近 義武の歯科医院経営大学

我々院長には経営者の一面がありますから、
どうしても目の前のお金、今必要なお金に心を奪われがちです。

しかし、少し考えてみただけでも、リニューアル、高額な機器の導入、
レントゲンや上下水道などの設備の換装などは
将来的にはほぼ確実にまとまった出費を余儀なくされます。

それこそ、天変地異や人為的事故によって
診療室が物理的に破壊されることだって可能性はゼロではありません。

必要に迫られるたびにきちんと資金調達できる自信がある方は
今回の話は無縁かもしれませんが、今後ビジネスでもプライベートでも
借金をする可能性がある方は聞いて欲しい話です。

2024年にNISAの制度がスタートし、一部では不動産バブル状態、
円安、株高、原材料費の高騰、人手不足など、
この先の経済の方向が見えにくくなっています。

そこで今回は、歯科医院経営には本当は影響が大きいのに
実際にはそれほど着目されていない金利の話をしていきます。

金利は「今現在のお金」と「将来のお金」を結びつけています。
特に投資や借入など大きな金額を動かす際に
経営者としての重大な決断を支える知識の1つと言えます。 

歯科医院経営と金利＋景気

まずはざっくり基礎知識として、おさらいをしておきましょう。
金利は景気によって大きく動きくのが本来の姿です。

好景気と金利

景気が良いとは、経済活動が活発化している状態のことです。
我々個人でいうとモノをよく買う時、金回りが良い時。

歯科医院経営でいうと患者の財布の紐が緩んで
自由診療の割合や患者単価が上昇し、収益が増えるので
リニューアルや設備投資などを積極的に行いたくなる時期にあたります。

多くに人々の収入も増えて、消費が活発になります。
そのため金額的に大きい不動産や大型消費財（自動車等）なども売れます。
これらの商品の購入に際しては、多くの人が借入金を組みます。

銀行などで人が増えるということは
お金に対する需要の方が大きい状況ですので、
借入金を組もうとすると貸主は金利を上げてきます。

物価上昇や人件費（給与）の上昇は好景気を表しますから
現在（2024年7月時点）は経済指標的には好景気といえますが、
多くの方々には実感を伴わず、好景気の恩恵を一部が独占している
歪な好景気と言えるかもしれません。

不景気と金利

一方、景気が悪くなった時はどうでしょうか。
こちらでは経済活動が停滞している状態です。

人々の収入も伸び悩み、消費も消極的です。
こうなると患者は歯科診療にもお金を使いたがりません。

歯科医院でも患者が減り、自費率も下がります。
人員の削減は断行しても設備投資にはなかなか踏み切れません。

あなたも患者も借入金を起こそうとしませんから
お金に対する需要が少なく、世の中には現金がダブつきます。
借入金の人気がありませんから、その金利は下降します。

借入金と金利

我々歯科医院の院長にとって重要になるのは
借入金を組んで設備投資をするかどうかの判断になります。

借入金の金利以外の歯科医院の経費（支出）が変化しないとすると、
あなたの利益も減らさせないためには…

この記事の公開は2024年12月31日まで