情報発信に悩む院長先生へ
あなたは、ホームページ制作会社から
何でもいいので情報発信してください。
難しければ週1回の更新でも!』
と言われた経験はありませんか?
そして、その要望に応えようとしたものの
長続きしなかった経験はないでしょうか。
多くの院長先生が、
情報発信の継続に見てみぬふりをしています。
なぜなら、臨床に追われる毎日の中で
質の高い情報を発信し続けることは、
想像以上に難しいからです。
しかも、せっかく時間を作って書いても
新患獲得につながらない…
苦労ばかりで結果が出ないとなれば、
継続していくモチベーションも保てない…
そんな悩みを抱える先生方に、今日は
情報発信の本質についてお伝えします。
患者が本当に読みたいのは何か?
あなたは、なぜ患者が
歯科医院のホームページやブログの記事を
読み進めてくれずに離脱するのか、
不思議に思ったことはありませんか?
私もかつては、専門知識を盛り込んだ
情報満載の記事を書いては、
患者の反応の薄さに悩んでいました。
実は、情報たっぷりの記事が読まれない
大きな理由が2つあります。
1つ目は「説教っぽく感じられる」こと。
先生にとっては「正確な情報を伝えたい」
という思いがあるはずです。
しかし患者からすると、
難しい用語や専門的な説明が続くと
「上から目線」「偉そう」と感じてしまうのです。
例えば、
歯周病が進行し、骨の吸収を招きます」
より
あなたの歯はずっと長持ちします」
のほうが読みたくなりませんか?
2つ目は「情報があっても理解できない」こと。
歯科医師である先生にとって当たり前の
知識や概念は、一般の患者にとっては
未知で腹落ちしづらい情報かもしれません。
例えば、
歯周ポケットの数値の意味などは、
専門家にとっては基本でも
患者さんには難解なのです。
それはちょうど、初めて訪れた外国で
現地の人が早口で道案内をしてくれても
ほとんど理解できないのと同じです。
「知ってもらいたい」という熱意が高じると、
つい情報が難解になりすぎて
学校の講義のようになってしまいます。
そうなると、患者は「難しそう」と感じて
読むのをやめてしまうのです。
では、患者が本当に読みたいと思う
コンテンツとはどのようなものでしょうか?
それは「自分の生活に関係がある」と
感じられるもの。
そして「読んでいて楽しい」と
感じられるものです。
言い換えれば、
情報よりも「物語」を求めているのです。
患者は症例写真や専門用語の解説より
「あの先生の話は面白いから
別の記事も見てみよう」という気持ちで
ホームページを訪れるようになります。
ここに、患者に読まれるコンテンツ作りの
大きなヒントがあるのです。
ホームページの黄金法則:7:3の原則
患者に読まれるコンテンツを作るための
黄金法則があります。
それは「エンターテイメント7割、教育3割」
という配分です。
この数字を聞いて
「えっ、そんなにエンタメが必要なの?」と
驚かれた先生もいらっしゃるでしょう。
では考えてみてください。
あなたが最近読んで
記憶に残っている記事や本は何ですか?
多くの場合、その内容が
「面白かった」「感情を揺さぶられた」
ものが思い浮かぶのではないでしょうか?
人間の脳は、感情が動いた情報を
優先的に記憶するようにできています。
この法則を実践して、ホームページからの
新患獲得に成功している歯科医院が数多くあります。
では、具体的に「7:3の原則」とは
どう実践すればよいのでしょうか。
まず、記事の最初の7割は、あなたの人柄や
日常が伝わるような内容にします。
例えば、
・休日に行った旅行の話
・診療中の何気ない発見
・患者とのちょっとした会話
・季節の移り変わりを感じたこと
・子どもの成長エピソード
これらはすべて、あなたという人間を
知ってもらうための「エンタメ」部分です。
患者は治療技術だけでなく、
「どんな人間が治療してくれるのか」に
大きな関心を持っています。
そして残りの3割で、歯科医療に関する
有益な情報を提供するのです。
この部分はあなたの専門性が
発揮される場所です。
こんな口腔ケアが効果的です」
「このエピソードに関連して、
歯の健康について一つお伝えします」
といった形で、自然に
教育的内容へと話題を移していきます。
この「7:3の法則」を実践することで、患者は
「あの先生の記事は面白いし、ためになる」
と感じるようになります。
そして何より、情報発信に対する
あなた自身のハードルが下がり、
継続できるようになるのです。
更新のための具体策:ネタ探しの秘訣
「7:3の法則」を理解しても、
実際に定期的に記事を書いて更新するには
”ネタ探し”が必要です。
「何を書けばいいのか思いつかない」という
悩みは、多くの院長先生が抱える共通の課題です。
そこで実践的なネタ探しの方法をお伝えします。
まず、日常の小さな出来事に
アンテナを立てることです。
診療中の患者との会話、スタッフとの
やりとり、通勤途中の発見など、
どんな些細なことでも記事のネタになります。
例えば、
患者が「歯医者は怖い」と言ったことから、
歯科恐怖症について書くことができます。
次に、他の歯科医院のホームページを
参考にする方法です。
特におすすめなのは、近隣や有名医院ではなく
遠方で検索順位が下位の歯科医院の”ブログ記事”です。
なぜなら、
有名医院はライターが書いていることが多く、
近隣医院は差別化をしっかりできないと
患者を惑わせることになるなど
活用するのにハードルが高いからです。
ただし、遠方で順位が下位医院の記事でも
コピー&ペーストは著作権侵害なので絶対にNG。
テーマや記事の構成、切り口などを
参考にするにとどめましょう。
例えば「虫歯予防について」という
テーマの記事を見つけたら、
「子どもの頃の虫歯体験から学んだこと」
などのあなた自身の体験談を交えた
オリジナル記事に仕立てるのです。
このように、他院の記事を「触媒」として
あなた独自のコンテンツを生み出していくのです。
まとめ:明日から始める新しい情報発信
今日お伝えした内容をまとめると、
1. 患者が読みたいのは説教でも講義でもなく、
人間味のある「物語」
2. エンターテイメント7割、教育3割の
黄金比率を意識する
3. 日常の小さな出来事や他の歯科医院を
参考にしてネタを見つける
この3つのポイントを押さえるだけで、
あなたの情報発信は大きく変わります。
明日から実践するための具体的な
第一歩はこちらです。
まずは週に1回、15分だけ時間を作り、
あなたの日常の出来事をテーマと主旨だけで良いので
できるだけ多く書き留めてみてください。
これとは別に集中して記事を書く時間を作って
書き留めたメモの中から題材を1つ選びます。
その題材について、難しく考えず、
友人に話すように「前半7割のエンタメ文」を
気軽に書いてみましょう。
最後に手直しするので、
体裁や言葉遣いなどもあまり気にせず、
とにかくその出来事を最後まで書いてしまいましょう。
そして出来上がった文章の最後に
「そういえば、歯の健康について一つだけお伝えすると…」
と、専門的な内容を少し加えるだけでOKです。
十分立派な記事になっています。
継続は力なり。小さな一歩から始めてみましょう。









