経営者の心構えとは

診療時間vs売上のジレンマ解消法|患者情報活用実践裏ワザ

患者情報活用と診療効率のジレンマ

「患者情報を丁寧に収集・活用したいけれど、
診療時間が圧迫されて売上が下がりそうで怖い。
どうすれば良いでしょうか?」

 

こんな質問が私の元に届きました。
同様の悩みを抱える院長先生は
実に多いのではないか、と感じます。

 

コミュニケーションシートやサブカルテ、
パーソナルシートなどの患者情報ツールは、
確かに記入や確認に時間がかかります。

 

その結果、1日に診られる患者数が減少し、
短期的には売上ダウンの恐れもあるでしょう。

 

あなたの懸念は決して的外れではありません。

 

しかし、多くの成功している歯科医院では、
この「一時的な効率低下」を乗り越えて
長期的な患者満足度と収益の向上を実現しています。

 

情報活用と診療効率のバランスは、
まさに現代の歯科医院経営における重要課題の1つです。

 

今回は、この一見相反する課題をどう解決すべきか、
具体的な方法をお伝えしていきます。

患者情報活用の短期的影響と長期的メリット

歯科医院の売上構造を単純化すると、
次の公式で表すことができます。

 

売上 = 患者数 × 診療1回あたりの患者単価 × 来院回数(来院頻度)

 

コミュニケーションシートや サブカルテなどの
患者情報ツールを導入して患者との対話を増やすと、
短期的には以下の変化が起こります。

 

まず、患者1人につき従来同等の純粋な診療時間を確保するなら
対話時間分のアポイント枠を延長調整することになり、
必然的に”1日あたりの患者数が減少”します。

 

一方、従来のアポイント枠を維持するなら、
患者1人あたりの純粋な診療時間が短縮され、
”診療1回あたりの患者単価が低下”する可能性があります。

 

どちらの場合も、
短期的には売上減少が懸念されるのは当然です。
この現実を直視すると、不安になるのは不思議ではありません。
そして、多くの先生が導入を躊躇してしまいます。

 

しかし、これは一時的な現象に過ぎないということを
理解していただきたいですし、むしろここが正念場なのです。
実際には、この先に大きな飛躍が待っているのです。

 

目を向けていただきたいのは3〜6ヶ月後の変化です。
患者情報を活用することで、あなたの歯科医院に
次のような変化が生まれ始めます。

 

変化1. 来院回数(来院頻度)の増加

患者の嗜好や生活習慣を把握することで、
適切なタイミングでメンテナンスの提案が可能になります。

 

「先生が自分のことを覚えてくれている」
という安心感から、患者の定期来院率が
20〜30%向上するケースも珍しくありません。

 

変化2. 患者単価の上昇

患者の価値観や関心事を把握できれば、
その患者に最適な自由診療の提案が
自然にできるようになります。

 

その結果、自由診療の成約率が
導入前と比較して平均1.5〜2倍の向上もザラです。
患者からの信頼が構築された結果です。

 

つまり、これらの変化により、
減少した「患者数」「患者単価」のマイナスを、
「来院頻度」「成約率向上による患者単価アップ」 が
上回り始めるのです。

 

これらの効果が表れるまでには
およそ3〜6ヶ月の時間を要します。

 

この3ヶ月をどう乗り切るかが、
患者情報活用の成否を分ける重要なポイントになります。

 

あなたの歯科医院でも、短期的な減収を恐れるあまり、
本来得られるはずだった大きな恩恵を逃してはいませんか?

短期的な売上低下を防ぐアプローチ

患者情報活用の長期的メリットは理解できても、
導入初期の売上低下は避けたいものです。

 

ここからは、導入期の一時的な売上減少を
最小限に抑える実践的な方法をお伝えします。

 

対策1. 診療効率の向上

患者情報の記入・確認に時間を取られるなら、
その分、診療自体の効率を上げることが必要です。

 

例えば、診療前に患者情報をアシスタントが事前確認し、
ポイントを絞ってメモしておくだけでも
担当歯科医師の時間は大幅に節約できます。

 

また、治療のハンドスピードを
品質を落とさずに向上させることも重要です。
短縮された診療時間でも、治療品質を落とさずに
従来と同じ仕事量をこなすことに努めます。

 

ある歯科医院では、処置のステップを見直し、無駄な動きを省き、
器具の配置を最適化、スタッフとの連携を密にするなどにより
診療時間を平均15%短縮を成し遂げました。

 

対策2. ユニット稼働率の最適化

多くの歯科医院では、ユニットの
稼働率が70%程度に留まっています。

 

患者情報活用を機に、予約システムを見直し、
ユニットの空き時間を減らすことで患者数の減少を防げます。

 

具体的には、予約枠を柔軟に設定し、
処置内容によって時間配分を最適化します。

 

他にも、診療終了時刻の30分延長、昼休み時間の短縮、
スタッフの配置の見直しなどにより
対話時間分のアポイント枠の現象を抑制します。

 

診療体制の変更は大変ですが、
患者数の減少を食い止める、即効性のある対策です。

 

対策3. 診療メニューの戦略的見直し

導入期には、特に利益率の高い診療に注力することも有効です。

 

例えば、自費のセラミック修復やインプラントなど
高単価の診療を優先的に治療計画に組み込むことで、
患者数が減少しても売上を維持できます。

 

対策4.戦略的新患獲得の強化

あなたの歯科医院のドル箱診療を最初から望む患者の獲得に努めます。

・インプラント治療を希望する患者
・審美歯科に関心の高い患者
・予防意識の高い患者

 

あなたの歯科医院のドル箱の診療は何でしょうか?
あるいは今後、ドル箱にしたい診療は何でしょう?

 

これらの診療を望む患者を、新規患者として獲得できれば
さほど大きくない苦労で、対象の治療を制約できることでしょう。

 

自由診療なら患者単価アップを、
予防歯科やメンテナンスなら継続的な来院が期待できます。

 

ホームページやSNSでの情報発信を強化し、
質の高い新患獲得を目指しましょう。

 

対策5. リコールと予防歯科の強化

既存患者へのリコール強化は、
新規患者獲得よりもコストがかからず、効果が早く表れます。

 

情報ツール導入直後から、
過去6ヶ月間来院のない患者へ電話やDMでアプローチし、
メンテナンスの重要性を伝えましょう。

 

「あなたの口腔内データを基にした
最適なメンテナンスプランをご用意しました」
という案内は驚くほど反応率が高くなるはずです。

 

対策6. スタッフの意識改革と教育

最後に、スタッフ全員が患者情報活用の
意義を理解することが重要です。

 

「なぜこの情報が必要なのか」
「どう活用すれば患者満足につながるのか」
を全員で共有しましょう。

 

スタッフ一人ひとりが
患者情報を効果的に収集・活用できれば、
院長先生の負担は大幅に軽減されます。

 

対策7.キャッシュフロー重視の柔軟運用

資金的余裕がある場合は、すべての対策を同時に行う必要はありません
可能な対策のみを実施し、患者数と患者単価の下落を小さく抑えながら、
来院頻度と成約率の向上を待つという選択肢もあります。

患者情報活用で医院の持続的成長を

患者情報の活用は、単なる運用ツールの導入ではなく、
歯科医院経営の根本的な変革と言えるでしょう。

 

変革には常に不安がつきものです。

「本当にうまくいくのだろうか」
「患者は煩わしく思わないだろうか」
「スタッフは対応できるだろうか」

 

こうした懸念は自然なものであり、
むしろ真摯に歯科医院経営と向き合う
院長先生だからこその心配なのです。

 

しかし、あなたの歯科医院が
5年後、10年後も地域で選ばれ続けるためには、
こうした変革に積極的に取り組む姿勢が
不可欠だと私は確信しています。

 

私がコンサルしてきた200以上の歯科医院の中で、
患者情報活用に本気で取り組んだ医院は、
例外なく長期的な成功を収めています。

 

ここで、具体的なアクションプランを
まとめておきましょう。

 

1. まずは2週間の試験運用から

全ての患者ではなく、一部の患者から始めましょう。

 

2. スタッフミーティングで改善

現場の声を反映し、継続的に運用方法を改善します。

 

3.患者からのフィードバックを集める

 「情報収集によって何が改善されたか」を
 患者自身に実感してもらいましょう。

 

情報活用の取り組みは、最初の3ヶ月が正念場です。

 

しかし、この期間を乗り越えれば、患者満足度の向上、
リコール率の改善、自由診療の増加などの好循環が生まれ、
あなたの歯科医院は新たな成長ステージに進めるでしょう。

 

変革に踏み出す勇気が、あなたの歯科医院の未来を
より明るいものにするのです。
あなたも今日から、小さな一歩を踏み出してみませんか?

 

 


 

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歯科医師
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株式会社120パーセント
代表取締役  近  義武

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