患者数を増やそう

歯科医院の『売上』アップを実現する7つの方程式 ⑷

Last Updated on 2020.12.15 by 近 義武

患者が増えても忙しくなるばかりで、
手元の利益が増えないのでは
そのために行なった施策は意味がないどころか間違いです…

 

こんにちは、株式会社120パーセント代表、
集患、自費率向上、予防歯科の確立をブランディングで実現する、
ブランド歯科医院構築・経営コンサルタント、
歯科医師の 近  義武 です。

 

歯科医院の「売上アップ」について話しています。
歯科医院の売上は次のような『方程式』で表せます。

保険診療報酬分の『売上』
= レセプト1枚の平均点数 × レセプト枚数

= 診療1回の平均点数 × 平均来院日数 × 実患者数
= 診療1回の平均点数 × のべ患者数
= 診療1回の平均点数 × 1日の平均来院患者数 × 診療日数

自費診療報酬分の『売上』
= 診療1回の平均自由診療報酬額 × 平均来院日数 × 実患者数

= 診療1回の平均自由診療報酬額 × のべ患者数
= 診療1回の平均自由診療報酬額 × 1日の平均来院患者数 × 診療日数

方程式の1つ1つの項目の数値を増加させることができれば、
歯科医院の『売上』が上がることになります。

 

これらの項目のうち、前回までで「診療1回の平均点数」と
「診療1回の平均自由診療報酬額」「診療日数」
「1日の平均来院患者数」
について話しました。

 

 

今回は「平均来院日数」と「実患者数」について話していきます。
どちらにも「アポイントを埋める」効果があるので院内は忙しくなります。

平均の来院日数

 

「平均の来院日数」は保険のレセプトでいうと
それぞれの患者の『診療日数』の全平均です。

 

1ヶ月間の平均の来院日数は
2.1〜2.5となる歯科医院が多いようです。

 

実患者数が少ない医院や、補綴治療の割合が多い医院だと
数値は3に近づきますが3を越える歯科医院はほとんどありません。

 

逆に、メインテナンスやリコールの患者が多いと
「平均の来院日数」は小さくなりがちです。
この「平均の来院日数」を増やすには2つの考え方があります。

 

「平均の来院日数」を増やす①
 来院間隔を縮める

 

あなたの歯科医院では
来院間隔をどのように決めているでしょうか。
いわゆる「通常の診療」の場合を考えてみましょう。

 

最も多いのは「1週間後に」予約を取るパターンです。
技工物の制作スケジュールや患者本人の都合で必然的に1週間後、
もしくはそれ以上の間隔に
なることは確かにあります。
しかし、それを機械的に決めてしまってはいないでしょうか。

 

医学的に空ける必要のない間隔を空けている場合や、
もっと頻繁に通院させた方がいい場合はないでしょうか。
あるいは『そんなに来院させてもすることがないよ…』
というドクターがおいでですが本当にそうでしょうか。

 

例えば、抜歯やオペの翌日に経過の確認とSPのために
患者に来院させるドクターはたくさんおいでです。
ほとんどの場合は特に問題もなく、
あえてSPをするほどでもないにも関わらず
来院させているのはなぜでしょう。

 

「痛かったら」「腫れたら」来院させるのではなく
『とにかく来院』させているのは
不測の事態となる可能性を下げるためと
患者およびドクターの安心のためです。

 

この事実を素直に認められるなら、
患者の自覚症状が強い場合や
不安が大きい場合などには
結果として確認とわずかの処置だけになったとしても
毎日のように来院させる価値は十分にあります。

 

もちろん、患者の予定等との折合い次第ですが、
「1週間後」という固定観念を消し去ることで
来院間隔を短縮することが可能になります。

 

同様に、メインテナンスやリコールも来院間隔を同様に
「3ヶ月後」「半年後」と決めつけていないでしょうか。

 

人はだれしも「忘れてしまう」生き物です。
さらに言えば「慣性と惰性」の生き物でもあります。

 

それまできちんと通院していた患者だからといって
「メインテナンス」というこれまでとは違った行動を
きちんとできる可能性は高くはないと思うべきです。

 

リコールのハガキを受け取っても放置する患者が多いことは
あなたも十分に経験してきていることです。

 

来院間隔は空けてあげる方が患者にとって負担が少ないのは
「真実」の1面でしかありません。
来院間隔を短くすることで患者にも利益がある場合が
あなたが考えている以上に多いものです。

 

「平均の来院日数」を増やす②
 来院回数を増やす

 

これは1ヶ月単位の話ではありません。
もっとスパンの長い話です。
メインテナンスやリコール、定期検診、イベント…
といったものを考える際の話になります。

 

具体的にどういうことかというと、

『1年の間に何回になるか』
『3年の間に何回になるか』

を考えるということです。

 

最もわかりやすい例はメインテナンスでしょう。
「1年に3回」「1年に4回」とでは
メインテナンスに通う年数が長くなればなるほど
来院回数に差が出てくるということです。

 

『そんな細かいことを…』と言われるかもしれませんが、
成功している歯科医院はどこでも取りこぼしを何重にもチェックしています。

 

誰にでもできる簡単なことですが
実行する・実行しないで「長期的な結果」は大きな違いになります。

 

実患者数

 

保険診療においては「レセプト枚数」と同じ意味になります。
実患者数を増やすには『新規患者』の獲得が
最重要と思われがちですが、
これは真実ではありません。

・新規患者の獲得
・流出患者の防止
・復活患者の創出

 

この全てに対して施策が必要です。コスト的には
流出患者の防止<復活患者の創出<新規患者の獲得
となっていて、新規患者の獲得は高コストです。

 

新規患者の獲得に比重を置きすぎるのは
歯科医院経営を薄利多売にしていきます。

 

実患者数を増やす①
 新規患者の獲得

 

これは大きく、「広告宣伝」によるものと
「紹介」によるものに分かれます。

広告宣伝

 

「広告宣伝」はさらに
『リアル系』と『ネット系』に分けられます。

 

『リアル』はいわば従来からの方法です。

医院の外観、照明、袖看板、置き看板、電柱看板、
駅看板、道路看板、チラシ、ダイレクトメール、電話帳、
FaxDM、回覧板、ミニコミ紙、フリーペーパー、
車内広告、新聞、雑誌、地域紙、ラジオ、TV…

 

『インターネット』を活用しない方法のすべてが
こちらに分類されます。

 

共通してこれらは、何らかの形で「効果を測定」しなければ
比較検討も中止・継続の判断もできません。

 

『ネット系』はインターネットを活用したものです。

メール、ホームページ、メールマガジン、SNS、
PPC広告、ポータルサイト、ブログ、専用アプリ…

 

これからも新たな媒体、方法が生み出され続けるでしょう。
ネット系で重要なことは一過性のブームか長期トレンドかの見極めです。
あなたの状況と背負えるリスクによって採用する施策が異なってきます。

紹介

 

紹介は「あなたやあなたの知人から」「患者から」
「スタッフから」「他の歯科医院から」「その他提携先から」
に分けられます。

 

パンフレットやチラシ、フライヤー、名刺、カードなど
紹介しやすいアイテムを用意します。
話題になりやすいキャッチーな独自性があると有利です。

 

「スタッフから」「他の歯科医院から」
「その他提携先から」の紹介については
金銭的報酬を設定しても構いませんが、
「患者から」に関しては絶対にしてはいけません。

 

紹介のお礼と紹介された患者の経過のあらましを
口頭や文書で伝えるに留めてください。

 

何かの形にしたいのであれば「VIP会員」にするなど
無形の名誉的なものがよいでしょう。
金銭ではかえって反感を買う場合があります。

実患者数を増やす②
 流出患者の防止

 

無断キャンセルや遅刻、予約の変更などとともに
治療を中断する患者を防止する対策を
あなたの医院では取り組んでいるでしょうか。

 

対策をしていないならぜひ行ってください。
対策の方向性は大きく2つあります。
「患者教育」と「予約」です。

患者教育

 

特に自覚症状がない時の通院の必要性について
繰り返し、手を替え、品を替えて伝えることです。
治療の中断の多くは「患者の自己判断」によります。

 

患者が勝手に「行かなくてもいいだろう」と
考えてさせてしまうこと自体を回避すれば
治療の中断・患者の流出を減じることができます。

予約

 

予約なしでいつでもウェルカムでは
患者にとっては予約を守る意味が薄れます。

 

患者同士を待合室ですれ違わせる…
隣同士のユニットで治療を行う…
など、患者が他の患者もいることを
認識するような演出も考慮するべきです。

 

「予約時間を守らないと余計に待ち時間が増えそうだ」
と思わせることで、医院の価値も上がります。
そのためにも実患者数は重要になります。

実患者数を増やす③
 復活患者の創出

 

まずは中断直後のアプローチが最重要です。
電話、メール、ハガキ等で3〜5回はコンタクトを図るべきです。

 

その後も3ヶ月後くらいまでは
決めたスケジュールにそってコンタクトをとってください。
そして、反応が得られなくとも、
メインテナンスに訪れない患者などとともにアプローチし続けます。

 

患者が通院を中断する最も大きな理由は
単純に「忘れてしまった」というものです。
その後、来づらくなっているだけなら
アプローチを続けるだけでかなりの高確率で復活させられます。

 

このように、新規患者の獲得、流出患者の防止、
復活患者の創出の全てに手をうつべきです。

 

それぞれに対して手間や時間、お金が掛かります。
費用対効果は常に意識しましょう。

考えてみましょう

さて、それでは恒例のシンキングタイムです。

 

新規患者の獲得にはそれなりのコストが掛かります。
金銭的なコストもそうですが、
あなたやスタッフのするべき作業の手間や
そのための時間などもコストとして掛かります。

 

これらすべてのコストを含めると、
既存の患者に対するアプローチに比べて
新規患者の獲得にはどのくらいのコストが掛かるでしょうか。

 

今回は3択です。

A、約5倍〜10倍
B、約15倍〜20倍
C、約25倍〜30倍

 

 

せっかくここまで読んだあなたなら
ぜひとも、考えてみてください!
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(ここは考える時間です)
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それでは答えです。

 

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