患者は新患だけではない

集患がうまくいかない院長の傾向とその対策 (下)

Last Updated on 2020.9.30 by 近 義武

集患がうまくいかない院長の話をしています。
前回はその原因について主に話しました。

 

問題となる大きな原因として

・『新患獲得』にしか目がいかない
・『新規患者の獲得』偏重は洗脳の結果

ということが挙げられます。

 

こんにちは、株式会社120パーセント代表、
集患、自費率向上、予防歯科の確立をブランディングで実現する、
ブランド歯科医院構築・経営コンサルタント、
歯科医師の 近  義武 です。

 

 

今回は『新患獲得以外の集患』について話をしていきます。

集患がうまくいかない認識 その3
集患の分類を意識していない

 

患者を増やすための方法は
「新規患者を増やす」だけではありません。

 

そもそも、新患獲得に目がいくのは
患者の主訴の治療が終わった段階で
患者のほとんどを「放流」してしまうからです。

 

そう考えてみると、「患者を増やす」ための方法には
別の方向性があることに気付くはずです。

 

そう!『中断や無断キャンセルを減らす』というのも
りっぱに患者を増やすことになるのです。

 

これだけでなく『集患』は
まだまだ細かく分類・分解ができます。

 

しかし集患がうまくいっていない院長は
この「集患の分解・分類」ができていません。

 

分類がアバウトすぎるというのはマシな方です。

「まったく分類していない」
「間違った分類をしている」
「整理されていない=活用できていない」

本当に多くの院長先生がコレでスタックしています。
ここで改めて『集患』についてきちんと整理しておきましょう。

 

『患者を増やす』には大きく2種類ある

 

1つはあなたもすぐ思いつくはずの
「実患者数(レセプト枚数)を増やす」ことです。

そしてもう1つは
「患者一人あたりの来院回数を増やす」ことです。

 

これらはさらに分類・分解されますので
それぞれを細かく見ていきましょう。

「実患者数」を増やす

① 新規患者を獲得する
② 流失患者を減少させる
③ しばらく来ていない患者を復活させる

 

患者一人あたりの来院回数を増やす

④ 来院間隔を短くする
⑤ 通院期間を長くする
⑥ 通院理由を多用化する

 

こうして分類してみれば
「新規患者の獲得」が集患の一部に過ぎないことが
感覚的にも理解できるでしょう。

 

集患を効果的に行いたいなら
できるだけたくさんの窓口から行うべきです。

 

1つの窓口からしか集患をしていなかった場合、
その窓口が使えなくなったら即座に患者が減少します。

 

「集患」と意識せずに行なっていたこと…
取り組もうと思えば簡単にできそうなこと…
自分でまったく行なっていなかったこと…
他の歯科医院では取り組んでなさそうなこと…

 

いろいろあるはずです。
取り組まなければいつまでたってもゼロのままです。

 

しかし、少しでも効果が出せれば、
その集患方法はリスクヘッジの意味も持ちますし、
今後の開業医人生という長いスパンで考えれば
それなりのボリュームになりえます。

 

あなたが今後、それぞれに取り組むなら
以下の点に注意をしてください。

① 新規患者を獲得する

 

ここには様々な業者が参入していると前回にもお話しました。
今後も新しい手法がどんどん出てくるはずです。

 

「新規患者の獲得」には必ずクリアすべきいくつかの「大切な局面」があります。
どんなに新しい手法もその大切な局面のいずれかの新しい切り口でしかありません。
「大切な局面」としては以下のようなものが挙げられます

 

「多くの人に見てもらう局面」
「見た人に興味を持ってもらう局面」
「興味を持った人に来院を促す局面」

導入を検討するなら、これまで力を入れていなかった局面や
反応が芳しくない局面に対する施策から検討することが“セオリー”です。
どんな施策も、このどれかの局面に対するアプローチになります。

 

全ての局面で秀でた、万能な施策というものはほぼ存在しません。
このことを念頭に置いて、費用対効果を常に監視し、改善をしたり、
他の施策を組み合わせたりして
集患の成果を創出していくことになります。
そしてこのことに習熟することがそのまま業者対策にもなっています。

② 流失患者を減少させる

 

メインテナンスへの移行や中断対策です。
何と言っても患者教育が鍵となります。

 

タブレット動画、多段階会員制度、期限付き消耗品、パンフレット、
掲示・刊行物、
ステップメール、メルマガ、動画配信などを使って、
あなたやスタッフと患者との関係性の強化と教育コンテンツの併用が有効です。

 

最大の利点は『通院中の患者にアプローチ』できることです。
しかも直接対話ができますから、特別なコストがかからず、
患者に伝えたいことを伝えられます。
実患者数を増やす施策としては、最も力を入れるべき項目になります。

③ しばらく来ていない患者を復活させる

 

リコールが代表的な施策例です。
歯科医院には患者の住所、氏名、電話番号などの
個人情報のリストがあるのですから
それをもっと有効活用することを考えてください。

 

他業種の店舗ビジネスでは
顧客に情報を直接届けるための連絡手段を
なんとかゲットしようと躍起になっています。

 

飲食店やサロンなどで
無料のプレゼントを用意して会員登録をさせたり、
アプリをダウンロードさせたりしているのはこのためです。

 

歯科医院経営では「カルテ作成」のために
保険証の提示や問診票の記入などが当たり前に行われます。
患者にも大きな抵抗はありません。

 

その際に入手した連絡先に
歯科医院からの情報を届ける許可をもらうことで
あなたから患者にメッセージを届けられるのです。

 

ダイレクトメール、無料オファー、
ポイント制度と失効ポイント予告電話など
患者にメッセージを送る理由を
できるだけ自然で正当性のある状況を作ってください。

 

押し売りや歯科医院の利益誘導が透けて見えるメッセージでは
拒否やブロックなどをされる可能性が高まります。

 

あくまでも患者のためになる情報をメインに
メッセージを発信してください。
時折、歯科医院の利益にもなるような
軽いお誘いをするようなコンタクトの取り方が肝心です。

④ 来院間隔を短くする

 

多くの歯科医院は習慣的に「1週間後」に予約を取ります。
補綴物の装着ならそれも良いでしょう。しかし、
診療の内容によってはもっと短くて良い治療もあります。

 

例えば疼痛や腫脹のある急性期なら患者はつらくて不安です。
我々歯科医師にとっては症状がどう推移していくかは
わかりきっていることですが、患者はそうではありません。

 

この症状がいつまで続くのか…
さらに悪化しないだろうか…
次の予約までこのままで大丈夫なのだろうか…

 

そんな患者の不安の解消のためなら
歯科医学的な処置が必要ではなくても
経過をみて患者を安心させる目的で

短い間隔で来院させてもいいと私は考えています。

 

また、来院頻度のフレキシブル化、ブッキングの多重化、
併行診療などアポイントの取り方も工夫していきます。

 

接遇やオペレーションを整備して
患者の受け入れ態勢の強化と患者管理と教育を重ねて、
最終的にはできるだけ多くの患者の常連化を促進していきます。

⑤ 通院期間を長くする

 

患者が進んで来院したくなるような理由を
歯科医院側で用意して上げることです。
例えば、

「今、通院すればトータルでは早く治癒する」
「より良い未来が待っている」
「自覚症状が出てからでは手遅れになるかも」

 

などの継続通院のメリットと、通院中止にするデメリットを
患者の感情や感覚に訴えるのです。
エビデンスも重要ですが、患者に身近な例などを示して
患者の歯科に関する知識でも想像できる話をしましょう

 

つまりは、自覚症状のない疾病の治療や予防的な治療など
患者教育をして必要な治療を全て最後まで受けさせることが
通院期間を延ばすことにつながります。

 

また、定期的なメインテナンスを患者に継続させられれば
通院期間は長くなる道理です。
こちらに関しては、これまでの患者の価値観を
変えてしまうくらいの意気込みが必要になります。

 

患者の生涯にわたって(断続的にでも)
通院し続けてもらえれば、来院回数は相当多くなります。

 

患者を長い期間通院させ続けるには、
そのための説明を仕組み化をして
患者教育を充実させ、
患者のコレまでの価値観の転換させねばなりません。

 

一旦通院し始めた患者が生涯トータルで
たくさん来院してくれるほど、
その患者からもたらされる利益も大きくなります。

 

その期待値が高ければ、新患獲得のコストも
それなりにかけられるということにもなります。

⑥ 通院理由を多様化する

 

前段の④ 来院間隔を短くする、⑤ 通院期間を長くするについては
「歯科診療」すなわち歯科疾患の治療並びに予防によって
患者の来院回数の増大を図っていました。

 

ただ、患者の来院は「歯科診療」が理由でなくても構わないのです。
例えば、ホワイトニング、口臭処置、ガムマッサージ、ヒアルロン酸注入など
エステ感覚に近い処置、治療かどうか微妙な処置がコレに相当します。

 

これらは、気になる方にとっては定期的に施術を受け続けるのが
当然の処置と認識されているものです。
全ての患者に有効ではありませんが、
このような「境界領域」の処置メニューを整備しておくことで
患者1人当たりの平均的な通院期間は長くなります。

 

このほかにも、販売するセルフケアグッズの内容を見直して、
継続性が高く、期限つきの消耗品を多く取り揃えることで
セルフケアグッズの購入を来院理由の一角になるよう販促をする…

 

また、V.I.P患者などを設定する患者の階層化、ポイントカード、
診察券の差別化と連動した優先・優遇モニター制度など
患者をえこひいきする施策を導入することで
意図的に通院そのものに価値を付加する手法も有効です。

 

期間が長期化するほど患者は教育され、感化されて
あなたやスタッフに好意的になっていきますからの

高感度なレベルによって施策の対象を変えていくといいでしょう。

 

新患獲得以外は取り扱う業者が少なく、情報そのものも少ないですが、
あなたに出来るコトはたくさんあります。
一言で「集患」といっても何を実現したいかによって
行うべき施策は全く別物になります。

 

集患の中身を分解・整理・理解しておくことで、
その時その時で必要な対策・方策が見えてきます。

 

細かいノウハウの紹介は別の機会にしていきますが、
今回話した大枠については理解しておくだけでも
あなたを助けてくれること、間違いなしです。

…………………………………………………………………………

考えてみましょう

さて、それでは恒例のシンキングタイムです。

 

今回の話を歯科医師にすると、こんな反論が出てきます。

 

「平均来院回数を増やせば患者が増えるのは数字の上では理解できる。
しかし、我々は患者の来院回数を少なくする努力をするべきではないのか?
歯科医学の目指すことと逆行するのではないか?

 

確かに患者にとっても治療にかかる時間や
回数が少ないことは負担が少なくて良いことです。
私もそう思います。

 

しかしそれでも、患者の来院回数は
今まで以上に
増やすべきだと考えています。

 

そこにはある理由があるのですが、
その理由とはいったいどんなことでしょうか?

 

 

せっかくここまで読んだあなたなら
ぜひとも、考えてみてください!
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     ↓
     ↓
     ↓
     ↓
(ここは考える時間です)
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それでは答えです。

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