我々の行う歯科医院経営は基本的には「待つ」ビジネスです。
取引先に出向いて営業して商談をまとめたり、
店頭で客引きをするような業態ではありません。
ですから、患者の来院は実にありがたいものです。
特に「新規患者が来てくれるのはうれしい」と言う
先生はたくさんおいでです。
しかし、初診で来院してもそれっきりだったり、
治療終了まで通院してくれなかったりもよくある話です。
いわゆる「中断率」「離脱率」の改善は医院経営に直結しています。
1人あたりの患者から得ることができる歯科医院の売上は
来院回数と正の相関関係にあります。
これは。長く通院するほど患者1人から得られるトータルの金額が
大きくなることを意味します。
では「中断率」「離脱率」の改善を実現するには
何をすればよいのでしょうか。
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患者との関係性
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「中断率」「離脱率」を改善するには
”あなたと患者との関係”を
あなたにが有利な形でがっちり固めることです。
つまり、「この先生のいうことには従おう」
と患者に思わせることが必要なのです。
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ラポール・信頼関係の構築
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目新しさは全くありませんが、実際には
ラポールがないとどうにもならないのも事実です。
では現在、”ラポールの確立”のために
あなたが行なっていることは、具体的には何ですか?
・患者の問診に時間をかける
・インフォームドコンセントを確実に行う
上記の質問をすると、多くの院長先生からは
こんな答えが返ってきます。
確かに間違ってはいませんが、もっと効果的な手法があります。
それは、『接触頻度を増やす』ことです。
人は誰でも、出会う機会を多く持った相手に対して
親近感・信頼感を持ちやすくできています。
これはあなたと患者との間にも働く心理効果です。
心理学上では「ザイアンス(ザイオンス)効果」と呼ばれます。
この効果の特徴は”会う回数より会う時間の影響が大きいことです。
会った回数の方が、会っているトータル時間より重要なのです。
つまり、1回会って1時間話すよりも
10分ずつ3回会って話した方が信頼感を得られるということです。
さらにザイオンス効果は直接会わなくても働きます。
電話、手紙、メールなど接触ができる手段なら何でもアリです。
だから「会う回数」ではなく『接触頻度』を増やすのです。
まずは、あなたの診療スタイルに適した形で
患者との接触頻度を増やすことを考えて下さい。
ただし『接触頻度を増やす』といっても、
難しく考えるコトはありません。
「リコールはがき」も「予約確認の電話」も
接触頻度を増やすことに繋がっています。
知らずに行なっていたことにも多少の効果はあるのです。
また、説明会や相談会の開催も、接触頻度を増やしてくれます。
ある院長は、1〜2ヶ月に1度程度、
「無料インプラント説明会」「矯正相談会」
みたいなものを開催しています。
既存の患者との接触を増やすことを主目的にしているので
患者の役に立つ情報を提供することだけを
心がけているそうです。
そこから治療の成約になればうれしいものの
全然なくても構わないという姿勢が良いようで、
歯科医院自体は盛況を継続しています。
このような一手間、一工夫はあなたの医院でも
必ずできることです。
是非とも開催を考えてみて下さい。