近 義武の歯科医院経営大学

こんにちは、
患者が集まる歯科医院構築、
経営アドバイザーの近です。

この文章に目を止める先生なら、
”集患”の施策をいくつか運用していると思います。

歯科医院のホームページは開設しているでしょうし、
歯科医院の外観に案内や、入りやすい工夫もしていますよね。

他にもいろいろ、運用されているでしょうから
”集患”施策を全くしていない歯科医院は、
ほぼ皆無だろうと考えています。

それに伴って、”集患”において必須と言われている
「ターゲット」については、多少は意識しているものの
「患者の遷移グレード」によって患者を分類して、
グレードに応じた”集患”施策を行っている歯科医院は多くありません。

簡単にいうと、ターゲットとして
「こんな患者に来てほしい」は（粗いですが）あっても
グレードとして
「こういう段階の患者」に向けた施策だという意識が足りません。

そもそも「患者の遷移グレード」って何だよ？
という疑問が浮かんでいるでしょうから、
まずはそこから話して行きましょう。

（※ 長文です。商業誌に季刊連載の５割増です。
　　飛ばし読みしてもそれぞれヒントにはなります）

患者の遷移グレード

１人の患者を考えてみると、
その患者は、あなたやあなたの歯科医院との
関係や関わりによって徐々に変化・遷移して行きます。

あなたについて全く情報を持っていない、知らない、
感情も抱いていない状態から、
あなたやあなたのことを理解・共感し、
通院を重ねてスタッフとも親しくなって
親近感・好感・尊敬などの感情を抱くまでになり得るということです。

１、あなたやあなたの歯科医院について全く知らない
２、歯科医院名や所在地などを知っている
　　（歯科医院側から名指しの連絡はできない）
３、連絡先等を登録して、あなたからの情報を受け取った
　　（来院していないが歯科医院側から名指しの連絡が可能）
４、来院して相談会、検診、説明会等に参加した
　　（無料 or 少額負担で診療受診の義務・強要なし）
５、電話や予約システムを使用して新規初診の予約をした
６、新規初診患者として来院した
７、自覚・知覚している問題、症状、悩み、の治療に通院
８、無自覚、困っていない問題、症状、の治療に通院
　　（歯科医師やスタッフの指摘により発覚した病状の治療）
９、予防歯科、メンテナンスなど未来・将来のための処置に通院
10、あなたの歯科医療に対する哲学や思いを自主的に布教

ざっくりこのようなグレードになります。
診療スタイルやマーケティングへの重視度によって
３、４、９、10あたりは存在しない歯科医院もあります。

例えばターゲットが”35歳〜40歳の独身キャリアウーマン”であっても
グレードによって”集患”の施策や媒体、メッセージは変わりますし、
同一の患者だけピックアップしてもグレードは遷移するのです。

似たような他業種の例で言うと、小学生対象の学習塾が集客をする際に
小学１年生なら学習習慣の確立などがアピールされ、
５〜６年生なら受験実績や中学校進学の準備を前面に出す様なものです。

小学生がターゲットだからといって
１年生から６年生まで全部のお子さんに向けたアピールをしては
何だか中途半端なのモノになるのは容易に想像ができますよね。

同様に、”集患”も各グレードに合わせて戦略を調整すると
効果的・効率的でしかも安価に施策を打つことができるってことなのです。

目標から逆算するのは、経営戦略のセオリーの1つですから
各グレードのと各個戦略の話も最終段階からしていくことにします。

10、あなたの歯科医療に対する哲学や思いを自主的に布教

もちろん院長先生によって、患者のグレードのゴールは異なりますよね。
ですので、このゴールは多くの先生に「それもアリかな？」と思われそうな
そんな汎用性の広いところに設定しました。

”集患”のグレードとしては、「院長先生の理想形」を設定すれば良いです。
イメージはインフルエンサーです。

この患者は、こちらが何も言わずともあなたの治療の良い点や
あなたの考え方などを周囲に広めてくれ続けます。
口コミで実際に来院する患者を紹介してくれるのもこのグレードの方です。

このグレードの患者が増えてくると、
院外でのイベントを行なっても大コケは有り得ません。

そのイベント内の小さな仕事を任せるだけで
あなたや歯科医院へのロイヤルティ（忠誠心）が維持できます。
他にもそのような特別扱いをすることで、ずっとあなたのファンで居てくれます。

当然、その下位のグレード９＝予防歯科やメンテナンスにも
快く通院してくれるV.I.P患者です。

９、予防歯科、メンテナンスなど未来・将来のための処置に通院

ここをゴールに設定している歯科医院も多いと思います。
このグレードまでなってくれた患者は、あなたの歯科医院を
「かかりつけ歯科医院」認定されているでしょう。

グレード９の患者は現状問題や悩みがない事象について、
将来に備えて時間とお金を使って通院してくれる方です。
歯科医療の正しい考え方を身につけた稀有な方とも言えます。

グレード10との違いは、院長であるあなたの歯科診療や経営の対する
「哲学、思い入れ、考え方、こだわり、志、パッション、価値観」などを
理解して共感しているか、否か、です。

グレード９の方は、
「歯科医量を受けるならあなたの歯科医院」とは感じていても
あなたの人格や思考、歯科医院の文化などの精神性までは
理解が及んでいない…というイメージです。

グレード９から10への誘導に有効な施策としては
「コミュニティへの参加」（ネット上でもリアルでもOK）と
「哲学、考え方、志、価値観」などを伝える機会を増やすことです。

コミュニティは、グレード10になった患者が一定数いれば、
あなたが枠組みを立ち上げるだけで十分に事足ります。

グレード10になった患者が少ないうちは、
来院時での会話や季節の挨拶の手紙、院内掲示、
ネット媒体での各種連絡などを通じての
「哲学、考え方、志、価値観」などの伝達・教育に
龍力してください。

８、無自覚、困っていない問題、症状、の治療に通院

このグレード８の患者は、自覚はないものの
治療が必要であると診断された疾病の治療を受けてくれています。

検診等で疾病が見つかった患者は、そもそも少しは
治療する心積もりがあったのですから…

この続きは無料メルマガ会員に限定して公開中です。
会員であってもなくても、少しの時間で良いですから
この先の展開を想像してみましょう。