自由診療の成約率が4倍に！患者の心を動かす『感情ベネフィット』の伝え方」

治療説明で患者の心を動かす方法

先生は、今日も真剣に患者に
最新の治療法を説明したはずです。

医学的根拠、治療期間、材料の耐久性…
これらを丁寧に説明したはずなのに、患者の反応は微妙…

「少し考えてみます」

そう言って帰っていく患者を見送りながら、
あなたは疑問を感じていないでしょうか。

なぜ、この治療の質の高さが
患者の心に響かないのだろうか…と。

私はコンサルティングや各種の相談を通じて、
こうした悩みを抱える院長先生に何人も出会ってきました。

臨床技術は確かなのに、自由診療が成約しない…
これは技術の問題ではありません。

ある歯科医院では、インプラント治療の
メカニズムを詳細に説明していました。
骨との結合、材料の特性、長期的な成功率まで。

しかし自由診療の成約率は
わずか10%台にとどまっていたのです。

この歯科医院では、あることを機とした説明内容の変更後に、
自由診療の成約率が40%近くまで向上しました。

何が違ったのでしょうか？

実は、多くの歯科医師が”良い治療”と”選ばれる治療”の
間にある重要な溝を見落としているのです。
その溝にハマるか、回避するかでこの差が出るのです。

患者は私たち医療従事者が考える以上に、感情で動きます。
これに対して我々歯科医師は、歯科大学生時代から
”機能”と”エビデンス”を徹底的に学んできています。
だからこそ、我々は治療説明もその延長で行ないがちです。

しかし患者にとって最も重要なのは、
『その治療が自分の人生をどう変えるか』
という点なのです。

どんなに技術的に優れた、素晴らしい治療法があっても、
それが患者の人生を変える実感に結び付かなくて
心を動かされることがなければ、決して選ばれはしません。

これは、医療の質を下げても良いということでも、
誇大なアピールをした方が良いということでもありません。

同じ治療内容でも、
患者の心に響く、心を揺さぶる、届く言葉で伝えられるか、
そうは出来ないのか、の違いによる結果なのです。

”説明する”と”選ばれる”の混同

あなたは世界的に有名な高級車メーカーの
広告を見たことがありますか？

彼らはエンジンの排気量や馬力といった
スペックを前面に出していません。

代わりに「所有する喜び」「運転する興奮」
「ステータスを感じる満足感」などを
伝えることに注力しています。なぜでしょう？

それは、人間の購買決定の約80%が感情に基づくという
心理学的事実を理解しているからです。
この原則は、歯科医療の世界でも同様に機能します。

多くの歯科医師は”説明する”と”選ばれる”を混同しています。
スペックや機能が人生に何をもたらすかを理解しているので、
スペックや機能を説明することで患者にその治療が選ばれると、
ごく自然に、意識することなく認識しているからです。

たとえば、セラミクス治療の説明で
「透光性と強度のバランス」「耐摩耗性」などの
スペックを噛み砕いて説明しようとしがちです。

「丈夫な材質なので綺麗な白さが長持ちします」
みたいな説明をすれば、専門用語を避けて
平易な言葉でわかりやすいと思っているということです。

私たち歯科医師にとっては、”機能”と”エビデンス”を
患者にも理解できるように精一杯親切で
丁寧に対応している模範的な言葉でしょう。

しかし患者にとって、これらの言葉は…

この記事の公開は2025年10月31日まで