こんにちは、
患者が集まる歯科医院構築、
経営アドバイザーの近です。
歯科医院経営をしていると、
税金に無関心ではいられません。
特に、ある程度コンスタントに利益が出るようになると
なんとかして税金額を圧縮できたら良いのにと
思うことがしばしばあります。
そこで”節税”を図るのは自然の流れです。
とはいえ、”脱税”は犯罪ですからアウトですが、
合法の”節税”施策の中にも安易にやらない方が良いものもあります。
中でも、採用する院長があとをたたないのが
”あえて経費を立てる”施策です。
大抵が”累進課税”の税率が下がるところまで
経費を使って利益を小さくする形をとります。
例えば、2000万円利益が出そうだとします。
この場合、所得税はおよそ520万円になります。
（所得税率は40%、控除額は279.6万円）
手元には1480万円が残ります。
ここで、210万円の医療機器を購入すると
利益は1790万円、所得税はおよそ437万円になります。
（所得税率は33%、控除額は153.6万円）
手元には1353万円が残ります。
この”節税”施策を進めてくる税理士は
「手元の現金の差＝127万円で医療機器を購入できた」
「83万円で210万円の機器が購入した計算だ」
「節税の効果でお得に医療機器が手に入った」
と、メリットを強調してくるでしょう。
しかし、視点を変えてもう１度考えてみましょう。
ビジネスが成長していく為には、資金投下がほぼ必須です。
人材登用・教育、新しい治療法の勉強・研鑽、
集患のための広告、内装・外装・HPのリニューアルなど
何をするにしても全てキャッシュが必要になってきます。
医療機器が手元にあっても、費用の支払いには流用できません。
資金投下には、額面通りのキャッシュを用意せねばならないからです。
この観点で前述した”節税”施策を見直してみるなら、
医療機器を買わずに、素直に所得税520万円を納税していれば
買った場合に比べて127万円分多くのキャッシュを手元に残せたのです。
この127万円には使い道の縛りや制限はありません。
個人事業なら税引後の利益は生活費でも、遊興費でも、貯蓄でも、
基本的には院長先生の自由に使用ができます。
さらに言うなら、購入した医療機器が、想定ほど患者にウケずに
診療室の片隅で埃をかぶるようなことになれば、
210万円が127万円になったとしても”大損”です。
無用の長物の購入で経費を水増しするくらいなら、
下手な手を打たずに所得税を支払って、
ビジネスのどんな局面でも使えるキャッシュを手元に置いて
資金投下するチャンスを待った方が良いです。
税理士には医療機器の稼働見通しなど全く出来ませんから
購入したけれどほとんど稼働しなかったという結果なら
それはほぼ全て、歯科医師で院長であるあなたの責任です。
節税のためではなく、今後の診療に是が非でも必要で、
購入後はヘビーローテーション間違いなし、
使用対象の患者の集患もバッチリ！というなら問題ありません。
それこそ、資金を投下して歯科医院経営を成長させる
”ビジネスチャンス”なのです。
資金投下した結果、節税にもなったというだけの話です。
”所得税額を減らす”ことが主目的の節税策は
裏目に出ると”実質的に損失”が待っています。
十分に検討してから実行に踏み切るようにしてください。
迷うようなら、相談は随時受け付けております。
根拠のある意見・提言はお渡ししますのでご連絡ください。
会計年度内に決断・実施の必要があるので、
年末は立て込みやすい点はご承知おき下さいね。
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歯科医師
歯科医院の集患・経営、
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株式会社120パーセント
代表取締役 近 義武
