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「全ての患者に自由診療を勧めましょう!」のウソ

歯科医師がたくさん参加したある懇親会で、
以下のような会話を耳にしました。

 

話題は「自由診療の提案タイミング」でした。
20年以上のキャリアを持つベテラン院長と
若手院長が熱心に議論していたのです。

 

若手院長は
「初診時から自由診療の選択肢を提示するべき」
と主張。

 

一方、ベテラン院長は「患者との関係性ができてから」
と慎重な姿勢を見せていました。

 

この光景を見て思い出したのが、
ある患者の言葉でした。

 

「あそこの歯科医院は、口を開けるたびに
自由診療を勧めてくるので二度と行きたくない!」

 

また別の機会では、「自由診療を強引に勧めるよう
院長から何度も言われて退職した」
というスタッフの話も耳にしました。

 

こうした声を聞くと、「全ての患者に積極的に自由診療を勧めよう」
という単純な考え方がいかに危険かがわかります。

 

実は自由診療を勧めるべき患者と、
勧めてはいけない患者が明確に存在するのです。

 

この区別を理解せずに全患者に自由診療を推進すると、
患者離れを引き起こすだけでなく、
スタッフの離職にもつながりかねません。

 

では、どのような患者に自由診療を提案すべきなのか?

 

長年の歯科医院コンサルティングで完全に明確になったのは、
自由診療提案の前に満たすべき5つの条件です。

 

これらの条件が揃った患者にのみ提案することで、
自然な流れで自由診療への移行が実現します。

 

それでは、その5つの条件を具体的に見ていきましょう。

条件1:信頼関係

自由診療を提案する際の第一条件は、
患者があなたの歯科医院に対して
「好感」以上の感情を持っていることです。

 

単なる「悪くない印象」ではなく、
あなたやスタッフに対して
共感や尊敬の念を抱いている状態が理想的です。

 

たとえば、こんな状況を想像してください。

 

初診から2回目の来院で、
まだあなたの名前も覚えていない患者に対して、
突然80万円のインプラント治療を提案したらどうなるでしょうか?

 

ほとんどの場合、「この医院はお金目当てなのか」と
警戒心を抱かれるでしょう。

 

反対に、半年以上通院し、丁寧な説明や
痛みへの配慮を重ねてきた患者なら、
同じ提案でも受け入れられる可能性が格段に高まります。

 

信頼関係があるかどうかは、患者の何気ない態度や
会話から読み取ることができます。

 

「先生に任せます」「この医院に来て良かった」
というような言葉が自然に出るようになったとき、
自由診療を提案するタイミングが近づいています。

 

逆に、診療中に緊張した様子や、
説明への疑問が多い患者には、
まだ自由診療の提案は早いと考えるべきです。

条件2:患者の真のニーズの把握

自由診療提案の第二の条件は、
の真の悩みをすでに聞き出していることです。

 

表面的な訴えと本当の悩みは、しばしば異なります。

 

例えば、患者が「前歯が痛い」と訴えて来院しても、
本当の悩みは「就職面接までに見た目を良くしたい」
かもしれません。

 

多くの院長先生は、ここで大きな間違いを犯します。

 

患者の言葉どおりに
「痛み」だけを解消する治療を提案し、
本当のニーズを見逃してしまうのです。

 

患者の真のニーズを把握するには、
意識的に掘り下げた質問と、信頼が必要です。

 

・その問題で、日常生活でどんな不便を感じていますか?
・理想的にはどんな状態になりたいですか?
・治療後にどんなことができるようになりたいですか?

 

このような質問を通じて、患者が本当に求めているものが
「痛みの除去」なのか「審美性の向上」なのか、
あるいは「長期的な安心」なのかなどが見えてきます。

 

真のニーズを把握していない状態で自由診療を提案すると、
「この先生は話を聞かずに高額治療を押し付ける」
という不信感を生みかねません。

 

逆に、本当の悩みを理解した上での提案は、
患者に「この先生は自分のことをわかってくれている」
という安心感を与えます。

条件3:提供できる技術的・環境的準備

自由診療提案の第三条件は、その治療を確実に
成功させる力量と準備が整っていることです。

 

これは意外に見落とされがちですが、
非常に重要なポイントです。

 

先生、こんな経験はありませんか?

 

セミナーで学んだ最新治療法に感銘を受け、
早速患者に提案したものの、
実際にやってみると思ったより難しく、結果が今一つ…

 

技術的に不安がある治療を患者に勧めることは、
リスクが高すぎます。

 

患者の期待を裏切れば信頼を失うだけでなく、
トラブルにもつながりかねません。

 

自由診療を提案する前に、
以下の準備が整っているかを確認しましょう。

 

まず、その治療に関する十分な研修や
トレーニングを受けていること。

 

次に、必要な設備や材料が揃っていること。

 

そして、アシストするスタッフも
適切に訓練されていること。

 

例えば、審美治療を提案するなら、
色調選択や形態修正の技術を磨き、
適切な照明や拡大鏡などの設備も必要です。

 

もし現時点で自信がない分野があれば、
まずは研修や実習に投資し、
確かな技術を身につけてから患者に提案するべきです。

 

患者の信頼を裏切らない技術力が、
自由診療の成功には不可欠なのです。

条件4:患者の価値理解を促す説明力

自由診療提案の第四条件は、
患者が治療によって得られる価値を
十分に理解していることです。

 

多くの歯科医院では、自由診療の説明が
技術的な特徴や素材の説明に終始しがちです。

 

「このセラミックは強度が高く、
天然歯に近い透明感があります」

 

このような説明だけでは、患者の心は動きません。

 

重要なのは、その治療が患者の人生にもたらす
変化や価値を具体的に伝えることです。

 

例えば、同じ内容でも次のように伝えると
印象が変わります。

 

「このセラミックなら、
お孫さんとの食事も遠慮なく楽しめますし、
に写ったときも自然な笑顔で映りますよ」

 

患者が本当に価値を感じるのは、
技術や素材そのものではなく、
それによって得られる生活の質の向上です。

 

価値の説明には、ビフォーアフターの写真や
実際の患者の体験談も効果的です。
(広告ガイドラインの遵守は必須)

 

「以前同じようなお悩みだった方は、
治療後にこんな風に変わりました」

 

こうした具体例があれば、
患者は自分自身の未来をイメージしやすくなります。

 

価値を理解した患者だけが、
喜んで自由診療に支払いをするようになるのです。

条件5:患者の精神状態

自由診療提案の第五条件は、
患者が精神的に安定して
おり、新しい情報を受け入れられる状態にあることです。

 

これは見落とされがちですが、極めて重要です。

 

患者が以下のような状態にあるときは、
自由診療の提案は避けるべきでしょう。

 

・強い痛みや不安を抱えているとき
・家族の介護や仕事のストレスで疲弊しているとき
・経済的に不安定な時期にあるとき
・うつ状態や強い焦りを感じているとき

 

さらに、次のような特性を持つ患者にも
自由診療の提案は慎重に行うべきです。

 

・治療に対して過度な期待を持っている患者
「これで人生が一変する」と思い込んでいる場合など

 

・理想から少しでも外れることを許せない完璧主義の患者
わずかな色調の違いでも納得できないタイプです

 

・歯科医師に依存的な考えを持つ患者
「先生にすべて任せる」と自己決定を完全に放棄する場合

 

・被害妄想的な傾向がある患者
「前の歯医者に騙された」と繰り返し訴える方など

 

・クレーマー体質の患者
些細なことでスタッフを責めたり、過剰な要求をする方

 

こうした状態や特性の患者に高額な治療を提案すれば、
後々トラブルになる可能性が高まります。

 

患者の受容性を見極めるには、
日常会話の中での発言や表情の変化に注意を払いましょう。

 

「最近どうですか?」という何気ない質問から始めて、
患者の生活状況や精神状態をさりげなく確認するのも良い方法です。

 

患者が前向きで安定した精神状態にあり、
かつ現実的な期待を持てるときこそ、
自由診療提案の最適なタイミングなのです。

自由診療提案の実践的アプローチ

ここまで自由診療を提案する前に満たすべき
5つの条件を見てきました。

 

・患者があなたの歯科医院に好感以上の感情を持っている
・患者の真の悩みをすでに聞き出している
・その悩みを解決する力量や準備が揃っている
・患者が解決の価値を理解している
・患者が精神的に安定し、現実的な期待を持っている

 

これらの条件をチェックリストとして活用することで、
自由診療の提案成功率は飛躍的に高まります。

 

実践にあたっては、
初診時から次のステップを意識してみてください。

 

1. まずは信頼関係構築に集中する
→説明や保険診療を通じて技術と人間性を証明

 

2. 患者との会話から真のニーズを探る
→「どうなりたいですか?」と未来志向の質問をする

 

3. 自分の得意分野から自由診療を提案する
→確実に結果を出せる治療から始める

 

4. 治療の特徴ではなく、患者の得られるベネフィットを説明
→「〇〇ができるようになります」と具体的に、明確に。

 

、5. 患者の状態と反応を見ながら徐々に進める
→一度の説明ですべてを決めようとしない

 

無理な自由診療の提案は、患者だけでなく
スタッフの信頼も失いかねません。

 

しかし、条件を整えた上での適切な提案は、
患者の人生を豊かにし、あなたの歯科医院の
経営も安定させる重要な要素です。

 

今日からこの5つの条件を意識して、
あなたの歯科医院にマッチした
自由診療提案の形を見つけてみませんか?

 

 


 

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株式会社120パーセント
代表取締役  近  義武

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