それは歯科医院の院長が行うべき仕事ですか？【書き下ろし】

「保険で良い歯科医療の実現を」
「保険診療メインでも歯科医院経営が十分成り立つように」
「最先端医療の保険導入、適応症の拡大を」

お会いした院長先生の中に、
時折このような意見を述べる方がおいでになります。

「保険で良い歯科医療を」・・・耳障りはとてもいいです。
このこと自体には間違ってることはないし、イイと思います。

ですが、現実として国にお金がない中で、
何を実現しようとしてるんでしょうか？

保険点数の引き上げでしょうか？
保険適応となる治療範囲の拡大・拡充でしょうか？

この2点には直接的な予算が必要ですよね。
でも国にお金ないのに予算がつくんですかねぇ・・・

歯科医療の質を高めるために、歯科医師免許の更新試験導入でしょうか？
某パクリの国の技工所などを使えなくする規制強化でしょうか？

歯科医療の質と歯科医院が負担する経費はそれなりに比例します。
これは紛れもない事実です。

技術の習得や機器の導入にも資金が必要もだからです。
感染予防対策にも経費は発生するからです。
いわゆる施設基準を満たすためにだって経費はかかります。

提供するしか医療の質を上げるための行動・施策のほとんどが、
歯科医院側の経済的損失につながっています。

自助努力はせずに全ての経済的損失を
国からの補填だけで実現したいんでしょうか？
やっぱり保険点数の引き上げありきなのでしょうか？

こういう考え方を否定する気は私にはありません。
ただ、歯科医院の院長であるあなたにこういった意見を
広めようとするような活動に参加する必要性には疑問を覚えます。

最初にも言いましたが、この意見自体はイイことだと思っています。
でも、あなたの歯科医院の経営が順風満帆でないならば、
もっと優先して行うべき行動があるはずです。

増収に繋がること、経費削減に繋がること、
効率化・最適化に繋がること・・・たくさんあるはずなのです。

この手の活動に積極的に関わってもイイのは、
もう引退したドクターや歯科医院経営が大変順調なドクター、
後進のためにお金も時間も費やせる余裕のあるドクターなどです。

院長先生のお金と時間の使い方

あなたは何にお金と時間を使っていますか？

お金はまだしも、時間の使い方にポリシーのない方が
歯科医師に限らず世間一般にも溢れています。

ちなみに、毎日診療を忙しくしている院長先生には
時間の効果的活用を阻害してくる『３大ジャマー」があります。

この記事の公開は2022年8月31日まで