人は「今しかない」に動かされる
映画館で、見たい作品があって「そのうち行こう」
と思っていたら、気づけば上映が終わっていた…
そんな経験、ありませんか?
あなたは上映作品が嫌いになったわけでも、
時間が突然なくなったわけでもない。
ただ、期限が迫るまでは
決断が起きにくかっただけです。
人はそれくらい「先延ばし」癖があるのです。
一方で「今週で終わり」と聞いた瞬間、
予定を動かしてでも行く。
この差を生むのが、限定性です。
そして、これは歯科医院経営でも
まったく同じことが起きています。
先生の歯科医院で、
自由診療の説明までは進むのに
「一度考えます」で結局お流れ…
次回予約が入らない…
検討のままフェードアウトする…
これは、技術や誠実さの問題ではなく、
患者の意思決定が起きるように仕向ける
「設計」が弱いだけ、というケースが大部分です。
実は、患者は「必要性」だけでは動きません。
「決める理由」が必要なのです。
この記事では、煽りや値引きではなく、
患者の背中を押しつつ歯科医院の売上と
時間を守る限定性の作り方を整理します。
私は臨床を続けながら、
200以上の歯科医院で増収増益を
再現してきています。
先生の歯科医院は、患者目線からは
「いつでも同じ」に見えていませんか?
あなた歯科医院は「いつでも同じ」に見える?
自由診療が決まらない歯科医院ほど、
説明の内容は実はちゃんとしている…
資料もある。症例も見せられる。
治療計画も論理的。
それでも患者は、「また今度」と
「いったん保留」を選ぶ。
なぜでしょうか?
ここで重要なのは、
「患者が迷っているのは
治療の良し悪しだけではない!」
という点です。
患者が迷うのは、
「今、決める理由がない」から。
言い方を変えれば、
先生の歯科医院の提案が
いつでも買える商品のように
見えてしまっているのです。
・いつでも見積もりを出せる
・いつでも予約枠がある(ように見える)
この状態だと、患者は安心します。
でも同時に、決断は先延ばしされます。
先延ばしは、リコール率や成約率だけでなく、
先生のチェアタイムも静かに削っていく…
問題は、自由診療の価値が低いことではなく、
決断を生む設計が不足していることなのです。
限定性で患者の決断を助ける設計を
限定性というと、「煽り」「売り込み」と
感じる先生もおいでかもしれません。
ですが本質は逆です。
限定性は、患者を急かすためではなく、
迷いを減らすために使います。
患者の頭の中では、
こういう綱引きが起きています。
「やった方がいいのは分かる」
でも「今日決めなくても困らない…」
この“困らない”が強い。なぜなら患者は、
今日の痛みや不便を優先し、
未来の損失を過小評価するからです。
いわゆる先延ばしの性質ですね。
だから、価値を伝えるだけでは足りないのです。
決断する期限や条件がないと、行動は変わりません。
ここで大事な線引きがあります。
本当に枠があるのに
「いつでも大丈夫ですよ」と言うのは、
患者にも歯科医院にも不親切です。
逆に、根拠なく「残り1名です」と騙るのは、
医療広告としても、信頼としても危険です。
(広告ガイドライン遵守は大前提です)
つまり先生が作るべき限定性は、
ウソの演出ではなく、
現実に基づく運用の可視化です。
歯科医院の時間と人員は有限。
その有限さを言語化することが、
患者の決断を助けます。
歯科医院で使える“3つの限定性”
限定性は、値引きのことではありません。
先生の歯科医院のリソースを守りつつ、
患者の決断を助ける「枠組み」です。
私は、歯科医院で使う限定性を
次の3つに分けて設計します。
1)枠の限定:対応可能人数を言語化
自由診療は、説明時間も長い。技工物の調整も多い。
チェアタイムも読みにくい。
つまり、無制限に受けると
保険診療の流れまで崩れます。
そこで、たとえばこんな言い回しはどうでしょう。
「この治療の初回枠は、月に○枠までにしています」
ポイントは、“人気だから”ではなく
“品質を守るため”に限定すること。
患者も納得しやすいし、
歯科医院も約束を守れます。
2)期限の限定:次回アポを“検討の締切”に
多くの歯科医院が
「考えてください」で終わります
これだと、患者は日常に戻った瞬間に忘れます。
だから次回予約は、治療の予約だけでなく
“判断の予約”に変える。
・「その日までに質問をメモしてきてください」
こうすると患者は「次までに決める」
という心理的な締切を持ちます。
検討は悪ではありません。
ただ、期限がない検討はほぼ確実に流れます。
3)特典の限定:付加価値で背中を押す
ここで言う特典は「安くします」ではありません。
安さで選ばれると、次はもっと安いところに流れます。
そうではなく、患者の不安を減らすものにします。
たとえば代表例は以下の3つです。
(医院の体制で実現可能な範囲で)
・資料(治療計画書)の作り込みを標準化する
・術後フォローの連絡やチェック枠を先に押さえる
これらは、先生の“手間”が増えるように見えます。
しかし実際は逆です。
成約しない説明、キャンセルや迷いが減ることで
チェアタイムが整っていきます。
そして最後に限定性は、口で言うより
仕組みに落とす方が強い。
院内掲示、説明資料…
患者の目に見える形で「有限性・限定性」を
伝えることが常態化した歯科医院は、
自由診療等の成約率が安定します。
スタッフと仕組みで“限定性”を守る
限定性は、一度言って終わりではありません。
運用が崩れると、すぐに効かなくなります。
特に多いのが、院長は「月○枠」と言うのに、
受付が「いつでも大丈夫ですよ」と
戻してしまうパターンです。
だから最初にやることは、
言葉の統一です。
・次回は「判断の予約」を必ず取る
・枠が埋まったら“次の案内日”を提示する
この3点だけでも
歯科医院の空気は変わります。
さらに、ドタキャンが多い歯科医院は
「枠が貴重」というメッセージが
患者に伝わっていないことが多い。
予約時に
「この枠は治療品質を守るための枠です」
と一言添えるだけで、
キャンセル率が下がるケースが多々あります。
限定性は、患者を縛るものではなく、
先生の歯科医院の時間を守るための合意形成です。
患者の背中を押すのは“設計”
自由診療が決まらない原因は、
価値不足より決断の設計不足です。
明日から、
「自由診療の初回相談は月○枠まで」
これを院長とスタッフで統一してください。
患者も歯科医院も未来への推進力が増します。









