高収益な歯科経営をしたい

診療メニューが多すぎる歯科医院が患者を失う理由と正しい対策

売れなくなった企業の共通点

数年前、ある大手ファミリーレストランチェーンが
経営危機に直面していました。

 

メニューは実に200種類以上。
和洋中からデザートまで、
あらゆるジャンルを網羅していたのです。

 

「お客様の多様なニーズに応える」

 

そう考えた結果でした。
ところが現実は正反対でした。
客数は減少し続け、客単価も上がらない。

 

店舗スタッフからは

「オーダーミスが多発する」
「調理に時間がかかりすぎる」

という悲鳴が上がっていました。

 

厨房には使用頻度の低い食材が溢れ、
廃棄ロスは膨大です。

 

何より深刻だったのは、お客の表情でした。
分厚いメニューブックを前に、悩んでいる家族づれ…
結局、注文したのはいつもの定番メニュー。

 

「選べる幸せ」どころか、
「選ばされる苦痛」を提供していたのです。

 

そこで経営陣は大胆な決断をしました。

 

メニューを200種類から
わずか30種類に絞り込んだのです。
批判を覚悟しての英断でした。

 

結果はどうなったか。
客数は回復し、客単価は15%上昇。

 

顧客満足度調査では

「注文しやすくなった」
「料理が早く出てくる」
「以前より美味しい」

という声が殺到しました。

 

スタッフの離職率も劇的に改善。
調理品質が安定し、食材ロスも半減したのです。

 

この事例は決して特殊ではありません。
業績を急回復させた企業には、
ある共通点があります。

 

それは、
商品ラインナップを絞ったことです。
あのApple社でも行われました。

 

豊富な選択肢は、お客を満足させるどころか、
迷わせ、疲れさせ、購入そのものを諦めさせる…

 

そして一度購入しても、
「もっと良い選択肢があったのでは」
という後悔を生み、リピートに繋がらないのです。

 

では、歯科医院経営ではどうでしょう?
当てはまるでしょうか。

 

答えは明確です。まったく同じ状況が、
先生の歯科医院でも起きている可能性があります。

「多ければ良い」は幻想

なぜ選択肢の多さが患者を遠ざけるのか

先生の歯科医院の診療科目はいくつありますか?

 

一般歯科、予防歯科、小児歯科、矯正歯科、
インプラント、審美歯科、ホワイトニング、
義歯補綴、歯周病治療、根管治療……

 

ホームページを見ると、
20項目以上並んでいる
歯科医院も珍しくありません。

 

「幅広く対応できる」ことをアピールしたい。
その気持ちはよく分かります。

 

しかし患者の立場で考えてみてください。
どこの歯科医院に通うか検討中の患者が
「どの歯科医院にしよう…?」と迷っている時、
何が得意かわからない歯科医院を選ぶでしょうか?

 

「なんでも平均点の治療しかできないのだろうか」
「自分の悩みに本当に対応できるのか」
「専門に診療している方が良いのか」

 

自由診療の説明も同様です。
欠損補綴ならインプラント、ブリッジ、デンチャー。
さらにそれぞれに、材料や構造上の選択肢がたくさん…

 

複数の選択肢を提示すればするほど、
患者は決断を先送りにします。

 

「もう少し考えてみます」
この言葉の背後にあるのは、多くの場合、
選択肢の多さへの疲労なのです。

 

さらに深刻なのは、メニューが多いことで
先生自身が疲弊していく構造です。

 

幅広い診療に対応しようとすれば、
設備投資も分散します。

 

スタッフ教育も広く浅くなり、
チーム全体の専門性が曖昧になる。

 

結果として、どの分野でも
「そこそこ」な歯科医院になってしまうのです。

 

患者が求めているのは、
「何でもできる歯科医院」ではありません。
「自分の悩みを確実に解決してくれる歯科医院」です。

 

冒頭のレストランとまったく同じ構造が、
先生の歯科医院でも起きているのでは…?

残すべきか?棚上げすべきか?

では、選択肢をどう整理すればいいのでしょう。
多くの院長が悩むのは、
「何を残して何を除外するか」の判断基準です。

 

「せっかく学んだ技術だから」
「高額な設備を導入したから」
「患者から要望があるかもしれないから」

 

こうした理由で、選択肢を減らせない
歯科医院は少なくありません。
ここで明確にしておきたい判断基準があります。

 

あなたやあなたの歯科医院の
理念にマッチしているかどうか
です。

 

技術的に可能かどうか、ではありません。
採算が取れるかどうか、でもありません。

 

「この診療は、あなたが本当に
提供したい価値と一致しているか」

 

この問いに対する答えが判断基準なのです。

 

たとえば、先生の歯科医院が
「予防を通じて患者の人生を豊かにする」
という理念を掲げているとします。

 

その場合、審美歯科のメニューは
どう位置づけられるでしょうか。

 

「見た目の美しさ」だけを追求するなら、
その審美治療は理念とは少しズレています。

 

しかし、

「口元のコンプレックスを解消し、
笑顔で人生を楽しめるようサポートする」

という文脈なら、理念と一致します。

 

つまり、同じ「審美歯科」というメニューでも、
どういう価値を提供するのか、の定義次第で、
残すべきか、除外するべきかが変わるのです。

【選択肢整理の3ステップ】

判断のステップを整理してみましょう。

1. 理念を明文化する

「うちの歯科医院は、
患者にどんな変化をもたらしたいのか」を一言で表現する。

 

2. 各メニューとの整合性を検証する

現在の選択肢一つひとつについて、
「これは理念実現に必要か」を問う。

 

3. 優先順位をつける

理念との一致度が高いものから順に並べ、
下位3割を削減候補とする。

 

この作業をすると、驚くほど明確に
「残すべき選択肢」が浮かび上がってきます。

 

そして重要なのは、削った選択肢については
後悔しないという点です。

 

理念に基づいて判断したなら、
それは単なる「切り捨て」ではなく、
「選択と集中」だからです。

 

患者もまた、絞り込まれた選択肢から
先生の「本気で提供したい価値」を感じ取ります。

 

迷いのない診療姿勢は、
患者の信頼と成約率の向上に直結するのです。

「選択肢点検」の第一歩

ここまで読んで、先生はどう感じましたか?

 

「確かに選択肢が多すぎるかもしれない」
「でも今すぐ削るのは怖い」

 

そう思われたかもしれません。
でも大丈夫です。
いきなり選択肢を削る必要はありません。

 

まずは「点検」から始めてください。
今週、時間を30分だけ取ってみてください。

 

自院の診療の選択肢一覧表を
目の前に広げて、次の問いに答えるのです。

 

「この選択肢は、自分が本当に患者に
提供したい価値と一致しているか」

 

一つひとつ、
丁寧に見ていくだけで構いません。

 

その作業を通じて、先生の中に
「軸」が生まれます。

 

何を大切にしたいのか。
どんな歯科医院でありたいのか。

 

その軸が明確になった時、
選択肢の取捨選択は至極簡単に決まります。

 

そして、患者もスタッフも、その「軸」を感じ取り、
先生の歯科医院に惹かれるようになるのです。

 

選択肢を絞ることは、
可能性を狭めることではありません。

 

本当に提供したい価値に、
エネルギーを集中させること
なのです。

 

冒頭のレストランが証明したように、
絞り込みは成長の起点です。

 

まずは今週、診療の選択肢表を
開いてみてください。

 

そこから先生の歯科医院の
新しい成長が始まります。

 


 

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歯科医師
歯科医院の集患・経営、
ブランド構築コンサルタント

株式会社120パーセント
代表取締役  近  義武

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