teeth brush

歯科医院の物品販売で成果を上げるには

Last Updated on 2020.7.27 by 近 義武

コンビニのレジ待ちをしている時に、すぐ脇に置いてある
ガムやキャンディなどをつい買ってしまった経験はありませんか?

 

あなたの歯科医院でもそんな風に気軽にセルフケアグッズが
売れたら良いなと思ったことはないでしょうか…

 

実際、ほとんどの歯科医院が何らかの物品を販売しています。
しかし、1日に1万円程度の売上もないところばかりです。

 

こんにちは、株式会社120パーセント代表、
集患、自費率向上、予防歯科の確立をブランディングで実現する、
ブランド歯科医院構築・経営コンサルタント、
歯科医師の 近  義武 です。

 

『物品販売業でもないのだし、ついでなのだから期待もしていない』
そういう声もよく聞きますが、それはそれで矛盾していることがあります。
そこで今回は、歯科医院の物品販売について一緒に考えてみましょう。

収益構造を比較してみよう

 

まずは、物品販売の収益の成り立ちと
歯科診療の収益とを比べてみます。

 

物品販売には必ず仕入れが存在します。
商品にもよりますが、仕入れ値は売値の70〜80%くらいです。

 

これに対して、歯科診療の仕入れに相当するのは歯科材料費、
技工費、金属代金、インプラントのテクスチャーなどです。
「患者の治療をして売上が生じると費やされる経費」
という捉え方で『変動費』と呼ぶこともあります。

 

歯科診療におけるこの経費の割合は
歯科医院ごとに異なりますが、だいたい15〜25%です。

 

ここまででも全く違うことに気づきましたか?
売値から原価を引いた利益の割合(=粗利率)が
物品販売は売値の20〜30%であるのに対して
歯科診療では売値(診療報酬)の75〜85%なのです。

 

診療でも物品販売でも、この利益(粗利)の中から
売上がなくてもかかる経費(固定費)を引いたものが
本当の利益(税引き前利益)になります。

 

ちなみに、売上がなくてもかかる経費(固定費)には
人件費、土地の賃貸料、テナント料、駐車場代、
水道光熱費、研修費、設備投資費などが含まれます。

 

歯科医院経営では歯科診療がメイン、物品販売は片手間だから、
物品販売には固定費はないと考えるなら、その本当の利益は
どうにか売値の20〜30%あるとみなすことができます。

 

しかし、物品販売には固定費はないとは考えられないほどの
コスト、手間、時間がかかるなら、物品販売の粗利率では、
利益など簡単に吹っ飛んでしまうのです。

 

特に、金銭的なコスト以外の手間や必要な時間を
我々院長はついつい忘れてしまいがちです。
しかし、物品販売を本格的に行うなら
次のような仕事も結構なボリュームになります。

仕入関連:(値段交渉)、発注、納品確認、決済…
管理関連:在庫確認、陳列、監視、保守…
販売関連:会計、(包装)、領収書発行…
営業関連:説明、注意、解説、(パンフレット)、販促…

 

これらを仕事として行うことで
あなたやスタッフには肉体的・精神的負担が発生します。
金銭的なコストとして計上するなら「人件費」となります。

 

要するに物品販売は『薄利』なのです。
ほんの片手間で処理できる規模ならいいのですが、
中途半端な規模になると、仕事量の割に
利益がそれほどないということになりやすいのです。

 

取り組むなら『薄利多売』である必要と構造を理解して
それなりの規模の売上を確保し、仕組み化をして
付随する仕事を効率的に処理できるようにください。

 

中途半端が一番ダメです。やるなら片手間ではなく、
利益の柱の1つにするつもりで取り組む。
その覚悟が必要なのです。

 

物品販売はスタッフが主役です。
うまく軌道に乗れば、院長のあなたは
ある意味『不労所得』が得られます。

 

セルフケアグッズを実践的な教材として
患者教育や啓蒙ができるなら、
一石二鳥にも三鳥にもなり得ます。

 

ただし、「覚悟」が決まっていないなら
完全に撤退してしまって、
本業である歯科診療に邁進するほうが
収益構造的には有利だということも
覚えておいて損はないでしょう。

歯科医院での物品販売に適した商品

 

上記のような収益構造を考えると
歯科医院で取り扱っても良い商品の条件が
いくつかわかってくることでしょう。

 

少なくとも、どこにでも手に入りそうな
ありきたりな歯ブラシや歯磨剤などなら
物品販売に適しているとは言えないと
すぐにわかると思います。

 

歯科医院で取り扱うなら
以下の条件をできるだけ多く満たすような
商品を選んでください。

1、粗利が大きい商品を扱う

 

言い方を変えれば、
「仕入原価が小さい商品が有利」ということです。

 

歯科医院で取り扱う商品の多くが
粗利率が20〜30%しかないことはお話ししましたね。

 

この粗利率が大きいほど
最終的な利益を確保しやすくなります。

 

粗利率が大きいが単独では売りにくい商品を扱うなら
セット販売などで販売を促進するのもいいでしょう。

2、患者が効果を実感しやすい商品を扱う

 

口臭対策商品や歯の美白を謳った商品などは
患者に効果をわかってもらいやすいものです。

 

そのほか、患者1人1人の抱えている悩みや問題を
ピンポイントで軽減・解消してくれる商品は
困っていることが標的になっているので
効果を実感しやすい商品と言えます。

 

例えば、歯列が叢生の方むけのセルフケア商品とか
口元が気になっている方に口輪筋を賦活する商品とか
そういった具合に、万人には受け入れられなくても
一部にはぴったりという商品は(対象患者にとっては)
効果を実感しやすい商品がと多いです。

3、継続購入につながりやすい商品を扱う

 

効果が実感できて、なおかつ簡単で使い勝手が良い商品は
継続的に購入されやすくなります。

 

このような商品ではサンプルをプレゼントしたり、
初回購入の割引をつけたりしてもいいでしょう。

 

継続的に購入してくれれば
後から利益はついてくることになります。

4、オリジナル性・希少性が高い商品を扱う

 

理想はあなたの歯科医院でしか手に入らないような
オリジナルな商品です。これに準ずるのが
取り扱っているところが少ない希少商品となります。

 

違いが実感できないような商品が
ディスカウントストアで販売されていると
あなたの歯科医院から購入する意味が薄れてしまいます。

 

これをさせないためには、商品説明を十分に行って、
他の商品との違いを患者に理解させることが大事です。

 

また、導入時点でどんなに希少な商品でも
参入障壁が低いと競合歯科医院が参入してきます。

 

参入には高額なロイヤリティーを支払うとか
審査が厳しいとか、初期投資が高額になるなどの
必要条件があると参入障壁を高めることになります。

 

ヒット商品となってくれれば
参入障壁が高いほど市場を寡占・独占できます。
ただし、リスクは十分に検討してください。

5、消耗品で、消費期限がある商品を扱う

 

患者にも「買って安心」するタイプの方がいます。
使わなくても所持しているだけで満足してしまう方です。

 

そういった方でも「消費期限」があれば
使っても使わなくても再度購入することになります。
実際に使用するモチベーションにもなりますので
「消費期限」は継続購入を促す効果を持つといえます。

 

物品販売をするのであれば商品を厳選してください。
歯科医院は小売業ではないのですから
適応する商品がないなら販売はしないという選択肢も
十分アリなことは忘れないでください。

考えてみましょう

さて、それでは恒例のシンキングタイムです。

 

歯科医院では物品販売はやめてもイイという提案を
実際のクライアントの院長にすると
大抵次のような質問が返ってきます。

 

『T.B.Iの時にはどうするんでしょう…?』

 

答えはとてもシンプルです。
どうすればいいでしょうか。

 

せっかくここまで読んだあなたなら
ぜひとも、考えてみてください!
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(ここは考える時間です)
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それでは答えです。

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