先生は最近、患者の来院理由に変化を感じていませんか?
「友人・家族の紹介で」
そんな理由で来院する患者が
減ってきているのではないでしょうか。
実は今、歯科医院を取り巻く環境が変わりつつあります。
歯科医院のコモディティ化が急速に進んでいるのです。
コモディティ化とは、提供しているするサービスや技術の差が
患者から見えにくくなる現象のことです。
患者はインターネットで情報収集し、SNSで口コミを確認し、
より自分に合った歯科医院を選ぶようになりました。
「あなたの歯科医院と他院との違いは何ですか?」
この質問をされて、明確に即答できますか?
私は2000名以上の院長先生にお会いしてきましたが、
即答できる院長先生はほんの一握りです。
差別化できている歯科医院と
そうでない歯科医院の明暗は、
年々はっきりしてきています。
成功している歯科医院に共通するのは、
自分自身や自院の強みについて
特化した深い情報発信を継続的に行っていることです。
患者は「何を」提供するかだけでなく、
「なぜ」「どのように」提供するのかという
歯科医院の価値観や独自性に関心を示すのです。
つまり、先生の専門性や人間性、歯科医院の理念や特色を
効果的に伝えることが今後の生き残りの鍵となります。
なぜ今、大量のコンテンツ制作が必要か
「治療の腕には自信があるから」
そう思っていても、それが患者に
伝わらなければ意味がありません。
では、どのような情報発信が必要なのでしょうか?
治療のビフォーアフター、料金表、
よくある質問と回答集…
これらの”患者向けコンテンツ”は基本中の基本です。
しかし、あなたの歯科医院と、他院との差をつけるには
もう一歩踏み込む必要があります。
例えば、先生の診療哲学や
独自の治療アプローチを説明した
動画やブログ記事はどうでしょう。
「どのような考えで患者に接しているか」
こうした価値観の発信が患者の関心をひくのです。
他にも、”スタッフ育成のためのコンテンツ”も必要です。
マニュアルや研修カリキュラム、朝礼での話題、
ケース検討資料など、院内で使うテキストも必要です。
さらに、”院外向けの情報発信”も欠かせません。
ホームページやSNS投稿、メルマガ、
地域向けの健康コラムなど、定期的な発信が求められます。
これだけ聞くと、「そんな制作時間がどこにある?」
と思われるかもしれません。
実際、私のクライアントの多くも最初はそう感じていました。
診療に追われる毎日の中で、これらのコンテンツを
高品質で作り続けるのは現実的ではないように思えます。
しかし、この大量のテキスト制作が
歯科医院の未来を左右するなら、何らかの工夫が必要になります。
院長の”声”を武器に変える
〜音声入力で実現する時短ライティング〜
「キーボード入力が遅くて…」
こんな悩みを持つ先生は少なくないでしょう。
実は、あなたは最強の武器をすでに持っています。
それは「声」です。
先生が日々、患者さんに説明している
その声こそが最も価値ある情報源で、
効率的なコンテンツ作成の鍵なのです。
テキスト作成に音声入力を活用すれば、
キーボードでの入力より圧倒的に
速く文章を生み出せます。
日本語入力で1分間に、かなを100~120文字程度を入力できると、
問題なく業務に従事することが出来るといわれています。
それに比べて、話すスピードはその3倍以上です。
つまり、10分間話すだけで3000文字以上の文章ができるのです。
しかも、タッチタイピングなどの熟練などは全く不要で実現可能です。
使えるツールもすでにあなたの手元にあります。
GoogleドキュメントなどのGoogleコンテンツや
Appleデバイスの多くにはそれぞれ音声入力機能が標準搭載されています。
Windows PCではMicrosoftの音声認識が使えます。
院内での症例検討会や、スタッフへの指示を録音するだけで、
貴重なコンテンツの素材になります。
実際、月商800万円を達成したある院長先生は、
通勤時間にボイスメモで考えを記録・テキスト化し、
それをブログやSNSに活用していました。
声を文字に変える習慣は、あなたの思考を整理し、
発信力を高める効果もあるのです。
音声入力の精度と効率を劇的に高める5Tips
音声入力を始めると、最初は「思ったように変換されない」
「専門用語が認識されない」などの壁にぶつかることがあります。
そこで、戦艦効率や精度を高める5つのテクニックをお伝えします。
1. 歯科専門用語の事前登録を徹底
「インプラント」「根管治療」「咬合調整」…
こうした専門用語や、先生の歯科医院名、
スタッフ名などを事前に登録しておきましょう。
特に、日々使う頻出語の登録は
変換精度と入力速度を飛躍的に向上させます。
2. 完璧主義を捨て、編集は後回し
最大の時間節約のコツは、
音声入力をしている途中で誤変換・脱字などに気づいても
修正せずに最後まで話しを続け切ることです。
誤字脱字、変な変換があっても無視し、
とにかく思考の流れを止めないことが生産性向上の秘訣です。
ある矯正専門の院長先生は、
この方法でブログ更新が15分で完了するようになりました。
3. 環境と発声の質を高める
静かな診療室や個室など、ノイズの少ない環境を選びましょう。
また、明瞭な発音を心がけ、特に文末はハッキリと発音します。
「句点」「読点」と口頭で指示すれば句読点も思い通りに入ります。
「改行」など他に動作も音声で指示できる場合もあります。
使用するシステムの設定をあなた様にカスタマイズするだけです。
4. 外部マイクの活用で認識精度を上げる
スマートフォンの内蔵マイクより、
外付けマイクの方が格段に認識精度が高まります。
診療後の記録や、帰宅途中の車内など
多少雑音がある環境でもクリアな音声を拾えるよう、
ノイズキャンセリング機能付きのマイクを使うのがおすすめです。
理想的なマイクと口元との距離は10〜20cm程度です。
5. 「10分ルール」で習慣化
最初から長時間の音声入力は疲れてしまいます。
まずは診療前後の10分間だけ、音声入力の習慣をつけましょう。
例えば「今日の治療で気づいたこと」
「患者への説明で使ったフレーズ」などをテーマにしてみましょう。
このテクニックを実践した小児歯科の院長先生は、
半年で患者向け説明資料が充実し、
無料相談時の治療制約率が1.4倍に上昇しました。
“話す習慣”が未来を変える
今日から実践できる具体的な第一歩をお伝えします。
それは、スマートフォンを手に取り
「今、患者に伝えたいこと」を
たった10分間、話し続けることです。
難しいことは考えず、普段患者に説明するように
リラックスして話してみてください。
例えば朝の通勤時間、診療前の準備時間、
昼休みのちょっとした隙間時間。
こうした「すきま時間」を活用すれば、
新たな時間を作る必要はありません。
話す内容に困ったら、
次のようなテーマはどうでしょう。
「自分が選んだ材料へのこだわり」
「患者によく聞かれる質問とその回答」
この小さな習慣が、やがて
あなたの歯科医院を特別な存在へと変えていきます。
情報発信の量と質が高まれば、
患者はあなたの専門性と人間性に惹かれて
来院するようになります。
そして、あなたの価値観に共感する様になった患者は、
自由診療も積極的に受け入れ、
周囲にも推薦してくれるでしょう。
今日から始める10分間の「話す習慣」
これが、歯科医院の差別化と
持続的な成長への第一歩なのです。