経営者の心構えとは

値引き癖が治らない、ミーティングが続かない理由

続けられない理由は「行動の性質」にある

1ヵ月ほど前、近所のコンビニで小学生くらいの男の子が
レジ横の募金箱の前で、母親にこう言っていました。

「ぼく、毎日ここに10円入れるって決めたんだ」

 

母親は優しく微笑んで「偉いわね」と答えていました。

 

翌々日、同じ時間帯にコンビニを通りかかったとき、
その親子をまた見かけました。
男の子は募金箱に10円玉を入れていました。
「続いているな」と思いました。

 

でも、それから1週間後あたりから、
何度か同じ時間帯に同じコンビニに行ったのですが、
その親子の姿はありませんでした。

 

たまたま時間が合わなかっただけかもしれません。
ただ4、5日目くらいまでは募金する様子を見かけましたから
あの男の子は最初の数日は続けられたのでしょう。
でも、やがて続かなくなったのかな…

 

男の子の自己評価が下がらないことを願うばかりです。
優しい母親がついているので問題ないとは思います。
とはいえ、これは誰にでもある経験です。

 

早起きして朝活をすると決めたのに三日坊主…
日記を毎日書くと決めたのに1週間で挫折…
禁煙宣言したのにストレスでタバコに手が伸びる…

 

「意志が弱いから」
「根性がないから」

 

多くの人はそう自分を責めます。
でも、実は違うのです。

 

続けられない理由は、
あなたの意志の強さではなく、
行動そのものが持つ性質にあるのです。

 

これは歯科医院経営でも全く同じです。

「カウンセリング時間を30分確保しよう」
「毎週スタッフミーティングをしよう」
「自費診療の説明資料を必ず使おう」

 

こう決めても続かない。

 

「患者の無理な要望を断れない」
「ドタキャンする患者をいつまでも受け入れる」
「採算度外視で値引きしてしまう」

 

こういう行動をやめられない。

 

その理由は先生の能力不足でも
意志の弱さでもありません。

 

行動には、促進したい行動抑制したい行動があり、
それぞれに継続の難しさがあるからなのです。

 

今日はこの2つの行動の性質を理解し、
継続のための具体的な技術を
お伝えしたいと思います。

促進したい行動が続かない本当の理由

まず、促進したい行動について考えてみましょう。

 

これは身につけたい、取り入れたい、
習慣化したい行動のことです。
歯科医院経営で言えば、こんな行動が該当します。

 

初診患者へのカウンセリング時間を30分確保する
毎週月曜日の朝、15分間のスタッフミーティングを行う
自費診療の説明時には必ず資料を使って視覚的に伝える

 

これらはすべて
「始める」「プラスする」行動です。

 

今までやっていなかったことを
新たに取り入れていく行動なのです。

 

では、なぜこれらは続けにくいのか。
理由は明確です。
すぐに成果を確認できない
からです。

 

カウンセリング時間を30分確保しても、
その日の患者が自由診療を高確率で
即決してくれるわけではありません。

 

スタッフミーティングを始めても、
すぐにスタッフの動きが
劇的に変わるわけではありません。

 

言い方を変えるなら、
長く続けなければ成果が得られないから
続けることができない
のです。

 

さらに厄介なことに、促進したい行動には
それを邪魔する競合行動が存在します。

 

カウンセリング時間を確保するはずが、
つい次の患者を早く呼んでしまう。

 

スタッフミーティングを開くはずが、
つい「今日は忙しいから」と先延ばしにする。

 

これらが競合行動です。

 

競合行動はとても魅力的です。
その誘惑はとても強烈で、つい自分に言い訳をして、
あなたは誘惑に負けてしまいがちなのです。

 

なぜなら競合行動は、行動した瞬間に、
あなたの望む結果を得られる
からです。

 

次の患者を早く呼べば、
予約の遅延が解消されて安心できる。

 

ミーティングを省略すれば、
その15分で事務作業ができる。

 

どれも今すぐ得られる
確実なメリットなのです。

 

一方、促進したい行動は
習慣化されていないため、
心理的なハードルが極めて高い。

 

しかも実際には時間や手間、コストなど
自分自身が持つリソースを費やす必要があります。

 

30分のカウンセリングをするには、
予約枠の調整が必要です。

 

スタッフミーティングをするには、
朝15分早く出勤する必要があります。

 

促進したい行動のハードルが高い反面、
競合行動の誘惑は強い…
これが続かない本当の理由なのです。

抑制したい行動がやめられない本当の理由

次に、抑制・排除したい行動について
見ていきましょう。

 

これはやめたい、減らしたい、
なくしたい行動のことです。

 

歯科医院経営で言えば、
こんな行動が該当します。

 

患者の無理な要望をすべて受け入れてしまう対応
スタッフの遅刻や欠勤を曖昧に許してしまう姿勢
採算度外視で安易に値引きしてしまう癖
ドタキャンを繰り返す患者をいつまでも受け入れる

 

これらは「やめる」「マイナスする」行動です。
今までやってきたことを
手放していく行動なのです。

 

では、なぜこれらは
やめられないのでしょうか。

 

抑制したい行動は、
先ほど話した競合行動によく似ています。

 

魅力的で、すぐ確実に自分の望むものや
快楽を得ることができる
のです。

 

患者の無理な要望を受け入れれば、
その場で患者は満足してくれます。

 

スタッフの遅刻を曖昧に許せば、
険悪な雰囲気を避けられます。

 

値引きをすれば、
患者はその場で治療を決めてくれます。

 

どれも今この瞬間に
安心や満足を得られる行動なのです。

 

自分で格別な努力をしなくても、
簡単に継続できてしまう。

 

快楽やメリットがすぐ確実に現れることが、
抑制したい行動を止められない理由なのです。

 

先生も経験があるのではないでしょうか。
「この患者はもう受けない」と決めても、
いざ予約の電話がかかってくるとつい受けてしまう。

 

「スタッフの遅刻を注意しよう」と思っても、
忙しい朝の雰囲気の中でつい見過ごしてしまう。

 

それは先生の意志が弱いのではなく、
抑制したい行動が持つ即効性の性質
あまりにも強力だからなのです。

行動の特性を理解すれば継続の技術が見える

ここまで読んで、先生はこう思われたかもしれません。
「じゃあ、どうすればいいんだ」と。

 

安心してください。
それぞれの行動の特徴を理解すれば、
継続するための技術も自ずと見えてくるのです。

 

促進したい行動なら

その行動が起きやすい条件を整え、
競合行動が発生しないようにコントロールする。

 

具体的にはこうです。

 

カウンセリング時間を30分確保したいなら、
予約システムそのものに30分枠を組み込んでしまう。

 

スタッフミーティングを習慣化したいなら、
月曜の朝8時45分を全員の出勤時刻にしてしまう。

 

つまり、やろうと大きな決心をしなくても
自然にできてしまう環境
を先に作るのです。

 

そして競合行動、すなわち
「次の患者を早く呼んでしまう」
「ミーティングを省略してしまう」
という行動が起きにくくする。

 

予約枠が既に30分なら、
早く呼ぶことはできません。

 

朝8時45分が出勤時刻なら、
ミーティングを省略する理由がありません。

 

抑制・排除したい行動なら

その行動が起きにくい条件を整え、
代わりとなる代替行動をとるようにする。

 

具体的にはこうです。

 

患者の無理な要望を受け入れてしまうなら、
「当院でできること・できないこと」を
明文化したリストを作っておく。

 

スタッフの遅刻を曖昧に許してしまうなら、
遅刻3回で面談というルールを就業規則に明記しておく。

 

そして、無理な要望を受けるのではなく、
「できる範囲での選択肢を提案する」
という代替行動をとる。

 

これが継続のための準備・技術なのです。

 

先生の歯科医院でも同じです。
行動の性質を理解し、適した環境と仕組みを作る。
これが継続の技術なのです。

行動を2つに分類しよう

続けられない理由は、
先生の意志の弱さではありません。
行動そのものが持つ性質にあるのです。

 

促進したい行動は、成果がすぐには見えにくく、
競合行動の誘惑が強い。だから環境を整え、
行動が起きやすい条件を作る。

 

抑制したい行動は、即座に快楽や安心を得られる。
だから起きにくい条件を整え、代替行動を用意する。

 

この理解があれば、継続の技術はそう難しくありません。
まずは今日、先生の歯科医院での”目標達成のための行動”
2つに分類してみてください。

 

「これは促進したい行動だな」
「これは抑制したい行動だな」

 

そして、それぞれの行動に合った
環境と仕組みを考えてみましょう。

 

継続の技術は、理解だけでなく実践から始まります。
小さな一歩を、今日から。

 


 

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歯科医師
歯科医院の集患・経営、
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株式会社120パーセント
代表取締役  近  義武

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