ブランド歯科医院の構築

〇〇と思った瞬間に患者は離れる|歯科経営を揺るがす認知のズレの埋め方

先生、毎日の診療、本当にお疲れ様です。

こんにちは、株式会社120パーセント代表、
ニッチな自由診療でも「先生のその治療が受けたい!」患者が集まる歯科医院構築、
クリニックの経営アドバイザーで歯科医師の 近  義武 です。

 

ある歯科医院の待合室こんな光景を目にしました。
中年の女性患者が「この痛みがずっと続いていて不安で…」
と受付スタッフに訴えていました。

 

しかしスタッフは「はい、カルテに書いておきますね」
と淡々と対応するだけ。
女性の表情には不満と不安が浮かんでいたのが印象的でした。

 

先生は今日、何人の患者を診ましたか?
10人でしょうか、20人でしょうか。
もしかすると30人以上かもしれませんね。

 

毎日多くの患者を診る私たち歯科医師にとって、
目の前の患者も「来院者の中の1人」であり、
患者が開いている口腔は日常の風景、
診る症状も「よくある症例」に過ぎません。

 

しかし、ここに落とし穴があります。

 

患者本人にとって、自分の歯の痛みや悩みは
現時点で唯一無二の大災害であり、切実な大問題なのです。

 

「先生、この歯がずきずき痛むんです」

と訴える患者の言葉の裏には、
「この痛みは私の人生を狂わせている」
という切実さが隠れていると気づいていますか?

 

私たち歯科医師は専門知識を持っているがゆえに、
「この程度の虫歯なら大したことない」
「この症状ならこんな経過で治癒に向かうだろう」
と冷静に判断できます。

 

実際、歯科医師として数えきれないほど大量に
同様のケースを見てきた経験がありますから、
ほとんどの症状は「日常的」なものだと知っている訳です。

 

ところが患者には専門知識がありません。

「この痛みはがんの兆候ではないか?」
「抜歯すると他の歯にも影響するのでは?」
「治療後も同じように食事ができるのか?」
などなど、患者は不安と恐怖の真っ只中で来院しているのです。

 

つまり、病状の当事者と医療従事者の立場の違い以上に
私たち歯科医師と患者の間には大きな”認識の温度差”があるのです。

 

さらに言うなら、多くの院長先生については、
この”認識の温度差”の存在に無自覚で、これを起点として
院内に問題が生じているパターンをたくさん見てきました。

 

ある歯科医院では、患者アンケートで
「熱心に治療してくれるけど、不安が消えなかった」
という声が多数寄せられていました。

 

「先生は『虫歯です』って言うだけで、何も説明してくれない。
でも私は虫歯がどのくらい進行しているのか、 なぜ痛いのか、
どうなるのか、全然わからなくて 夜も眠れなかったんです」

 

技術的には素晴らしい治療を提供していたにも関わらず、
患者満足度は低迷してしまっていたのです。
なぜこのような事態が起こるのでしょうか?

 

それは、私たち歯科医師が
「治療」という技術提供に集中するあまり、
患者の「感情」や「不安」という
エビデンスのない部分を見落としてしまうからです。

 

「わからない」という状態こそが、患者の恐怖や心配、
緊張、ストレスを何倍にも増幅させているのです

 

この”認識の温度差”が原因で、患者の満足度を下げ、
通院継続率を下降させ、リコール率を低いままとして、
最終的には歯科医院の経営をじわじわと蝕んでいくのです。

認識の温度差が招く歯科医院経営への影響

「先生の説明が難しくてよくわからなかった」
「痛みがどのくらい続くか教えてもらえなかった」
「なぜこの治療が必要なのか理解できなかった」

 

こうした患者の声を耳にしたことはありませんか?
ひょっとすると、届いていないだけかもしれません。

 

多くの患者は不満があっても直接は言わず、
黙って別の歯科医院に移ってしまうのです。

 

私が相談を受けた、技術力の高い院長先生は
「患者は治してもらえればそれでいいはず」
と考えていたことを後に話してくれました。

 

現実としては、新患数は伸び悩みが続いており、
リコール率も徐々に低下していたのです。
なぜこのようなことが起こるのか?

 

それは”認識の温度差が負の連鎖を生み出すからです。

まず、患者は不安や疑問が解消されないまま通院します。
治療中とはいえ痛みや不快感の理由が理解できないため、
必要以上にネガティブな印象を持ちます。

 

そして治療後も「本当に治ったのか?」
「この治療は正しかったのか?」と疑念を抱き続けます。

 

こうした疑念は次第に不満へと変わり、最終的には
歯科医院への不信感として定着してしまうのです。

 

技術的、学術的なことは知識不足でよく分からず、
その上、自分にとっての大問題に対する不安が
いつまでも解消しないとなれば当然とも言える反応です。

 

ある患者アンケート調査では、
歯科医院を変えた理由の上位に
「医師の説明がわかりにくかった」
「自分の不安に応えてもらえなかった」
という項目が挙がっていました。

 

つまり、技術的な問題ではなく、”認識の温度差”が
患者離れの主要因の1つとなっていたのです。

 

「でも、うちのスタッフは親切に対応しているはずだ」
と思われるかもしれません。
確かに個々のスタッフのホスピタリティは重要です。

 

しかし、ホスピタリティは個人の資質に
依存する部分が大きく、スタッフの
入れ替わりによって変動しやすいのです。

 

ある日はベテラン衛生士がスムーズに対応し、
翌日は新人がぎこちなく対応する…

 

このような不均一なサービスでは、
患者の信頼を安定して獲得することは難しいでしょう。

 

さらに重要なのは、あなたとスタッフがいくら笑顔で対応しても
情報の非対称性から生じる”認識の温度差”は解消されないことです。

 

笑顔の裏で「何を言っているか分からない」と患者が感じれば、
歯科医院の評判は徐々に下がり、新患獲得やリコール率に
直接的な悪影響を及ぼします。

 

この問題を経営戦術として体系的に解決していくことこそが、
持続可能な歯科医院経営の鍵となるのです。

温度差を埋める具体的アプローチ

では、どうすれば”認識の温度差”を
埋めていくことができるのでしょうか?

 

重要なのは、個人のホスピタリティに頼るのではなく、
歯科医院全体としての仕組み化されたアプローチです。

 

「患者の立場になって考える」などの抽象的な指示ではなく、
具体的な「ルール」をスタッフ全員で共有しましょう。

1. 患者視点のカウンセリングプロトコルの確立

まず、初診時に必ず行うべき説明事項をマニュアル化しましょう。

・痛みの原因と進行度合い
・治療オプションとそれぞれのメリット・デメリット
・治療期間と回数の目安
・費用の概算
・治療後の経過と注意点
・その他、あなたのの歯科医院の独自の事項

 

これらをチェックリスト化し、
必ず患者に説明するシステムを作ります。

 

ある歯科医院では、タブレットを使って視覚的な説明を
標準化したところ、治療同意率が30%向上しました。

 

2. 患者の不安を言語化する仕組み

患者は自分の不安や疑問をうまく表現できないことがあります。
そこで、問診票に「現在の不安や心配事」を書く欄を設けましょう。

「痛みに弱いので麻酔が心配」
「費用がどのくらいかかるか不安」
「仕事が忙しいので通院回数を最小限にしたい」

 

こうした患者の本音や希望、思いを把握することで、
的確な対応が可能になります。

 

3. 診療中の「声かけタイミング」のマニュアル化

「これから麻酔をします」
「チクッとした痛みがありますが、10秒ほどで和らぎます」
「今から削りますが、痛くなったら手を挙げてください」

 

このような声かけを治療ステップごとに標準化すれば、
どのスタッフが担当しても患者の不安を軽減できます。

 

4. 診療後の説明

治療後の説明も言葉での説明だけでなく、
模型やイラスト、 口腔内写真などを使い、
視覚的に理解を促進する工夫が効果的です。

 

実際に自分の口腔内写真を見せることで、
患者の理解度と治療への関心は劇的に向上します。

 

典型的・定型的な治療後の説明(抜歯後の注意など)は
多少手間はかかりますが、動画を作ってしまい、
タブレットで見てもらった後に質問を受けるようにすると
スタッフの時間を有効に使えます。

 

5. フォローアップコールの導入

特に大きな治療や外科処置の後には、
翌日に電話でフォローアップを行いましょう。

 

「昨日の治療後、お痛みはありませんか?」
「何か気になることはありませんか?」
「次回の治療について不安なことはありますか?」

 

この一手間が患者の安心感を大きく高め、
あなたの歯科医院への信頼を深めます。

 

こうした電話対応の台本を作成し、
受付スタッフでも実施できるようにしておくと良いでしょう。

 

6. スタッフミーティングでの事例共有

週に一度のミーティングで、”認識の温度差”が原因と思われる
患者対応の問題事例を共有し、改善策を全員で考える時間を設けます。

 

継続的な意識改革が組織文化として定着することで、
個人の資質に依存しない「システムとしての温度差対策」が実現します。

 

さらに、診察室に「よくある質問」のボードを設置したり、
患者の質問を促す声かけを励行したりすることで、
患者が質問しやすい環境・雰囲気を作ります。

 

歯科医院全体として”認識の温度差”を埋める
体系的なアプローチをすることが重要となります。

認識の温度差を埋める

歯科医療は、高度な専門性を持つ分野です。
私たち歯科医師は何年もの教育と臨床経験を経て、
その専門性を身につけてきました。

 

しかし、この専門性の高さこそが、患者との間に
”認識の温度差”を生み出す原因となっています。

 

患者はあなたの知識や技術を評価する能力を持っていません。
患者が評価するのは、あなたの態度であり、安心感であり、
わかりやすさなのです。

 

臨床技術を磨くことに熱心な先生ほど、
患者視点での認識ギャップに気づきにくい傾向があります。

 

しかし、優れた臨床技術があっても、
患者がそれを理解し評価できなければ、
残念ながら経営的成功には結びつきません。

 

患者は「この先生は自分のことを理解してくれている」 と感じると、
あなたの専門的判断や治療提案も信頼するようになります。

 

その結果、高額な自由診療も受け入れやすくなり、
継続的な通院にも定期的なメンテナンスにもつながるのです。

 

医療という専門性の高い分野では、
提供者側と受容者側の認識の温度差は必然的に生じるものです。

 

その温度差を広げないよう留意し、
積極的に埋めていく努力が、歯科医院経営の秘訣の1つとなります。

 

患者が「この先生なら安心して任せられる」と
感じられる歯科医院こそが、長期的に安定した経営を実現できるのです。

 

認識の温度差を埋める取り組みは、
すぐに劇的な変化をもたらすものではないかもしれません。

 

しかし、この地道な積み重ねこそが、
あなたの歯科医院を選び続けてくれる患者を増やし、
紹介を生み、安定した経営基盤を築く確実な方法なのです。

 

あなたも今日から、
患者との認識ギャップを意識した診療を始めてみませんか?
その小さな変化が、大きな経営改善への 第一歩となるはずです。

 

 


 

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歯科医師
歯科医院の集患・経営、
ブランド構築コンサルタント

株式会社120パーセント
代表取締役  近  義武

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