ホームページがあるのに新患が増えない理由
ホームページはあるのに、新患がほとんど増えない…
中には制作費だけで200万円以上かけた
立派なホームページを持ちながら、
月に二桁の新患を獲得できない歯科医院もあります。
なぜこのような事態が起こるのでしょうか?
多くの先生は「SEO対策が足りない」「広告が効いてない」
「デザインが古い」「スマホ対応していない」など
技術的な原因を考えがちです。
しかし、実はそれらは表面的な問題に過ぎません。
本質的な原因は、ホームページを「作って終わり」と考えてしまう
マインドセットにあるのです。
あなたは歯科治療において、初診時に症状を確認し、
治療計画を立て、施術し、経過観察をするという流れを
当然のように実践されていますよね。
しかし、なぜかホームページとなると
この当たり前のプロセスから抜け落ちてしまうのです。
治療と同様に、ホームページも
「計画→実行→評価→改善」という
PDCAサイクルを回し続けることが集患成功の鍵となります。
そして最も重要なのは、このPDCAを回す際の「視点」です。
多くのホームページが集患に失敗している最大の理由は、
「院長視点」で作られているからなのです。
では、どうすれば患者を集められるホームページへと
進化させることができるのでしょうか?
次のセクションでは、集患できるホームページと
できないホームページの決定的な違いについてお伝えしていきます。
”集患できる/集患できない”の決定的な違い
集患に成功しているホームページと
そうでないホームページの違いは
一言でいえば「視点」の違いです。
集患できないホームページは
「院長が言いたい!」を伝えることに終始しています。
例えば、「最新の設備を導入しています」
「院長は○○に留学経験有です」「○○学会に所属」
「△△の認定医です」という情報。
これらは確かに事実ですし、
先生にとっては誇るべき実績でしょう。
しかし、冷静に考えてみてください。
患者はあなたの歯科医院のホームページを
見るとき、何を知りたいと思っているでしょうか?
彼らが本当に知りたいのは大きく2つです。
1つ目は、
「この歯科医院に行けば、問題や悩みが解決するのか?」
そして2つ目は
「この歯科医院の先生やスタッフはどんな人たちなのか?」
アクセス解析データが証明しています。
歯科医院のホームページで最も閲覧数が多いのはトップページ、
閲覧数2位はスタッフ紹介や院長挨拶のページなのです。
つまり患者は、医療設備などの「ハード面」よりも、
先生やスタッフの人間性、ホスピタリティ、価値観、治療に対する考え方、
といった「ソフト面」に強い関心を持っているのです。
ある歯科医院では、院長の経歴や治療可能な診療科目、
設備の紹介が中心のホームページでした。
しかし、それらは単なる事実の羅列に留まっており、
「なぜそれを大切にしているのか」という
価値観や想いが伝わってきませんでした。
ホームページからの新患は月平均1〜2人人という
惨憺たる結果でした。
そこで私たちがまず行ったのは「患者視点」への転換です。
ホームページの構成を、「どんな悩みを持っている患者が多いのか」
「その悩みがどう解決されるか」という流れに変更しました。
さらに「なぜその治療法を選んだのか」
「院長はどんな想いで歯科医師になったのか」
という「人間性」を伝えるコンテンツを充実させたのです。
その結果、リニューアルから3ヶ月後には月平均7.5人の新患が
ホームページから来院するようになりました。
あなたも今すぐご自身の歯科医院の
ホームページを開いてみてください。
そこには「患者の悩みと解決策」と
「あなたやスタッフの人間性・価値観」が
明確に伝わる内容になっているでしょうか?
集患できるホームページは
「患者の問題や悩み解決」と「医院の人間性」を
バランスよく伝えているものなのです。
ホームページ改善のための正しいPDCAサイクル
多くの院長は、ホームページを作って公開したら
それで「完成」と考え、そのまま放置してしまいがちです。
しかし、これは大きな機会損失です。
効果的なホームページは「完成品」となることはなく
「進化し続ける生きた集患ツール」なのです。
そのために必要なのが
PDCAサイクルを回し続けることです。
一般的なPDCAサイクルは、
Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)
という流れで進みますが、歯科医院のホームページに
特化したPDCAはやや異なります。
歯科医院ホームページに最適なPDCA
P:Patient perspective
(患者視点での計画)
患者はどんな情報を求めているか?
どんな言葉で検索しているか?を徹底的に考えます。
「歯が痛い」「入れ歯が合わない」といった悩みと、
「どんな先生か知りたい」という人間性への関心、
この両方を踏まえてコンテンツを計画します。
D:disseminate & update regularly
(定期的な更新と発信)
計画に基づいてコンテンツを作成、発信し、定期的に更新します。
特に「スタッフブログ」や「院長コラム」は
医院の人間性や価値観を伝える絶好の機会です。
C:Confirmation with objective data
(客観的なデータでの確認)
Google Analyticsなどのツールを使って
訪問者数、滞在時間、問い合わせ数などを定期的に確認します。
特に注目すべきは「どのページが最も見られているか」です。
A:Ameliorate
(改善、見直し)
データに基づいて効果の低いページを改善します。
人気のあるページは更に充実させ、
反応の薄いページは患者視点で見直しましょう。
このPDCAサイクルを最低でも3ヶ月に1回は回すことで、
ホームページの集患力は着実に向上していきます。
ところで、あなたの歯科医院のホームページは
いつ最後の更新をしましたか?
もし半年以上更新していないなら、患者は
あなたの歯科医院を「活気がない」と感じているかも…
すぐに実践できる、改善の具体的ステップ
「PDCAを回す必要性は理解できたけれど、
具体的に何から始めればいいのか?」
そう思われる先生も多いでしょう。
ここでは、明日から実践できるホームページ改善の
具体的ステップを優先順にお伝えします。
Step 1: 現状分析を行う
まずは現在のホームページがどれだけ
見られているのかを確認しましょう。
Google Analyticsをまだ導入していないなら、
今すぐ設置することをお勧めします。(無料で使用できます)
制作会社が導入済みなら操作方法を尋ねてください。
2週間ほどデータを集めたら、次の4点をチェック!
・どのページが最も見られているか
・平均滞在時間
・直帰率(1ページだけ見て離脱する割合)
これがあなたの歯科医院ホームページの
「現状のカルテ」となります。
Step 2: 院長紹介ページを充実
先ほどお伝えしたように、患者は
「どんな先生なのか」に強い関心を持っています。
院長紹介ページでは、単なる経歴だけでなく
「どんな治療を大切にしているのか」
「患者にどうなってほしいと願っているのか」
などなどの「想い」を率直に語りましょう。
写真も診療着だけでなく、
プライベートな一面がわかるものも
1枚加えるとより親近感が湧きます。
Step 3: 患者の悩みに応えるコンテンツ作り
あなたの歯科医院によく来院する患者が
実際に抱えていた悩み・問題TOP3を書き出してください。
例えば
「痛みが少ない治療を受けたい」
「入れ歯に不満(摂食、会話、装着感等)」
「子どもの歯並びが心配」など。
これらの悩みごとに専用ページを作り、
以下の構成で内容を充実させます。
・あなたの歯科医院での解決方法を説明する
・実際の症例写真(可能であれば)を掲載する
・費用や治療期間の目安を示す
・よくある質問とその回答を掲載する
Step 4: 定期的な更新の仕組みを作る
ホームページの「鮮度」を保つことは非常に重要です。
最も手軽なのは”ニュース”、”ブログ”の定期更新です。
まずは月に2回程度、以下のような内容で
更新するとよいでしょう。
・患者のために導入した新しい機器や技術
・季節の健康アドバイス
・実際に改善した患者の声(匿名で)
これらの更新は必ずしも院長がする必要はありません。
スタッフに任せることで「顔」が見える歯科医院になります。
患者視点のHP改善が集患の鍵
ここまでお伝えしてきたように、
歯科医院のホームページでの集患の鍵は大きく2つあります。
1つ目は「患者の悩みを解決する情報」と
「医院の人間性・価値観」をバランスよく伝えること。
2つ目はホームページを「完成品」とせず、
継続的なPDCAサイクルで改善し続けることです。
真の意味では「診療・治療に終わりはない」ように、
ホームページも「作って終わり」では効果は微妙です。
定期的なメンテナンスと継続的な改善が必要なのです。
今日から始めていただきたいのは、
ご自身のホームページを”患者目線”で見直すこと。
あなたのホームページを見た患者に
技術や設備の情報だけでなく、あなたはもとより
スタッフの人間性や価値観が伝わっていくでしょうか?
ホームページは歯科医院の「顔」であり、
24時間働き続ける「無言の受付係」です。
この「受付係」が患者に「ぜひ来てください」と
心から伝えられているかを常に意識しましょう。
改善は一日にしてならず、とはいえ
小さな一歩を今日から始めることで、
3ヶ月後、半年後には確実に集患力は向上します。
患者視点でのホームページ改善は、
決して難しいことではありません。
患者の立場になって考え、
定期的に見直し、少しずつ改善していく。
この当たり前のことを当たり前に続けることが、
集患できる歯科医院への第一歩となるのです。