経営者の心構えとは

『患者が悪い』は思い込み!天候対策で学ぶ経営者マインドの転換

経営と天候 – 不可避な課題への向き合い方

あなたの歯科医院でも、
経験されているのではないでしょうか。

 

冷たい雨の日、雪の日、台風の予報が出た日…
こうした悪天候の日に限って、
患者の無断キャンセルが増えるという現象についてです。

 

朝から予約表を見ながら、
「今日も来ないだろうな…」
とため息をついたことはありませんか?

 

診療スペースは準備万端。
スタッフも待機している。
なのに、患者が来ない。

 

特にドライで信頼構築が道半ばの患者なら、
「まあ、また別の日でいいか」
くらいの気軽さで無断キャンセルしてしまう。

 

その患者の気持ちもよくわかります。
人間は天候が悪いと、本能的に
外出を避けたくなるものです。

 

豪雨、降雪、猛暑日、台風…
理由はいくらでもあります。

 

しかし、ここからが重要です。

 

無断キャンセルが増えるたびに、
「最近の患者は連絡もしないで…」
と嘆いているのは、経営者ではなく、
単なる被害者意識を持った傍観者です。

 

つまり、あなたの歯科医院の経営状態は、
患者の気分次第で左右されているということ。
これでは、持続可能な健全経営など望めません。

 

ニュースで天気予報を見たとき、
「ああ、明日は大雨か…」で終わらせてはいけないのです。
そこから、次の一手を考えるのが経営者です。

 

悪天候が来ることが事前にわかっているなら、
対処しない方がおかしい。

 

実は、この考え方の転換こそが、
歯科医院経営の安定性を左右する最大のポイントなのです。

 

私は200以上の歯科医院の経営改善をサポートしてきました。
その経験から言えることは、問題が予測できるなら、
対策は必ず立てられる!ということです。

 

むしろ、対策を立てないなんてあり得ない。

 

では、具体的にどのような対策があるのか。
お伝えしていきましょう。

予測した! – ここがターニングポイント

経営者と被害妄想傍観者の分かれ目はどこにあるのか。

 

それは、問題が起こることを知っていながら、
対策を打つか打たないか、この一点に尽きます。

 

天候が悪くなることは誰にでもわかります。
気象庁の予報を見れば、
数日先の天気まで知ることができる時代です。

 

にもかかわらず、多くの院長は何もしません。

 

悪天候の日が来て、患者が無断キャンセルしてから、
初めて「困った」と反応する。
つまり、事後対応をしているのです。

 

しかし、経営者としてすべきことは、その逆です。
問題が起きることが予測できるのなら、
問題が起きる前に手を打つ。
つまり、事前対応です。

 

雪が降るという予報が出たなら、
その日の予約をどうするか、
あらかじめ考えておく。

 

患者にどう伝えるか、
事前に準備しておく。

 

スタッフの勤務についてどうするか、
あらかじめ指示をしておく。

 

このように、問題の発生を予測して、
その前に対応する。
これが経営者のマインドです。

 

院長であるあなたが、この思考を持つだけで、
歯科医院の経営状況は大きく変わります。

 

なぜなら、無駄が減り、
計画通りの患者さんが来院し、
スタッフの疲弊も減るから。

 

結果として、診療の質も上がり、
患者満足度も高まるのです。

 

では、その具体的な対策とは何か。
3つの実践的なアプローチをお伝えします。

対策1
悪天候予報日は予約を受けない

では、具体的な対策に入りましょう。

 

最も効果的で、かつシンプルな方法が、
『予約を受ける段階で対策を打つ』
ということです。

 

つまり、悪天候が予想される日には、
そもそも新しい予約を受けない。
これが第一の対策です。

 

やり方は簡単です。
気象庁の予報をチェックし、
悪天候が予想される日を把握する。

 

その日は、受付で新規の予約を
積極的には受けないようにするのです。

 

「申し訳ございませんが、
その日は天気予報で雪が降るとのことなので、
別の日をお勧めしています…」

 

受付スタッフにこう伝えるだけで、
患者の多くは素直に日程を変更します。

 

なぜか?患者も、実は悪天候の日に
来院したくはないからです。

 

ここで重要なポイントがあります。
このことを「医院の都合」で伝えてはいけません。

 

「その日は混んでいるので…」
こんな言い方をしたら、患者は不快に感じます。

 

あくまで、『患者のことを思った対応』
として伝えることです。

 

「お足下が悪くなりますので、別の日でいかがですか?」

「雪が降ると、ご来院の際に大変ですよね」

 

このような言葉遣いで伝えると、患者は
「この医院は私のことを考えてくれている」
と感じるのです。

 

さらに効果的なのは、
受付スタッフ全員が同じ情報を持つことです。
朝礼で、その日から1週間の天気予報を共有しましょう。

 

「明後日の木曜日は大雪が予想されています。
予約を受ける際には、別の日をご提案してください」

 

このように指示しておくと、
スタッフ全員が統一した対応ができます。

 

結果として、悪天候の日の無断キャンセルは、
ほぼ発生しなくなるのです。

 

実は、この対策には副次的な効果もあります。
患者から「気遣ってくれてありがとう」
という好感を持たれることで、
医院への信頼が深まるということです。

 

単なるキャンセル防止ではなく、
患者満足度の向上にもつながるわけです。

 

悪天候の中での通院中に患者が転倒したりすれば
治療も遅れますし、患者からはネガティブな感情を
持たれることだって考えられます。

 

『問題が発生しない』ことを重要視するだけで
予約を入れないことのメリットの大きさが
あなたにも十分に理解できるはずです。

対策2
既存予約は患者目線で変更提案

すべてが前述の対策1で解決するわけではありません。

 

定期検診などは、数週間先、時には数ヶ月先の予約が
すでに入っていることもあります。

 

予約の後から悪天候が予想されるようになった場合、
どうしたらいいのか。
答えは簡単です。

 

数日前に患者に電話して、
予約の変更をお願いすれば良いのです。

 

タイミングは、悪天候が予想される日の
3日~5日前が目安です。

 

電話での伝え方が、ここでも重要です。

 

「申し訳ございませんが、
金曜日の予報を見ると雪になる可能性が高いです」

「〇〇さんのご安全を考えますと、
別の日に予約し直していただけませんでしょうか?」

 

このように伝えるのです。
ポイントは、「医院のため」ではなく、
「患者のため」という姿勢を明確に出すこと。

 

多くの患者は、
この呼びかけに素直に応じてくれます。

 

中でも、電車を利用して来院する遠方からの患者や、
高齢の患者、足腰の不安のある患者には、
より丁寧に対応してあげるといいでしょう。

 

交通の便が悪くなる悪天候の日は、
本当に大変だからです。

 

仮に患者が「大丈夫です、行きます」
と答えたとしても、問題は大幅に減ります。

 

なぜなら、患者自身が
「悪天候の日だ」と認識した上での来院だから。

 

そうなれば、無断キャンセルは、
ほぼ発生しないのです。

 

さらに付け加えるなら、
臨時休診を検討する価値もあります。

 

スタッフの通勤も大変ですし、
患者の来院も減ることが目に見えている。

 

であれば、潔く休診にして、
スタッフに有休を取らせてあげる。

 

その方が、トータルで見れば、
スタッフの満足度も上がり、
長期的には医院の安定にもつながるのです。

対策3
変更できない場合は気配りの連絡を

対策1と対策2で、
ほとんどの無断キャンセルは防ぐことができます。

 

しかし、稀に、どうしても患者の都合がつかず
予約の変更ができないケースがあります。
では、そうした場合はどうするのか。

 

答えは、患者に事前の配慮連絡を入れる」です。

 

予約の前日、または当日の朝に、
電話などで一言、伝えるのです。

 

「明日(本日)はあいにく荒れ模様のお天気ですが、
お足下が悪くなりますので、
ご来院の際はお気をつけてください」

 

たった一言です。
この一言の効果は絶大です。

 

患者の心理として考えてみてください。
医院からこのような連絡が来れば、
患者さんは医院への配慮を感じます。

 

そして、無意識のうちに,
「この医院は私のことを考えてくれている。
無断キャンセルするわけにはいかないな」
という心理が働くのです。

 

つまり、患者自身が、
来院する動機をより強く持つようになるわけです。

 

さらに効果的なのは、
この連絡を個別に入れることです。

 

一斉メール配信ではなく,
その患者個人にメッセージを送る。
または、患者1人1人に直接電話をする。

 

このような個別対応をすれば、
患者の心に残る効果が全く違います。

 

「あ、この歯科医院は
私のことをちゃんと見てくれているんだ」
と、感じるのです。

 

実は、このアプローチには、
もう一つの効果があります。

 

それは、患者の満足度が向上することです。

 

無断キャンセルを防ぐだけでなく、
患者が医院をより好きになる。

 

結果として、リコール率が上がり、
口コミでの紹介も増える。

 

こうした好循環が生まれるのです。

 

対策1、対策2、対策3と段階的に対応することで,
天候による無断キャンセルは,
ほぼ完全に排除できるようになります。

 

重要なのは,予測できる問題に対して,
事前に手を打つ習慣をつけることなのです。

問題を機会に変える視点

天候による無断キャンセルは,
一見、避けられない問題に見えます。

 

しかし、ここまでお伝えしてきたように,
実は対処方法は、いくらでもあるのです。

 

予約を受ける段階での工夫。
既存予約の事前変更提案。
来院への気配りの連絡。

 

これら3つの対策を組み合わせることで、
無断キャンセルはほぼ完全に防ぐことができます。

 

ここで重要な気づきを再度お伝えします。
多くの院長は、問題が起きてから対応します。
つまり、受動的な対応をしているのです。

 

しかし、経営を安定させるには,
問題が起きる前に対応していく
能動的な対応が必要なのです。

 

この思考転換こそが、
経営改善の最初のステップなのです。

 

天候による無断キャンセルだけではありません。
スタッフの定着率が低い…
患者さんのドタキャンが多い…
自由診療が受けてもらえない…

 

こうした問題が起きることは,ほぼ予測可能です。
であれば、その前に手を打つのです。

 

この習慣をつけるだけで,
あなたの歯科医院の経営状況は変わっていきます。

 

問題を「困ったこと」として捉えるのか。
それとも、「対策を立てる機会」として捉えるのか。

 

この違いが,持続可能な健全経営と,
問題発生に右往左往する経営の分かれ目なのです。

 

今日から、院長であるあなたが意識することは,
ただ一つです。

 

「問題が予測できるなら,対策を先に打つ」

 

この原則を,あなたの歯科医院の
文化として定着させる。

 

それだけで十分です。

 

まずは、この天候対策から始めてみてください。
その経験が,今後のあなたの経営判断を,
大きく変えるはずです。

 


 

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歯科医師
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株式会社120パーセント
代表取締役  近  義武

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