近 義武の歯科医院経営大学

ハッキリ言って、歯科医院のホームページも、
チラシもパンフレットも、そのほとんどがチラ見してさよなら、
もしくはゴミ箱行きの運命にあります。

ごく一部の患者の中のさらにひとつまみの患者だけが
関心を示してくれるだけの存在なわけですが、
そこからもう一段階先の”心を動かす”ことができなくては
その方は来院の良悪や問い合わせなどの行動をしてくれません。

「何となく良いと聞いてやっているだけ」なら
そのまま患者の心に残らない情報提供を
手間・時間・資金を投下し続けて、
わずかな反応に満足すれは良いでしょう。

しかし、せっかく手間・時間・資金を投下するなら
その情報提供で患者の心を動かして、予約が問い合わせが欲しいと思いませんか？

そのためには、あなたの伝えたいことを
スルーされやすい形式や表現で発信することをやめて、
伝わる形＝ストーリーに加工するのが効果的でおすすめです。

”言いたいこと、伝えたいことはストーリーにすると良い！”
ということを、あなたも１度は耳にしたことがあると思います。
このことについては確かに間違いありません。

しかし、そのストーリーの効能を知ってはいても
歯科医院の院長としては「使い所が無いなぁ…」
と放置している方も多いのではないでしょうか。

そんな院長先生のあなたに、
ストーリーの”伝える力”を活かせる『ストーリーマスター」になるコツを
お教えしましょう。

患者の反応が目に見えて変わる（＝話が伝わって心が動く）が
数値でも肌感覚でも実感できること、請け合いです。

ストーリーマスターへの道１
〜ストーリーの建て付け〜

建て付けと言っていますが、まず重要なのは
「ストーリーはビフォーアフターである」という認識です。

歯科医院の広告ガイドラインで規制されている
”治療前→治療後”もビフォーアフターですし、
芸能人の”華々しい世界→一世を風靡したあの人は今”も
ビフォーアフターです。

最底辺の人生からの大逆転で、バラ色の人生になるような
ベッタベタな話が大衆ウケするのも
ビフォーアフターをストーリーに仕立てているからです。

ビフォーアフターではビフォーとアフターの対比と
ビフォーからアフターに至るまでの変化・過程・推移が必要になります。
ストーリーの効能をしっかり発揮させたいなら
この建て付けの部分を全て言語化する必要があるのです。

中学生・高校生時代にあなたも日本史や世界史を
勉強した記憶があるはずですが、一所懸命に覚えた歴史年表、
現在は果たしてどれくらい覚えていますか？

ハッキリ言ってほとんど覚えていないのでは？
でもそれはある意味当然なのです。
なぜなら印象に残りにくい建て付けだからです。

事件が起こった年号と事件の名称や結末のみの羅列は
建て付けとしては”アフターのみ”となっているので
ストーリーの効能以前に「忘れて当然」なのです。

教え方が上手な先生は、授業でビフォーと過程を含めて
歴史的事件を解説します。
ストーリー化して話す先生もおいででしょう。
そうすることで記憶への定着率は格段に向上します。

ストーリーマスターへの道２
〜ストーリーのギャップ〜

ストーリーの建て付けとして
”ビフォー”→（変化）→”アフター”が重要だと
前段で話しました。

その建て付けを持つストーリーの中でも、
ビフォーとアフターとの差、すなわち”ギャップ”が大きいほど
そのストーリーはインパクトが大きくなります。

ダイエット＋メイク＋ファッションで
劇的な変化をさせて周囲を驚かす的なTV番組を
わかっていても見てしまうのは
どれだけの変貌を遂げるか期待してしまうからです。

どんなに長く、ストーリーを書いても、
まるで魅力のないストーリーになることがあるのは、
ドラマチックな展開がないことが大きな原因の1つです。

”ドラマチック”と言う言葉は、そもそも
演劇のような波乱万丈の事件や紆余曲折を示す言葉です。
そのような展開が全くないストーリーでは人は魅了されません。

そんなドラマチックな展開の1ジャンルとして”予期せぬ結末”、
”想像以上の大変貌・大変化”、”意外な着地点”などがあります。

つまり、”アフターが強烈”であることが
ストーリーの効能を大きく際立たせてくれるということです。

ビフォーアフターで変化の乏しいエピソードをたくさん連ねて
大きな変化を演出するストーリーテクニックも存在しますが
ストーリーの活用に習熟するまでは、封印しましょう。
正直、時期尚早です。

ストーリーマスターへの道３
〜ストーリーへの感情移入〜

そんなドラマチックなビフォーアフターなんて
現実ではそう簡単に起こらない！

歯科医院の院長としては”無事、これ名馬”で
そんな大変化なんて望んでいない！

ここまでの話を聞いて、
こんな感想を持った方がおいでかもしれません。

おっしゃる通り、毎日事件が発生していたら
院長としてあなたの身が持ちません。
ではどうすれば良いのか？

その答えは…