「選ばれる医院」と「選ばれない医院」の決定的な違い
世の中には、患者で溢れている歯科医院と、
いつもガラガラの歯科医院があります。
この差は一体どこから生まれるのでしょうか?
最新設備が整った医院が選ばれるのでしょうか?
親切なスタッフがいる医院が一番なのでしょうか?
実はどの答えも半分正解で半分不正解です。
「選ばれる医院」と「選ばれない医院」を分ける要因、それは…
選ばれているか否かなのです。
もう少し正確に言うと、患者からみて、
「技術が高そう」と判断された歯科医院が選ばれるのです。
逆に、いくら実際の技術が高くても、設備が良くても、
「なんとなく頼りなさそう」と判断されてしまうと、
その歯科医院は患者に選ばれないのです。
選ばれている医院がさらに選ばれ、
選ばれていない医院はさらに選ばれない…
残酷な現実ですが、
「商品、サービスの根本でない部分で選ばれる」というのは、
ビジネスの世界では当然の法則です。
さらに、ここからが重要なポイントです。
患者から選ばれるためには、
あくまでも「この歯科医院は技術が高そうだ」と
判断されることが重要になるわけです。
しかしながら、患者は歯科医師の技術を
直接評価できるわけではありませんよね?
高度な治療技術を持っていても、それを感じてもらわなくては
「普通の歯医者さん」としか認識されません。
つまり、患者に選ばれる歯科医院になるためには
”技術が高い医院に見えるであろう振る舞い”、
これが極めて重要となっているのです。
これを聞いて、先生は心の中で
「そんな行動は誠実じゃない」と思われたかもしれません。
でも考えてみてください。
患者は限られた情報で、あなたの歯科医院を判断しています。
彼らはあなたの努力も、セミナー参加回数も知りません。
知っているのは、目の前の歯科医院の雰囲気や
先生の話し方、スタッフの応対だけなのです。
さらに言うなら、先生の技術の高さを学術的に説明しても
その技術の真髄を理解することはほぼありません。
患者にはそれを理解するに至るほどの知識や経験がないからです。
私のコンサルタントとしてのキャリアの中には、
技術は高いのに患者が集まらない歯科医院も数多く見てきていますが
そんな歯科医院の院長の大半が、”見られ方”に無頓着です。
一方で、患者から「この先生は信頼できそうだ」という
印象の操作とポジティブな感情獲得に成功している医院は、
着実に患者数を増やしているのが実情です。
この視点で考えると、一見、患者に好かれそうな対応が
実は「選ばれない医院の行動」だったりします。
たとえば、「必要以上に値引きをする」とか、
「過剰に丁寧な説明をする」とか、
良かれと思って、行なってしまいがちですよね?
しかし、これらの行動が原因で
「この先生は患者が少ないから必死なんだな」
と判断されてしまうと、かえって信頼を損なうことになるのです。
反対に、適正な料金設定を自信を持って簡潔に説明する医院が
患者から支持されるのは、「実力があるから余裕があるんだ」
と判断されているところがあるからなのです。
患者の心理はとても繊細です。
彼らは「良い歯科医師」を見分けるための専門知識を持っていません。
だからこそ、あなたの医院の「佇まいや雰囲気、空気感など」から
様々な情報を読み取ろうとするのです。
待合室の清潔感、スタッフの身だしなみ、
診療室の設備、そして何より先生自身の振る舞いや話し方。
これらすべてが「この医院は信頼できるか?」
という判断材料になっています。
例えば、技術は地域トップクラスなのに、患者数が伸びずに
長い間悩んでいたある院長先生の口ぐせは、治療の説明の際の
「もしかしたら」「~かもしれません」でした。
このような曖昧な表現を多用していたことで
患者から「治療に自信がない」印象を持たれてしまっていたのです。
また料金についても「高いと思われるかもしれませんが…」
と、自ら価値を下げるような前置きをしていたのでした…
すぐに実践できる「選ばれる」ための3つの戦略
ここまでの話をまとめると、患者はあなたの歯科医院を
「上っ面だけ」で判断しているということです。
実際の技術力よりも
「技術が高そうに見えるかどうか」が
選ばれる大きな要因になります。
これは決して誠実さに欠ける話ではなく、
人間の認知の仕組みとして
自然な判断プロセスなのです。
では具体的に、明日から何をすれば
「選ばれる歯科医院」になれるのか?
以下の3つの戦略をぜひ実践してみてください。
1. 「自信」を可視化する
診療時の説明では、
曖昧な表現を避け、断定的な言い方をしましょう。
「〜かもしれません」ではなく「〜です」「〜になります」と
明確に伝えることが大切です。
また、料金についても
「この治療費はあなたが得られる価値に比べれば安いくらいです」
と自信を持って伝えましょう。
値引きを提案するのではなく、
その治療がもたらす価値の高さ=患者が手に入れる明るい未来を
しっかりと説明するのです。
2. 希少性を演出する
すべての時間帯を空けておくのではなく、特定の曜日・時間帯は
意図的に予約を絞り、基本クローズしておくようにしましょう。
「木曜の午後は院長の専門分野の診療なので予約が取りにくいです」
などと、あえて伝えることで、あなたの診療の価値を高められます。
また、初診の患者には、まずはカウンセリングと検査の時間を設けましょう。
すぐに治療を始めるのではなくしてしまうことで、
「いつでも出向けば見てくれる」という便利屋的印象を払拭できます。
3. 専門性を強調する
どんなに小さな治療でも、「なぜその治療が必要なのか」
「どのような効果があるのか」を歯科の専門家として堂々と説明しましょう。
特に得意な分野があれば、それを医院の特色として
積極的にアピールするのです。
待合室には、あなたの専門性を示す資格証や修了証を飾りましょう。
患者にはその内容や価値はわかりませんが、「証の存在」が大事なのです。
自信をもって堂々と話すと”なんとなく”説得力が増すように、
自信をもって診療に臨むことで、あなたとあなたの歯科医院の評価は
確実に高まっていくのです。
重要なのは、「選ばれている医院」に見えるよう意識的に行動することです。
患者はあなたの技術の高さを直接評価できませんが、あなたの自信や姿勢、
歯科医院の雰囲気から「この先生は信頼できそうだ」と判断します。
技術力を高める努力は継続しつつも、その技術の高さを適切に伝える
「〜そうの力、身に纏う地震や雰囲気の力」も同時に磨いていきましょう。
そうすれば、あなたの歯科医院は必ず「選ばれる医院」へと変わっていきます。