近 義武の歯科医院経営大学

こんにちは、
患者が集まる歯科医院構築、
経営アドバイザーの近です。

アメリカの大統領選挙が行われ、
トランプ氏が返り咲くことになりましたね。

日本でも新たに石破氏が内閣総理大臣となり、
日米共に新リーダーが国を牽引するわけです。

一方で、歯科医院経営では、一旦オーナー院長になれば
（つまり雇われ院長でない院長となれば）
30年〜40年ほどはリーダーのままというのが通例です。

資金を用意し、歯科医院を設立し、スタッフを雇用し、
患者を集めて診療することを院長の責任で行うのですから
リーダーであり続けるのは当然ではあります。

大統領選挙や自民党総裁選挙では、立候補者が複数いて
自らの政策や公約を明らかにして
有権者の支持を集めなくてはリーダーになれません。

しかし、歯科医院の院長は
「自分の歯科医院を開設する」と決めた瞬間から
”自らがリーダー”とならざるを得ません。
というか、必然的にリーダーになってしまいます。

自らの意思でほぼ全ての事柄を決定できるため、
自分や自分の歯科医院の診療方針や経営の方向性を
”胸の内”に秘めたまま、明確化・言語化しないまま
日々の診療に勤しむ院長先生も多いものです。

この”自分や自分の歯科医院の診療方針や経営の方向性”を
明確化・言語化したものを「経営理念」と呼んでいます。

言葉の定義はまぁ、どうでもいいのですが、
この「経営理念」が無いことで
業務が空回りしてしまっていることも少なくありません。

院長であり、経営者であるあなたは、
行うべき”診療以外の仕事”について考えたり、
院内の人事、患者のマネジメントなど常に悩みが尽きません。

そこで今回は、
業務を円滑に捗らせることを目的とした
”経営理念を明確化・言語化する”ポイントをお伝えしていきます。

特に初めて明確化・言語化する際には
あなたの心の奥底を探らなくては意味がありませんので
出来上がった経営理念は公開しなくて問題ありません。

「ヒミツの経営理念」として
いつでも見返せるけれど人目には触れない形で
保持・保管すると最初から決めて明確化・言語化します。

『そこまでしてなぜ経営理念を明確化・言語化するのか？』
『自分がリーダーで自分に決定権があるのに、なぜ必要か？』
『経営理念の明確化・言語化で業務が捗る気がしないが…？』

などの疑問を持つ方も、多かろうと思います。
私も実際に経営理念を明確化・言語化、そして活用してみて
初めてその価値が腹落ちしたので、その疑問もよくわかります。

ですので最も気になる、経営理念を明確化・言語化する
大きなメリットをここではお伝えします。

診療方針や経営の方向性を
明確化・言語化するメリット

判断・決定のバロメーターになる

実のところ、開業したての歯科医院では、
”業務を捗らせる経営理念”をほぼ、持っていないでしょう。

そうこうするうちに歯科医院経営が落ち着いてきて
さらなる成長を目論むようになるにつれて
「そろそろ経営理念でも作ろうか…」と考える院長は多いものです。

しかし、私はそのタイミングで良いとは思いません。
開業準備の初期の初期から、”診療方針や経営の方向性”を
明確化・言語化して「経営理念」を作ることを推奨しています。
その理由は、経営判断・意志決定に一貫性が付くからです。

院長には、毎日たくさんの”考えること・決断すること”があります。

この治療は行うべきか、否か、それとも他院に紹介するか？
この新規治療法や新サービスは自医院に導入するべきか、否か？
この患者は受け入れるべきか、やんわり断るべきか？

などなど、これら以外でも多くの
”考える・決断する”必要がある場面に遭遇します。

このような際に、”診療方針や経営の方向性”を
明確化・言語化した「経営理念」があれば、
その経営理念に照らし合わせて検討が可能になります。

そして最終的には経営理念を、
経営判断や意思決定のバロメーターにすることができます。
バロメーターすなわち、基準や物差の存在が重要なのです。

経営判断や意思決定のバロメーターがなければ、
決定権を持つあなたの気分に結果が左右されたり、
場当たり的な行動を取ってしまったり、
判断や決定に多大な時間を要したりしてしまいます。

あなたの言動に自己矛盾があって、それが問題となれば
後始末や問題の収拾に手間や時間、資金がかかることもあり得ます。
スタッフや患者に不信感を持たれては、信用もガタ落ちになりかねません。

このように経営理念がないと、あなたの判断や決定にブレが出て、
歯科医院経営の舵取りに支障が出る可能性が上がってしまうのです。

ストレスの発生を未然に防ぐ形なので、”診療方針や経営の方向性”を
明確化・言語化した「経営理念」の威力をすぐには実感できませんが、
運用を開始してしばらくすると「そういえば最近、疲れないかな…？」と
思い至ること間違いなしです。

あなたにスタッフや患者が付き従うようになる

先に話したように、あなたの心の奥底を明確化・言語化した
「ヒミツの経営理念」は公開しなくて問題ありませんが…