めません。

 

問題は、この流出が院長先生の目に見えにくいことです。
新患数は数字として明確に現れますが、
来院しなくなった患者の数は積極的に調べない限り見えません。

 

「インプラント専門」「審美歯科に特化」など
特定分野に注力する戦略ももちろん有効なのですが、
そればかりに注力すると、一過性の患者や治療ばかりになって
歯科医院経営の安定からは遠ざかりがちです。

 

医院経営の安定を重視するなら、患者の流出を防ぎ、
継続して来院してくれる患者を増やしていくための
明確な戦略と仕組みが必要になってくるのです。

 

今回は、患者があなたの歯科医院に定着し、
長期的に良好な関係を築くための具体的な方法をお伝えします。

患者継続率を高める本質的アプローチ

なぜ患者は治療後に来院しなくなるのでしょうか?
この問題の本質を理解することが、
安定した歯科医院経営の第一歩です。

 

収益が安定せずに悩む歯科医院の
院長先生の多くには共通する特徴があります。

 

それは「治療完了=患者との関係終了」という
無意識の思い込みです。

 

あなたはカリエス治療や補綴治療が終われば
「一件落着」と考えていませんか?
実はここが最大の落とし穴なのです。

 

患者は痛みや不具合という「自覚症状」が解消されると、
歯科医院に来る理由を見失います。
そしてあなたが何もしなければ自然と足が遠のいていくのです。

 

特に重要なのは、
患者が治療後も継続して通院するかどうかは、
あなたの臨床技術だけでは決まらないということ。

 

ある歯科医院では、
患者への説明が丁寧な歯科衛生士がいる曜日と
そうでない曜日で、予防への移行率が3倍も違っていました。

 

つまり患者継続の鍵は「信頼関係」にあるのです。
この信頼関係とは具体的に何か?

 

それは「あなたの歯科医院に通い続ける価値」を
患者が実感できているかどうかです。

 

「先生に診てもらっていれば安心」
「このスタッフが好き」
「ここに来ると口の中が気持ちいい」
「先生が”来た方が良い”と言うなら来る」
「何も困ってないけど、居心地が良くて」」
 

このような感情的な価値を持ってもらえなければ、
患者はより近い、より安い、より新しい歯科医院へと流れていきます。

 

インプラント治療を主軸にするにしても、
審美歯科に特化するにしても、根本は同じです。
患者との信頼関係なくして継続的な来院はありません。

 

信頼関係構築には「一貫性」が重要です。
診療時間中だけでなく、受付対応、リコール連絡、
会計時の説明など、すべての接点での一貫した姿勢が必要です。

 

さらに患者は「自分を覚えているか」を敏感に察知します。
前回の会話内容や家族の話などを記録し、
次回の診療時に触れることで信頼度は格段に高まります。

 

これらの取り組みがなければ、患者は
治療完了と同時に”中断”、”流出”し、
新患獲得のコストばかりがかさんでいく悪循環に陥るのです。

収益安定化のための戦略的診療設計

歯科医院の経営を安定させるには、
収益構造を戦略的に設計する必要があります。
これは単なる予防歯科の推進だけでなく、
総合的な診療設計の問題です。

 

まず基本的な収益の方程式を確認しましょう。

収益(売上)=患者数×患者単価×来院頻度

 

この3要素のバランスが重要です。
どれか一つに偏った戦略は長期的に見て脆弱なのです。

 

例えば、自由診療のインプラントだけに注力する戦略。
患者単価は上がりますが、新規患者の獲得難易度も高く、
インプラント治療のリピート頻度も限られます。

 

また、保険診療の一般治療だけでは、
患者数と来院頻度は確保できても単価が低く、
薄利多売状態で、収益性にも限界があります。

 

理想的なのは、
この3要素をバランスよく高める診療設計です。

 

そこで注目したいのが予防歯科を組み込んだ診療設計です。
予防での定期通院には大きな利点があります。

 

第一に、変動費(材料代、技工代)が
ほとんどかからないため利益率が高い。

 

月商300万円の歯科医院なら、予防歯科の
割合を20%高めるだけで、利益が50万円近く増えることも。

 

第二に、定期的な来院により
患者との接点が増え、信頼関係が深まる。
これが自由診療の成約率を高める土台となります。

 

ある院長先生は、予防歯科に力を入れた結果、
インプラント治療の成約率が2倍になり、
月の自由診療売上が100万円から250万円に増加しました。

 

重要なのは、どの診療形態を主軸にするにせよ、
それに適した仕組みづくりです。

 

インプラント治療を柱にするなら、その前後のケアも含めた
トータルケアのプログラムを設計する。

 

審美歯科に特化するなら、メンテナンスを
含めた長期的な美しさの維持管理までプランに組み込む。

 

このように、単発の治療で終わらせず、
”継続的な関係を前提とした診療設計”が必要なのです。

 

戦略なき思いつきで診療を設計すれば、
投資対効果は低くなり、患者も定着しません。

 

明確な経営戦略に基づいた診療設計こそが
収益安定化の王道なのです。

経営者としての覚悟と行動計画

歯科医院経営の安定には「患者継続率の向上」と
「戦略的な診療設計」が不可欠です。
では、具体的に何から始めればよいのでしょうか?

 

まず第一に、”現状の正確な把握”です。
今日から1週間、以下の数字をメモしてみてください。

 

・初診患者数
・再診患者数(治療中)
・メンテナンス患者数
・治療終了後に来院しなくなった患者数

 

特に最後の数字は意識して調べないと見えてきません。
過去3か月の治療終了患者で、予防やメンテナンスに
移行しなかった患者の割合を確認してください。

 

この数字が30%を超えるなら、
患者継続の仕組みに問題があります。

 

第二に、現在の”診療内容の棚卸し”です。
あなたの歯科医院が最も得意とする診療は何ですか?

 

そして、その診療を軸にした場合、
どのような継続的な関わりが
患者にとって価値があるでしょうか?

 

インプラントなら定期的なメンテナンス、
審美歯科ならホワイトニングの定期ケア、
小児歯科なら成長に合わせた予防プログラムなどです。

 

第三に、スタッフ全員での”情報共有と意識改革”です。

 

月に一度、30分でも構いません。
患者継続の重要性について話し合うミーティングを設けてください。

 

「治療後も継続的に来院してもらうには?」
という一点に絞った議論が有効です。

 

そして最後に、”信念と戦略のバランス”です。
良い歯科医療を提供したいという
あなたの信念は素晴らしいものです。

 

しかし、それを実現するには
経営者としての戦略的思考が必要です。

 

信念だけでは歯科医院は続きません。
戦略だけでは患者の信頼は得られません。
両者のバランスこそが成功の鍵なのです。

 

明日からできる具体的な一歩は、
治療が終わりそうな患者に対して、
継続的なケアの重要性を伝えることです。

 

「治療は終わりですが、
今後も定期的なメンテナンスでお口の健康を守りましょう」

 

この一言と、次回予約の提案。
これだけで患者継続率は確実に向上します。

 

もちろん、もっと以前から少しずつ、
定期検診やメンテナンスがいかに重要か、
今回の症状や治療がもっと簡単だった可能性などを
説明していくことは効果的です。

 

しかしまずは、継続的なケアの重要性とその予約を
確実に、漏らさず伝えるところから始めると良いでしょう。

 

歯科医院経営は医療と収益のバランスの上に成り立ちます。
その両輪をしっかりと回し続けることで、
安定した歯科医院経営が実現するのです。

 


 

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歯科医師
歯科医院の集患・経営、
ブランド構築コンサルタント

株式会社120パーセント
代表取締役  近  義武

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