歯科医院の院長の多くは、
歯科医師、歯科衛生士であるスタッフについては
出した成果に対してそれに比例する報酬を与える
いわゆる”成果報酬制”になっているとありがたいと考えています。
理由はシンプルに
”きちんと働いた分だけ給料を払いたい”
”ぷらぷら遊んでいるのに給料を払うのは釈然としない”
という気持ちがあるからです。
”成果報酬制”の給与体系になっていれば、
確かに働きに見合った給料に近づくはずですから、
効率の良いリソースの使い方になるでしょう。
しかし、”成果報酬制”が院内全体を
良くない方向へ向かわせてしまうこともあります。
モラルが大きく下がる…
数字を最優先にした診断、説明、治療…
時間効率の低い診療を他のスタッフに押し付ける…
受付スタッフへの無茶な要望…
チーム医療の破綻…
診療報酬さえあげれば文句ないでしょ?
という感じで患者に強引なセールスをしたり、
サポートスタッフを蔑ろにしたり、蔑んだり…
そんな話は、他院の話としてあなたの耳にも入ってくるのでは?
つまり、成果報酬制そのものが「数字をあげられる人間がエラい」
という院長からのメッセージになってしまった結果というわけです。
もちろん院長先生にその気がなくても
院内が”拝金主義”的な空気になってしまっていれば
それは問答無用で”院長先生の責任”ですから
院長先生が拝金主義だと思われても仕方がないのです。
完全成果報酬制にも良いことはたくさんありますが、
歯科医院としての方向性や信念にそぐわないようなら
院長としては早めに手を打つべきでしょう。
歯科医院の利益の一定割合をメンバー全員で分配するとか
医院全体での目標達成に対するボーナスを
スタッフ全員の評価で決めるとか、個人が暴走しづらいように
ストッパー的な仕組みを考えましょう。
その仕組みが院長先生の考え、ということです。
歯科診療は個人プレー、個人主義的傾向がありますが、
あくまでも”歯科医院あっての歯科医師、歯科衛生士”です。
歯科医院経営が軌道に乗り始めたら
気になってくるのが給与体系、報酬制度・ボーナスです。
その制度であなたの考え方がいやでも伝わり、いやでも反映されます。
その観点でもう一度、給与体系、報酬制度・ボーナスを
点検してみましょう。
本当に今の制度のままで大丈夫ですか?