「集患をすること」は、現在の歯科医院経営においては必須です。
院長の顔写真入りの野立て看板も集患の施策に1つです。
このことに間違いはないのですが、
私が、院長先生であるあなたに行って欲しいのは
”集患の仕組みを作ること”です。
これら2つは似ているようで異なるのです。
集患をすること
”集患をすること”では『来院した患者数』に
フォーカスすることになります。
関心が全くないよりは良いのですが、
結果に対してのみ、着目している状態です。
結果だけで施策の全ての良し悪しを決めてしまいがちです。
そうすると、
「先月は○○人の新規患者が来院した」
「今月はこれまで××人しか来院していない」
「来月は…?3ヶ月後は…?」
このように、結果に対して一喜一憂することになります。
少しでも不調が続けば、”最新△△集客法”のような誘い文句の
広告やセミナー、業者の営業が常に気になって、
ついつい飛びついてしまうのです。
しかし、そのような手法の大半は、効果が一時的で長続きはしません。
(一時は成果が出るのが腹立たしいですが)
その結果、また新しい集客法を探し求めることになります。
そこ迄ではなくても、言われるままに追加料金を支払って
さらなる広告費を投じたり、アップグレードしたりはよくあることです。
”最新△△集客法”の効果が短命であることには理由があります。
それは、希少性を根源としているからです。
最もわかりやすい例が”ホームページ”です。
20年くらい前まではホームページ(以下HP)を
開設している歯科医院はごくわずかでした。
ITバブルを境に、
インフラの整備やモバイルギアの低価格化が進み、
インターネット利用者が爆発的に増加しました。
その結果、「HPを見て通院する歯科医院を決めよう」という需要と
「HPを開設している歯科医院」という供給とのアンバランスが発生し、
”HPを開設しているだけで集患できる”という事態が発生したのです。
HPの内容ではなく、HPの開設そのものが集患の手法だったわけです。
すでに開設していた歯科医院の先行者利益はさぞ大きかったことでしょう。
その後の推移はあなたもご存知の通りです。
歯科医院向けのHP作成会社の急激な増加、
歯科医院のHPの絶対数の増加、
受給バランスの再構築と市場の飽和…
現在では、HPを開設するだけで集患できると考えているのは
楽観主義で情報不足の院長だけです。
ほとんどの”最新△△集客法”の集患効果が一時的なのも
『希少性』の上に成り立っているものだからです。
全てがだめだといっているのではありません。
中には「集患の仕組み」として成り立っている集客方法もあります。
”最新△△集客法”については、
「集患の仕組み」を備えたものを見極めて導入するか、
オーソドックスな「集患の仕組み」に変化を持たせるために
何らかの”希少性”をおまけで付加するか、
このどちらかしかありません。
いずれにしても集患には「集患の仕組み」の理解と
それをきちんと構築することが不可欠です。
ここは忘れずに抑えておきましょう。
集患の仕組みを作ること
一方で”集患の仕組みを作ること”はやや趣が異なります。
結果にフォーカスした「集患をすること」に対して
「集患の仕組みを作ること」では再現性にフォーカスします。
『再現性』とは、条件を整え、プロセスに従ってタスクを遂行すれば、
一定の結果が常に得られる、その”得られやすさ”を示します。
この「条件」「プロセス」「タスク」をひとまとめにしたものが
『集患の仕組み』そのものとなるのです。
新規患者であれば、あなたやあなたの歯科医院のことを
何も知らない状態の患者を、あなたの歯科医院に来院させるまでの過程で
「仕組み」が働いているのです。
集患方法を学ぶ・実践する前に、
まずはこのことを、しっかり理解しておかねばなりません。
「仕組み」を十分に理解しておけば、どんな状況になっても
”現状で足りないもの”を明確にすることができます。
”患者に訴える文言に患者を動かす力が乏しい”と分かれば、
コピーライティングやマーケティングの勉強をして
改善すれば良いのです。
”患者がその文言を読む機会・接する機会が少ない”と分かれば、
コピーライティングやマーケティングではなく
不特定多数の患者予備軍の方々に、アプローチ可能な媒体について
勉強をするべきなのです。
集患の仕組みを理解して、これを作り上げることで
改善可能で、かつ継続的に患者を集め続ける手段を
手に入れることになるのです。